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2020年1月1日水曜日

(1) ミャンマー人の行動と気質を理解するための統一理論について考えた

明けましておめでとうございます。
去年の投稿では「 ミャンマーでは、善良であることと誠実であることは別の概念であることを考えた」が飛びぬけてアクセス数が多かったです。私の投稿でアクセス数が400近くあるのは珍しいことです。
せっかくなので、新年最初の投稿として、このトピックを深堀りしてみることにします。

まずは、前回までの考察をおさらいします。

前回の投稿で、ミャンマーでは、真面目さと勤勉さ、善良さと誠実さは別の概念であることを論じました。

前者は、その表出が瞬間的に観察される心性の有り様なのに対して、後者は、もっと長い時間軸の中で継続的に観察され、当該者の行為・行動の蓄積により、それらが当該者の持つ資質の発露であると事後的に認められる心性の有り様である。
ミャンマーでは、継続的・長期的に人が評価される社会的な基盤や価値観が希薄なため、後者(勤勉さ、誠実さ)の資質は育ちにくい(ゼロとはいいません)。
そのためミャンマーでは、儒教文化圏の東北アジア人には、多くの場合、自明とされている、前者(真面目、善良)に後者(勤勉、誠実)が包括される、あるいは同一の集合に属するという概念は当てはまらない。
真面目な人物が怠惰であったり、善良な人物が不誠実であるということもあり得るし、真面目で善良だと思っていたミャンマー人から裏切られた、騙されたというケースもしばしば仄聞する。

これは、彼ら・彼女らが、真面目で善良な仮面の下に邪悪な魂を隠し持っているからではありません。
北ヨーロッパの推理小説なんかでは、陰惨な殺人事件を起こしている犯人は、登場人物中、最も善良で悪意のなさそうな人物であるのが常道ですが、そうした自らの邪悪さを善意の仮面で覆って他者を欺くような複雑さ、狡猾さ、陰険さはミャンマーには存在しません。
理由は、おそらく、もっと単純です。
それは、彼ら・彼女らの世界観では、時間軸で評価する文化が希薄なのではないか、という仮説を立てています。
人物が、時間の経過を伴う行為・行動の中で、蓄積的・累積的に評価される社会的な土壌があまりない。
そして、個人単位でも、時間の経過の中で、行為・言動に一貫性や整合性を失っても、自己矛盾や齟齬に悩まされることは少ない。

通常、人間には自己同一性(アイデンティティ)を保つため、自らの行為・言動に一貫性・整合性を持たせる心理機構が存在します。
この心理機構を利用したセールス・テクニックを『影響力の武器』という本で読んだことがあります。
ずいぶん前に読んだ本なのでうろ覚えですが、著者の体験したこんなエピソードが実例として紹介されていました。

ある日著者の家に、タンクトップを着た魅力的な若い女性が、アンケートに協力してもらえませんか?と訪ねてきた。魅力的な女性の申し出なので、とりあえずアンケートを了承した(著者は男性)。あなたは健康とライフスタイルの充実に留意してますかとの問いに、イエスと答えた(魅力的な女性の前でいい格好したかった要素が多分にある)。すると、では、あなたはこれを買う必要がありますねと、健康食品か健康器具を売り込まれた。著者は、健康とライフスタイルの充実に留意していると言った手前、自らの発言を裏切れずに、その商品を買う破目になった。


これは、 自己同一性を維持するため、自らの言動の一貫性・整合性を保とうとする心理機構を利用したセールス・テクニックですが、ミャンマー人に同様の営業をした際、どういう結果が出るか興味があります。

以前の投稿で書いたAさんから、メッセンジャーで、クリスマスカードやら新年祝いの画像が頻繁に送られてきますが、彼女は自分の行為に矛盾や齟齬を感じていないため、こちらに対して後ろめたさや罪の意識はまったくなく、これまでと同様に接してくるのでしょう。
ちなみに、彼女が持ち出したネームタグは、年末に買い取りました。出自のよくわからない物にお金払うのは、抵抗がありましたが、知らない所で勝手に使われてブランド価値を棄損されても困るため、持たせておくわけにもいかなかったので。

あくまでここに書いているのは仮説ですが(fMRIで、実際に脳の活動を観察した実証実験をしたわけでもないので)、これまでの仮説を補強するエピソードとして、以下のようなケースを実際に見たことがあります。

ミャンマー人実業家Mさんと中小企業社長の日本人Iさんは、20年以上の付き合いがあった。
Iさんは、これまで一緒にMさんとは仕事をしたことはないが、交友歴が20年以上あるので、Mさんとは信頼関係が構築できていると考えていた。6、7年前のミャンマー投資ブーム時に、Mさんの元に日本の投資家が日参するようなった。中には、個人で数十億円を動かせる投資資金を持つ投資家もいた。Iさんも当時のミャンマー投資ブームに乗じて、Mさんとの共同事業の提案をした。Iさんは20年来の交友関係があるので、信頼関係がある自分が優先されるものと信じていた。しかし、Mさんは、知り合ったばかりの潤沢な投資資金を持つ日本人投資家との関係を重視し、大きな投資資金を持たないIさんを次第に疎んじるようになり、Iさんから電話があっても居留守を使うようになった。

このケースは、上述した、時間軸のない世界観から導き出された典型的な行為として観察し得ます。
時間を伴う行為・行動の蓄積(ここでは20年以上の交友関係)よりも、目先の利得を優先するのは、Iさんが考えていたのとは異なり、Mさんにとっては、長期にわたる交友関係には大した価値がなかったからでしょう。
行為・行動が蓄積されて、累積的に信用という形で評価される東北アジア人的な価値観と、その時々の利害関係によって、毎回関係性がゼロクリアされるアジア東南アジア人的な価値観がすれ違った典型的なケースと言えます。

ここまでが、前回までのおさらいです。
少し肉付けしたり、実例を入れて実証性を補完したので長くなりました。
いままで、ミャンマー人の行動様式を時間軸という概念を用いて説明してきましたが、もっと包括的かつ明示的に説明できそうな方法を思いついたので、本稿を書き起こしはじめました。
おさらいが長くなったのと、書きながら考えていて疲れてきたので、新しい説明方法については、次回の投稿で書くことにします。

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2019年12月24日火曜日

ダウンタウンにある老舗インド料理店に行ってみた

昨日布を探しにダウンタウンに行った時に、いつもランチしている37th Streetのミャンマー料理店 NAM KHAMがクリスマス休暇で休業中でした。



代わりに、以前から気になっていたダウンタウンのインド料理店に行ってみました。
マハバンドゥーラ通りにあるBHARATというレストランです。


このレストランを初めて知ったのは、2年くらい前で、その時ヤンゴンに住んでいたアメリカ人から、あそこがなかなか美味いという話をWin Starでビールを飲んでいた時に聞きました。


店先にLonely Planetの推薦プレートが貼っているので、外国人や観光客には有名なお店なのでしょう。
英語表記のメニューもありました。



私が行った時は、食事しているのはローカル客だけで、外国人はいませんでした。
インド料理店なので、やはりインド系ミャンマー人のお客さんが多い。



スプーンを使わず手だけでカレーを食べているところを見ると、なんだか本場ぽいものを感じます。
壁には、おそらく往年のインド人スターの写真が貼っています。こういうところにも歴史を感じます。


この時頼んだのは、ベジタブル・カレーのランチセット。
2500MMKで、4種類のカレーとライスがついています。
中には不思議な味のカレーもありました。おそらくパパイヤなどのフルーツがルーに入っていて、スパイスの辛さとフルーツの甘味が混ざり合って、あまり経験のしたことのないタイプの味覚でした。ただし、珍妙過ぎて、食べれないということはなかったです。
カレーとライスはお替り無料のようで、なくなったらウエイターが継ぎ足してくれます。
私はおなか一杯だったので、ライスの継ぎ足しは断りましたが。
チキンとかマトンとか肉の入ったカレーセットは4500MMKでした。
次回、肉入りのカレーも試してみたいと思います。


Googleで情報を見ると創業が1947年らしいので、老舗ですね。移り変わりの激しいヤンゴンで、70年以上も暖簾を守っているのは凄いことです。

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2019年12月14日土曜日

ミャンマーでは、善良であることと誠実であることは別の概念であることを考えた

ミャンマーに来た頃、最初に感じたのは、ここでは真面目であることと、勤勉であることは、別の概念だということです。
そもそも、勤勉であることが美徳と見なされているのは、儒教文化圏、あるいは仏教では大乗仏教が主流になっている東北アジアの国々、及び北ヨーロッパのプロテスタントが信仰されている国々で、上座部仏教やカソリックが信仰されている国では価値観が異なります。
上座部仏教が熱心に信仰されているミャンマーで最も尊敬されているのは、修行を重ねて解脱した僧侶です。解脱した僧侶は、労働も再生産(生殖)もしない、究極の無為の人です。
カソリックでは、労働は神から与えられた罰と考えられています。
一時期イタリアで暮らしていた村上春樹は、この時期に書かれた紀行文『遠い太鼓』の中で、イタリアの郵便局の職員がいかに怠惰かが縷々述べています。郵便局員がまともに働かないから、長蛇の列がいつまで経っても短くならない。たまに例外的に勤勉な職員がいて、てきぱきと事務処理をして、その時だけ一気に行列の人数が少なくなるが、そういう人物が特に評価されている風でもなく、「あいつは、ああいう風に働くが好きなんだろう」くらいの受け止め方しかされていないように見えると書いています。


作家兼実業家で「金儲けの神様」と呼ばれた邱永漢も、「仏像が寝ている国は、工業生産に向いていない」とどこかに書いていたように記憶していますが、これも上座部仏教が信仰されている国を指しているのでしょう。

最近、それとは別に、ミャンマーでは「善良さと誠実さは別の概念である」と気づかされる案件が発生したため、今回はそれについて書きます。

二か月ほど前に、縫製をお願いしているNGOの縫製部門のマネージャーAさんが辞職しました。彼女は20年ほどこのNGOに勤務していて、ベテランとして信頼され、スタッフから頼りにもされていました。私も複雑な縫製を頼むときに、彼女が作業手順などを縫製担当のスタッフに説明してくれたお陰でずいぶんと助けられました。
ふくよかでいつもニコニコしている、絵にかいたような善良そうなビルマ系の中年女性です。自分の子供も他人の子供も同じように可愛がるし、ペットとして飼ってる犬を大切にするところなどを見ると、彼女が心優しい善良な人物であることを疑うのは難しいです。
辞めるときは突然で、引継ぎや事前の連絡などはまったくありませんでしたが、それはミャンマーでは当たり前のことなので、特に驚くことではありません。

私のブランドのネームタグの製作も、彼女を通して業者に頼んでもらっていました。自分で管理していないと危ないな、とは時々感じていましたが、何となく今まで先延ばしにしていました。
彼女がいなくなった後、ネームタグを使い切ってなくなったとの連絡が、約一ヶ月前にNGOのスタッフからありました。
最後に注文したネームタグの数とそれ以降生産した商品の数を計算すると、足りなくなることはないはずです。計算が合わないので、前任者のAさんに聞いてみてもらえないかとNGOのスタッフの方にお願いしました。彼女が誤って持ち出したかもしれないと思ったからです。NGOのスタッフがAさんに訊ねたところ、自分は持っていないと答えたとのことでした。
釈然としないまま、作成してくれるところを探して、新たにネームタグを作りました。
この時は、前任者のAさんに今まで頼んでいた業者をNGOのスタッフの方に聞いてもらって、その店に行ったのですが、「前からここにお願いしていたはずなんだけど」と言っても全然話が通じず、結局Aさんから教えてもらった店では同じものが作成できないことが判明しました。プリント屋が密集しているエリアなので、近隣の店に聞いて回って、作れる店が無事見つかったので、事なきを得ました。
自分に利益が生じないことを聞かれると、面倒がって、確度の低い、その場しのぎの回答をするという対応もミャンマーではよくあることなので、この時も特に何とも思いませんでした。

AさんとはNGOとの仕事を通して3年間程度の付き合いがあり、相手がこちらのやり方を知っていて、意思疎通がしやすいため、縫製の仕事を外注できないかと考え、コンタクトは継続しています。
現在、新商品のサンプルの作成を彼女に依頼中で、一昨日受け取る約束をしていましたが、当日の約束時間の一時間前になってキャンセルの連絡が入りました。キャンセルの連絡があるだけこの時はましな方で、今まで約束の時間に家に行っても留守だったことが3回ほどありました。
こちらも相手を完全に信用しているわけでもないので、サンプルの作成を頼んでいるのは相手にとってコピーする意味のないメンズの新商品です。裁断、縫製を依頼する時に、相手に商品の型紙を渡すので、コピーする気になれば簡単にできてしまいます。
レディースの商品だとミャンマー人の女性にも売れる可能性がありますが、メンズ・ファッションのミャンマー人マーケットは存在しないので、コピーする価値はありません。彼女の顧客は、ミャンマー人女性が中心で、在ミャンマー外国人の男性へ販売するルートを彼女は持っていません。
サンプル作成を頼んでから一ヶ月以上経ちますが、遅々として作業が進行しないのは、コピーする価値がないため、あまりやる気がでないのかもしれません。

この時に、おいおいと思ったのが、キャンセルの連絡と共に、「あなたのネームタグ750枚、私持ってるけどいくらで買う?」というメッセージと写真が送られてきたからです。

メッセンジャーに添付されていた写真

あなた、前の職場の人に聞かれたときに、持ってないと答えたんじゃなかったっけ?、と普通考えますよね。
何か怪しいとは思っていたけど、やはり持ち出していたわけです。
私は在庫を作りたくないので、いつも100枚単位でしか発注してないのに、彼女が750枚持っているということは、おそらく桁を間違えて誤発注したのではないかと推測します。
作成を頼んだのは彼女がNGOに勤務していた時ですが、この時彼女が誤発注した余剰分を自腹で補填したのか、NGOの経費で支払ったのかは不明です。
後者だとすると、こちらに売ろうとするのはおかしいことになりますが。
たぶん、そんなこと深く考えてないと思います。おそらく、在庫持ってるから、現金化したいとしか考えていません。
いつもニコニコしていて、子供や小動物に優しく、悪辣さや邪悪さとはまったく無縁に見える人物が、なぜこうした挙に出るのか?
その問いを解くにあたって「善良さと誠実さは別の概念である」という、ミャンマーを含むおそらく東南アジアに共通するマインドセットが鍵になりそうです。
善良さと誠実さは似た概念ではありますが、時間軸を尺度とすると、顕在、表出の仕方が異なります。
善良さは、他人に悪意を持たない、穏やかであるなど、その表出が瞬間的に観察される心性の有り様です。
そして誠実さは、もっと長い時間軸の中で継続的に観察され、行為・行動の蓄積により、それらが当該者の持つ誠実さの発露であると事後的に認められる心性の有り様です。あの人はいつも約束を守る、今まで嘘をついたことがないなど、誠実さが認められるまでには、一定の時間軸を伴う蓄積的な評価が必要となります。
そして、ミャンマーを含む東南アジアエリアでは(行ったことないけど、おそらくアフリカなどでも)、継続的・長期的に人が評価される社会的な基盤や価値観があまり存在しないように思われます。
話を戻すと、Aさんが一度は持ってないと答えたネームタグを実は持っていて、いくらで買う?と訊いてきた件については、おそらく彼女の心中には、齟齬や矛盾や葛藤、後ろめたさは存在していないのではないかと推測します。
持っているかと聞かれたときは、持っていると自分が誤発注したことがバレるので、持ってないと答えた。しばらくして、現金が必要になってきた時に、これを売れば金になるのではないかと考え、買わないかと持ち掛けた。この言動の間に一ヶ月程のブランクがあるので、この二つは彼女の中では繋がっていないのでしょう。
ミャンマー人が、一貫性とか整合性を勘案して、自分の言動や人格に同一性を保持しようと意識することは少ないのではないでしょうか。

真面目さの中に勤勉が、善良さの中に誠実さが含まれていないというのは、おそらく東北アジア人には理解しにくい心性です。
だから、「国民性に惚れた」とかの理由で進出した日系企業が、這う這うの体で撤退するような事態が、ミャンマーブームだった5、6年前に度々起こっていたのでしょう。

今回の件については、正論を振りかざして、相手を裁くようなことは言わずに、穏便にネームタグを取り戻す予定です。事を荒立てて、腹いせに勝手にネームタグを使われたり、横流しされてブランド価値を棄損するような事態は避けたいので。
メンズの新商品のサンプルも粘り強く交渉して、彼女の工房で完成させたいです。今まで、頼んでいるNGOが人出が足りなくて、生産量が限られているので。

今日も、Aさんからゴールデンヴァレーのシティマートに出店するから、委託販売したいなら、商品持って来ていいよと言われてましたが、開店時間に行ってみたところ彼女は来ていませんでした。腕の怪我をしたからというのが理由です。怪我については、嘘はついてないと思いますが。直接会って話さないまま、スタッフに商品預けたりすると後でまた話が拗れるので、商品を置くのは諦めて帰って来ました。
他店なら話に乗らないですが、ゴールデンヴァレーのシティマートは富裕層が住むエリアなので、チャンスがあれば必ず出品するようにしています。

ミャンマーで全面的に人を信用することはできませんが、だからと言ってミャンマーで仕事をする以上、まったくミャンマー人と関わらないことも不可能なので、常にリスクを最小化して事を進める必要があります。

とりあえずこれからミャンマーに仕事で来る人には、真面目と勤勉、善良と誠実はここでは別概念であることを念頭に置いていらっしゃることをお勧めします。

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2019年12月6日金曜日

2019年のThe Makers Marketを振り返ってみた

先週の日曜日、12月1日に第九回目となる、ミャンマー最大のローカル物産展The Makers MarketがKaraweik Gardenで開催されました。

自分のブログで確認すると、初回が2018年の12月2日(日)だったので、このイベントが始まってから、ちょうど一年が経ちました。
現在まで、全九回とも参加している身からすると、なかなか感慨深いものがあります。
このイベントが始まって、それまで別々の場所でミャンマー人や在ミャンマー外国人が小規模で営業していた、ローカルの工芸品店やローカル・ファッション・ブランドが、毎月一回、一堂に会する機会ができたのは喜ばしいことです。
毎回欠かさず参加していると、徐々にですが、ブランド認知度も向上してきたように思えます。
予約があった時に、このイベントで商品の受け渡しができるようにもなりました。今回も、予約があった商品三点をこの場で渡しました。
私の店のテントをの前を通る時、挨拶に訪れるお客さんもちょくちょくいます。








回を重ねる毎に、出店を希望する事業者も増えて、出店競争率がだんだん上がってきたようです。
先月参加していた、日本人とブラジル人が出店の申し込みをしたものの、選に漏れたと聞きました。運営会社のスタッフがイベント会場を巡回して、集客状況、商品のレベル、店の雰囲気などをチェックしているみたいです。
集客力がないとか、商品や店舗がイベントの趣旨や雰囲気に馴染まないとかと判断されると、次の開催時に選出してもらえない可能性があるので、これから出店をお考えの方はお気を付けください。
私は一人でテントに張り付いて搬入・設営・接客をしているので(搬出は、近所のF氏に手伝っていただいています)、他のテントを見て回る余裕がなく、他の出店者がどんな状況なのかあまり分かっていません。
サンチャウンでアロマキャンドル店を営むKさんが、閉鎖したローカル・ファッション・ブランドが多いと、今回、私のテントに来た時に言っていました。
今になって、一年前の投稿「2018年時点での、ミャンマーのローカル・ファッションブランドを比較してみた」を読み返すと、ここで紹介されているブランドの一つYaminは、すでにThe Makers Marketに参加しなくなっています。半年くらい前に、バンコクのBangkok Art and Culture Centre (BACC)内のセレクトショップの一つに商品を置いているのを見かけましたが、その後の動向は分かりません。

そういえば、4年前の投稿「ミャンマーのファッションブランド」で紹介した、ファッション・ブランドとしては、ミャンマーでは比較的大資本だったCi Ciも、ここ2年前くらいから市場で見かけなくなりました。どうなってるんだろうと思って、さっき検索してみたら、既製服の企画・販売から、ユニフォーム製作に業態を転換した模様です。


ちなみに、「2018年時点での、ミャンマーのローカル・ファッションブランドを比較してみた」で紹介している、Charlotte Barjou DesignUrban Rangoonは順調に事業を拡大しているように見えます。The Makers Marketにも毎回参加して、常に一定の集客がありますし。

12月の第一週から、欧米人はクリスマス・ヴァケーションに入って、帰国したり、旅行に出かけたりし始めるため、今回の12月1日のイベントが事実上の仕事納めの感があります。
次回は、来年一月の第一週か第二週の日曜日の開催になります。第一週だと、ヴァケーション期間中で、まだミャンマーに帰って来ていない外国人が多いため、おそらく第二週の日曜日になるのではないかと予想しています。
それまでに、今回売れた商品の補充と、新商品の開発を終わらせるつもりです。
次回の日程が発表され次第、また、ブログでお知らせします。

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2019年11月27日水曜日

【12月1日(日)】ミャンマー・ローカル物産展のThe Makers Market #9に出店します

今年最後の開催となるミャンマー・ローカル物産展のThe Makers Marketに出店します。
九回目となる今回の開催日は、12月1日(日)です。
開催時間は、いつもと同じ16:00~21:00です。
このイベントの初回が、去年の12月2日だったので、始まってからちょうど一年が経ちました。回を重ねる毎に、リピーターも増え、在ミャンマー外国人にとって、最も認知度の高い定例イベントの一つとなりました。


The Makers Marketは、主催者が出店者を事前に選定しているため、会場で販売されている物品に、一定のクオリティが保証されている、ミャンマーでは貴重なローカル物産展です。
主催者側のスタッフが会場を巡回していて、あまり人気のないお店は、次回の出店者として選出されないこともあります。
ここでは、ミャンマーのローカル・マーケットによくある、中国製の安価な衣料品やキティちゃんのぬいぐるみなどの非正規のコピー商品は販売されていません。
出店者の商品が、ミャンマー製であること、環境を配慮した製品であること(会場内でのプラスティックの使用は不可)、大量生産品ではないことが参加条件となっています。飲食店の出店者も増えてきていて、軽い食事もできるようになりました。

開催場所は、いつも通りKaraweik Gardenです(公園内のKaraweik Palaceの手前)。 会場の公園に入場する際に、入場料の300MMKを入口で徴収されます。


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2019年11月6日水曜日

The Makers Market #8の出店を振り返る

今週日曜日に、ミャンマーのローカル物産展のThe Makers Marketに出店しました。
毎回出店後に、どんな様子だったかを報告をしていますが、今回も状況を振り返ってみます。


今回はいつもより日本人の来場者が多く見られました。八回目の開催となって、ようやく日本人のコミュニティにもイベントの認知度が上がってきたようです。
個人的にお呼びした日本人の知り合いも、5、6人が私のテントを訪れてくれました。これも今回初めてのことです。
従来より多かったとはいえ、来場者延べ約3000人中、今のところ日本人客が30人に満たない数です。ミャンマー在住の外国人比率からすると、日本人が150人くらいいてもおかしくないはずです。おそらく日本語のフリーペーパーに掲載されていないため、イベントの存在自体を知らない日本人が多いのでしょう。

会場内の様子を映した動画が、主催者のFacebook Pageに投稿されていました。
イベントの雰囲気がわかるので、興味のある方はご覧ください。私のテントも少し映っています。


今回の売り上げはいちおう黒字というところでした。
客層と商品のポテンシャルからすれば、あと2、3倍売れてもいいはず、と個人的には思っています。向かいの同業者のUrban Rangoonなんか、私の5倍以上売っているようですし。
英会話能力に難があるため、ミャンマーの外国人コミュニティにきちんと入り込めていないのが原因のひとつと考えられます。
もう一つは、展示の仕方に問題があるのではないかと思っています。
本来なら、着用イメージを示すためのマネキンや試着した姿をチェックするための姿見も用意するべきなのでしょう。
しかし、タクシーのトランクに入れられる荷物量としては、今が限界です。何度か乗車拒否に遭いながら、やっとの思いで拾ったタクシーに荷物を積んで毎回会場入りしていますが、これ以上荷物を増やすと、一人で物理的に運べる量を超えてしまいます。
何らかの改善策を打ち出す必要性があります。

今回はSさんが、私以外の日本人出店者としては、初めてイベントに参加しました。会場で会った時、売れてないと嘆いてましたが、彼女も在ミャンマーの日本人にはよく知られていますが、日本人以外の外国人コミュニティ内では、そんなに知られていないはずなので、初参加でちゃんとした売り上げを作るのは難しいと思います。

私の方は、今回は前回同様にメンズの売り上げ比率が高かったです。売り上げの60%くらいがメンズの商品でした。 メンズは市場が小さいものの、きちんとした商品を作っているミャンマーの競合はいないので、意外とブルーオーシャンなのかもしれません。

今回も売れ行きが良かったのは、ラカイン産のロンジー生地を使ったメンズのショートパンツでした。


ここ2回のイベントの売り上げの傾向を鑑みて、今後はメンズの商品開発に力を入れる方針です。
メンズだと基本的に自分が着たい物を作るので、レディースよりも商品開発が楽です。

次回の開催は、まだ発表されていませんが、おそらく12月 1日(日)か12月 8日(日)になると思われます。
ご関心を持たれた方はご来場ください。私も今まで開催された全八回に参加していますが、次回も出店する予定です。 在ミャンマー外国人コミュニティの人たちがいっせいに集まる物産展は、今のところThe Makers Marketだけなので、ブランド認知を上げるため毎回参加しています。

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2019年10月31日木曜日

【11月3日(日)】ミャンマーのローカル物産展のThe Makers Market#8に出店します

ミャンマーのローカル物産展のThe Makers Market#8に出店します。
開催日時は、11月3日(日)の16:00~21:00です。


前回から約一か月ぶりの開催となります。
前回は雨期明けの中止期間を経た、四か月ぶりの開催だったので、多くの人出で賑わっていました。
ピークタイムの17:30時から18:30の間は人が多すぎて、ゆっくり回覧できないことがあるので、じっくり各ブースの商品を見たい方は、少し早めにいらっしゃった方が良いでしょう。


The Makers Marketは、主催者が出店者を事前に選定しているため、会場で販売されている物品に、一定のクオリティが保証されている、ミャンマーでは貴重なローカル物産展です。
ここでは、中国製の安価な衣料品やキティちゃんのぬいぐるみなどの非正規のコピー商品は販売されていません。
出店者の商品が、ミャンマー製であること、環境を配慮した製品であること(会場内でのプラスティックの使用は不可)、大量生産品ではないことが参加条件となっています。
飲食店の出店者も増えてきていて、軽い食事もできるようになりました。

開催場所は以前と同じKaraweik Gardenです(公園内のKaraweik Palaceの手前)。 会場の公園に入場する際に、入場料の300MMKを入口で徴収されます。


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2019年10月16日水曜日

ミャンマーのロンジー生地のテキスタイル・デザイン事情について考えた

ミャンマーの民族衣装である巻きスカート、ロンジー用の生地のテキスタイル・デザインは、三か月から半年程度でデザインが入れ替わります。
ここにはマーケティングという概念が希薄なので、たとえ良く売れたデザインであっても、売り場から生産者へのフィードバックがなく、すべて作り切り・売り切りで、同じデザインの生地は、再び作られないことの方が多いです。
私は、市場で洋服に向いたテキスタイル・デザインの生地を常に探していますが、そうした生地を見つけたら、可能な限り、その場で店の在庫すべてを買い切るようにしています。店頭で売り切れてしまったら、そこでは二度と同じデザインの生地を入手できなくなるので。
ただし、似たデザインが復刻することも時折あります。
2年前に、マドラス・チェックの男性用ロンジー生地を使ってメンズのオープンカラーシャツを作りましたが、最近店を回っていたところ、ほぼ同じデザインの生地を見つけました。
デッドストック品の可能性もあるので、今回見つけたのが新規で作った商品とは断定できませんが。

二年前に入手した、マドラスチェックの生地で作ったオープンカラーシャツ

マドラスチェックは、メンズシャツに使われるテキスタイル・デザインとして一般的ですが、ミャンマーのロンジー生地に採用されることは珍しいです。

とりあえず、見つけたその場で、その時の所持金で買える分だけ買って、後日、同じ店に行って買い足しました。今のところ、このマドラスチェックの生地は、他の生地屋では見つかっていません。




今回、新たに入手したマドラスチェックのロンジー生地

上のマドラスチェックの生地は、男性用ロンジー(パソー)の生地ですが、他に復刻してほしい女性用ロンジー生地(タメイン)のデザインもあります。
いくつか下にご紹介します。

マリー・クワント風の花柄模様の生地。二年くらい前のデザイン。

ミナペルホネン風のテキスタイル・デザインのカチン産の生地。三年前くらい前に、市場にありました。

グッチとかにありそうな幾何学模様のテキスタイルデザイン。最近、同じ系統のデザインの生地が市場に出回りはじめたので、いま買い集めています。


メンズのロンジー生地は洗濯すると縮むため、一日水につけてから、裁断、縫製しています。雨期が終わりつつあるので、外に干せるようになったのは、ありがたいです。

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2019年9月6日金曜日

9月5日のヤンゴン空港発の航空便が全線欠航となっていた

前回のブログでお伝えした通り、昨日の航空便で、約2年振りに日本へ一時帰国するつもりでした。
しかし、搭乗予定の航空便が欠航となったため、果たせませんでした。
空港に着いたとき、電光掲示板が軒並み遅延になっていたので、おかしいなとは思っていたんですが、カウンターでチェックインはできました。
イミグレーションを通って、搭乗口に着くと、いままでヤンゴン空港では見たことのない数の乗客が搭乗を待っていました。ヤンゴン国際空港は、利用者の数に見合わない施設の広さなので、いつもは閑散としています。
どうもその日の午後から、すべての便が遅延となっているようです。
搭乗口で4時間ほど待っていると、ぼちぼち欠航便のサインが出はじめました。
私が搭乗予定のベトナム航空は、便が掲示板そのものに表示されず、後続の出発便に遅延の表示が出ています。
旅行代理店を営む近所のF氏に、全線遅延になってるんだけど、とメッセンジャーで連絡してみたら、ハノイ経由でヤンゴンに来る予定の氏のお客さんがキャンセルになったとのことです。
これはベトナム航空の機体そのものがヤンゴン空港に入ってない可能性があるなと思い、ベトナム航空の担当者に訊ねようとするも、ベトナム航空の担当者がどこにいるか分からない。
しかたがないので、すべてのゲートを回って「ベトナム航空のことはどこで聞けばいいの?」と聞いて回る。最後に聞いたゲートで、ようやくベトナム航空の担当者を発見して尋ねたら、案の定、欠航とのこと。
電光掲示板に表示してくれよと思う。
生まれて初めてイミグレを逆行して出て、パスポートの出国スタンプにVOIDのスタンプを押されて、一階ロビーに戻る。
ベトナム航空のカウンターに行って、「どうなるの?」と聞いたら、翌日の便に振り替えとのこと。
ホテルとか交通費の補償はなさそうでした。隣でオッサンがその辺のことを粘ってましたが、どうも無理そうでした。私は住んでるからいいけど、そうでない人はホテル取り直したりするのが大変だなと同情します。私とて、空港、自宅間の往復のタクシー代は無駄になりましたが。
後でF氏に事情を聞いてみると、オーバーランした軍用機が、滑走路の障害となって、昼からの便の全便が欠航となったようです。
空港内で、きちんとした説明がなかったのは、いつものことではあります。
アカウンタビリティという概念は、この国にはないから。
全便欠航になるなら、早めにアナウンスした方が、ずっと待っている乗客のストレスも少ないし、ホテルを取り直すなどの対応策を早めに取れて助かるはずです。
軍関係の事故なので、情報を開示できずに、利用者の利便性は二の次だったのが予想されます。

というか困るのは、本当は今日6日の早朝着予定で、この日に福岡のセレクトショップの担当者と会う予定を入れていたことです。バンコクでも自社企画の商品を販売しているショップなので、面白い情報が入るのではないかと期待していました。メールで連絡した限り、先方からは、この日以外は空いてないと伝えられています。

あともう一つの問題は、今回サンプル商品を大量に詰めているため、スーツケースが重量オーバーになっていることです。昨日は、「俺、体重から(実際、軽い)」とか言って、何とか超過料金払わずに荷物を預けられましたが、今日もチェックイン・カウンターで同じ攻防を繰り返すのは気が重い。

昨夜は帰ってからも、Airbnbのホストに予定日に宿泊できないことを伝えたり、アポイントメントを取っていたショップに予定していた日時に訪問できないことを連絡したりで、面倒なことが多かったです。
何にしろ、何事も計画通りに進まないのが、この国の有り様だなと改めて痛感しました。

とういうか、たった今、振替便のメールが来ました。昨日の便より4時間早い。夜の便だと思ってゆっくりしていたので、これからすぐ荷物まとめて空港に向かいます。とにかく先が読めないのが、この国の特徴です。

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2019年9月5日木曜日

もしかして、俺、善戦してるのではと思った瞬間

近頃、心身ともに疲れ切っています。
雨期の湿度の高さや、ミャンマーの文化・衛生環境の中で生活することが、いま相当にきつい。
きちんとした公営図書館も、美術館も、ジャズクラブもない文化環境で、ネズミの轢死体と犬の糞がそこらじゅうに広がる路上を歩き、泥と埃とカビにまみれた毎日を送っていると、体力的に消耗すると共に、気持ちがどんどん荒んできます。
いちばん辛いのが、ここには改善や改良や進歩といった概念がないことです。何に関しても同じミスが何度も続く、毎年、雨期に集中豪雨があるたびに、洪水・氾濫が起きて街中が泥まみれになる、ローカルレストランの衛生環境も何年経っても変わらない。
そろそろ、ここに住むのも限界かなとも思い始めた今日この頃です。

そんな中、一年ぶりくらいにFacebookページのベンチマーク・レポートを見ました。これ見たら、「あれ、俺、けっこうイケてんじゃない!?」と感じました。


ベンチマークの競合として選んでいるのは、ミャンマーで活動する同業他社ですが、その中で4位でした。
1位のVinyaは、創業者の女性がソーシャル・アントレプレナーとして、注目されているテーラーハウスで、雑誌や女性起業家支援団体などからよくアジアを代表する女性起業家として選出されています。ちょっと前に、創業者がパリで開催された社会起業家を対象とした会議に招聘されていました。
2位は、在緬フランス人が経営するブランドです。ミャンマーに住む欧米人が主な顧客です。商品の最低価格が100USDくらいなので、現在の一人当たりの所得水準がG7で最低レベルの日本人には、なかなか手が出ないと思います。ミャンマーでしか展開していないローカル・ブランドを、今の日本人はこの価格ではおそらく買いません。
3位は、中国系ミャンマー人の女性が経営する、布の生産・販売を中心とするブランドです。地方の伝統的な織や染めを伝承することに注力していることが特徴です。
そして4位に私。
5位も在緬フランス人が運営するブランド。こちらは創業者が若い女性で、顧客層も若いのが特徴です。丈が短く、背中が大きく開いたドレスをミャンマーの生地を使って製造しています。ここもスタイルに自信のない人が多い日本人には、無縁のブランドではないかと推測します。

1位と3位は、ミャンマー人の経営するブランドなので、私はミャンマーに住む外国人が経営するブランドの中では2位ということになります。
あれ、意外と俺善戦しているじゃん、と率直に思いました。

もちろんFacebokページのランキングが、売り上げやブランド認知と直結しているわかではないですが、指標の一つとして参考にはなります。
1位と3位のミャンマー人ブランドは、地の利があるため、すでに固定客がついていて、ネットに頼る必要がないのかもしれませんが、外国人経営のブランドはそうはいきません。
相当に厳しい生活を強いられている私が、外国人経営のブランドの中では2位なので、他のブランドの内情も推して知るべしです。
今回は紹介しているのが5位までですが、その下位になると、いまも活動を継続しているのかどうかも怪しいです。だいたいミャンマーで外国人が運営しているブランドは、ここ3、4年前の間に創業されています。

ここに住んでいると、いろいろと上手くいかないことが多くて、ヘロヘロになりますが、この位置づけなら、まだ続ける意味があるのではないかと再確認しました。

実は本日、日本に約2年振りに一時帰国します。保険やら年金やらの手続きと東南アジアでクレジットカード使っていたら使用制限がかかったりしたので、その処理で。
最近、ミャンマーの市場として可能性に疑問を持ち始めたので、一時帰国中は営業活動をするつもりです。もうスーツケース引きずって歩く、体力も尽きかけていますが、なんとか踏ん張ります。
面白い展開があれば、またブログでご報告いたします。

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2019年7月24日水曜日

先週のゴールデンヴァレーのシティマートの出店の結果について考えた

先週の火曜日から金曜日まで、ゴールデンヴァレーのシティマート内にポップアップショップを出店しました。
過去、ここに出店した時は、そこそこ売り上げが好調だったので、今回も期待していたわけですが、結果はそれほどでもありませんでした。出店料を考えると、収支トントンといったところでした。
ゴールデンヴァレーは、ミャンマー人富裕層の多くが住む高級住宅地です。そのため、ヤンゴン市内に多数の店舗を構えるシティマートの中でも、ゴールデンヴァレー店の客層は、可処分所得の高いミャンマー人が目立ちます。
今回の日程は、週末には被っていませんでしたが、火曜日はワソー満月、金曜日は殉難者の日の二日の休日を含んでいました。そのため、来客数も多いのではないかと見込んでいました。
しかし、イベント開催期間中の店舗への来客数自体が少なく、当てにしていた富裕層はほとんどいない状況でした。
また、ミャンマー人富裕層と並ぶ、私のブランドの主要顧客である欧米人の姿も非常に少なかったです。
こうなると当然売り上げが厳しくなります。
ターゲットとなる客層の来客数が少なかった理由を考えてみました。
どうもこの期間そうした階層に属する人々の多くは、一、二週間の休暇を取って海外に行っていたようです。フェースブックをチェックすると、ミャンマー人富裕層はアメリカ西海岸やトルコのカッパドキアに観光に行っているし、ヨーロッパ人は南フランスや南イタリアのビーチで寛いでいます。
こっちは、ヤンゴンのシティマートに一日12時間張り付いているのに優雅なことです。自分で選んだ道なので、文句は言えませんが。

今回の出店では、期待した売上には達しませんでしたが、ミャンマー人富裕層と欧米人が少なかったことで、別の傾向を見て取ることができました。
今回は、売り上げの九割程度が、中国系ミャンマー人でした。富裕層とまではいかないが、ミャンマーの中では教育程度が高く、近年ミャンマーに進出した外資系企業に勤務していると思しき若い人たちです。彼女らの給与水準は、おそらく700USDから1000USD程度ではないかと推測します。
こうした中産階級がミャンマーからも現れはじめているのが、体感として実感できました。
中国系は子供に教育投資を惜しまないのと、東北アジア人の気質として、東南アジア人よりも、勤勉で蓄財に励む傾向が強いので、多くの東南アジア諸国でも社会の上位層を占めています。もともと移民としてやってきた人々ですが、二世、三世と世代が進むにつれ経済的な成功を収める人たちが多いです。タイでは、その傾向が特に顕著ですが、ミャンマーも民主化で国が開かれたことで、外資系企業の進出が進み、大卒者の就業機会が増えたことで、こうした流れが生まれていることが確認できました。

そういえば、以前にシティマート・ゴールデンヴァレー店に出店した時に、買ってくれた中国系ミャンマー人の現代美術家Sさんは、今年の4月に短期の創作活動の予定で行ったシアトルにそのまま住み続けることを決意したようです。彼女はミャンマーのアート界で、気鋭の現代美術家として注目されていましたが、もっと大きな舞台で活動するためにアメリカに根を下ろすことにしたようです。フェースブックに、家賃が高いから大変とか、生活費を賄うために就職活動しているとか、なんとか就労ビザが取れたとかと書いてましたが、ガッツがあるなあと思います。もともとアメリカの美大に行っていたので、初めて行った土地ではないにしても、価値観や文化が全く違う場所で勝負するのは勇気が要ります。アメリカの現代美術界にミャンマー人のコミュニティなんかないでしょうし、ミャンマー人であることが有利な分野でもないですし。

ビルマ系の富裕層の子女の多くが、欧米の大学に行っても、行った先でミャンマーの富裕層出身だからといっても誰もチヤホヤしてくれないので、卒業後はすぐに帰国して、同じ階層の子女同士で群れて、そのコミュニティ内で仲間褒めしあっているのとは対照的です。彼らは、自分の真価が共同体の外部の評価基準に晒されたり、ミャンマー・レベルより高いインターナショナルな土俵で勝負することを避ける傾向が強いです(ただし、ビルマ系富裕層でも外部の世界で勝負している人は、割合は少ないですが存在します)。
今のところ、中国系ミャンマー人で有名なのは、シティマート創業者やYOMAグループの経営者一族ですが、これから後に続く中国系の成功者が、他の東南アジア諸国同様に、アートや経済など様々な分野で台頭してくるのが予想されます。

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2019年6月12日水曜日

ヤンゴンのおしゃれな家具屋PICCOLOのショールームに行ってきた

6、7年前にヤンゴンに住みはじめた時に、難儀したのは家具選びです。
その頃は、気に入ったデザインの家具を売っている店がほとんどありませんでした。

ローカル家具屋が集まっているタムウェイ・エリアに行くと、売っているのは、一様に重くて、デカくて、使いにくい家具ばかりでした。たとえば、テーブルは高さが低過ぎて、腰を屈めないと使えない、椅子は背もたれが後ろに傾き過ぎていて、そっくり返らないと座れないような代物でした。日常的に使っていたら、腰を痛めそうです。しかも、一様に黄土色のニスが塗られていて、他国の一般的な感覚では、美しいとは言い難い。素材は、質の高いチーク材を使っているのにもったいないなと思いました。
その時は、この国で自分の美意識や価値観を反映させたインテリアを作るのは難しいことを思い知りました。
そんな状況も、ここ数年でずいぶん変わりました。
ヤンゴンにも、PICCOLO、Yangon Green Furniture、NICCOといった、現代的なライフスタイルや嗜好に沿った家具屋が登場しています。
おそらく、いずれのブランドも創業されたのは3年くらい前です。
海外からミャンマーへの移住者や国外から帰国するミャンマー人が増え、そうした人たちの嗜好に応える家具ブランドとして、彼らは認知されています。

今回、はじめてPICOLLOのショールームに行ってきたので、ご紹介します。
Makers Marketなどのイベントで、時々、商品は見かけていましたが、ショールームが存在していたのは知りませんでした。
ここはイタリア人の夫婦によって、運営されています。
2か月前に現在の場所に、ショールームを移転したということです。
ここの家具は、シンプルで機能的なデザインとイタリア的なポップな色使いに特色があります。
ミャンマーには珍しく、コンパクトなサイズの家具も揃えているので、日本人向けでもあります。


ミャンマーでは珍しい、二人掛けのコンパクトなソファ

アームチェアもミャンマーの一般的な椅子のように、背もたれが不自然に後ろに反っていません



小さめの家具が充実しているのが、ここの特徴です

下記のオンラインショップで、商品の詳細は見れます。
PICCOLO design

Facebookページは、こちら

ショールームは、ちょっと分かりにくい裏道にあります。
行く前に、地図でよく確認しておいた良いかもしれません。私は迷いました。

個人宅での利用以外にも、レストランやカフェのデザインも手がけているということですので、お店やオフィスをこれから作る人は、トータル・デザインを依頼できると思います。

74, 2nd street, 11th ward, Yarza Thingyen, South Okkalapa T/S,Yangon
Tel: 09 265 444 066



ミャンマーのおしゃれな家具
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2019年5月27日月曜日

【6月2日(日)】ローカル物産展 The Makers Market #6に出店します

次の日曜日に、ミャンマーのローカル物産展のThe Makers Market #6に出店します。
開催日時は、6月52(日)の16:00~21:00です。


このイベントは、回を重ねるごとに参加するベンダーの質も上がっています。来場者数も開催する度に増えています。

前回のイベント時の写真を以下に掲載します。


これは、YANGON CALLINGとして参加した私のテント。




最初の頃は、暗くなるとぱったり人がいなくなってましたが、今では遅い時間まで飲食を楽しむお客さんが増えました。


だんだん、飲食店の比重と存在感が増えてきたのが、最近の傾向です。
前回参加したときは、ローカル工芸品を販売している知り合いの業者が、みんな飲食に来ていて、物販の売り上げが少ないとぼやいていました。参加する業者もレベルが上がってきて、お客さんが商品に求めるクオリティも上がってきたのも、一因かと思います。

このイベントでは、現在のライフスタイルにフィットするよう、デザインの現代性や品質を考慮した物産や工芸品を製造・販売するミャンマーの業者が、主催者の選考を経て参加しています。
一定のクオリティを保証されたローカル・メイドの商品が揃っているという点で、今のところミャンマーで唯一のイベントです。
仕事柄、他のイベントにも見学がてら行っていますが、他のイベントで販売されている商品クオリティは、Makers Marketに比べるとかなり低いです。というか、他の多くのイベントでは、中国製の塩化ビニールのバックとか、出自不明のタイの衣料品とかを売る業者が出店していて、そもそもミャンマーで作られたモノが少ない。
なので、ローカルの衣類や工芸品などにご興味のある方にはご来場をお勧めします。

これから雨期に入るので、当日の天候が心配ですが、主催者側はターフを準備して、雨対策すると言っています。

開催場所はいつもと同じKaraweik Gardenです(公園内のKaraweik Palaceの手前)。 
会場の公園に入場する際に、300MMKを入口で徴収されます。


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