2014年5月19日月曜日

いまヤンゴンで一番クールな場所

少し前からWebの記事Facebookページで見て気になっていた、ショップ兼ギャラリーのTS1に行ってきました。Webで見たときには、今までのミャンマーにはないアーティスティックで、スタイリッシュなスペースだと感じました。こうした場合、プレスリリースの写真は格好良くても、実際行ってみると、そうでもないことが往々にしてあるものですが、ここは予想以上にクールな空間でした。
入り口から、無造作に撮った写真でも、こんな感じです。ここだけ見ると。ニューヨークのSOHOにあるアート・スペースと言っても違和感ありません。それを意識して作っているのでしょうけど。立地も、川沿の倉庫街だし。

広々とした、贅沢な空間の使い方です。天井が高い上、半透明の屋根から、自然光が入る仕様で、開放感があります。

ニューヨークの設計事務所のアメリカ人建築家に設計を依頼したと、カタログに書いてました。カタログも立派で、スタイリッシュな作りです。ミャンマーでは珍しい、お金とセンスを惜しみなく注ぎ込んだ格好良さです。脇の甘さや、隙がありません。

アパレル・コーナーもあります。ここだけ見ると、コム・デ・ギャルソンの店内みたい。半袖シャツが一枚85USDとお値段もお高め。

家具も売っています。中目黒のデザイン家具屋みたいなテイストの家具です。たいていのミャンマーのローカル家具屋は、無駄に大きくて、過剰に装飾的な家具しか売ってないので、趣味の良い家具屋は貴重です。ただし、価格も中目黒価格。写真のサイド・テーブルとソファが共に400USDとローカル価格とは一線を画してます。うーん、せめて半値ならすごく魅力的なのだが。

 雑貨類も置いています。色調とかデザインが、外国人向けにお洒落。小物類も、ひとつ約30USDとお高め。ちなみに写真のテーブルは、750USDでした。


ショップの隣にギャラリーを併設しています。ミャンマーのギャラリーは、印象派風の絵画、つまり19世紀末くらいの技法で描いた絵画を扱った店がほとんどです。率直に言って、当地のアートシーンは、やや古臭い感があります。ここは従来のギャラリーとは違い、ミャンマーのモダンアートを専門にキュレーションしています。ミャンマーで、ローカルのアーティストの現代美術を見る機会は少ないので、非常に新鮮です。

いまのヤンゴンで、いちばんスタイリッシュで、クールな空間であることは、おそらく間違いないでしょう。
住所は、以下の通り。周囲に何もない場所なので、タクシードライバーに探してもらうのに、けっこう手間取りました。
Transit Shed No. 1, Between Lanthit Jetty and Kaing Dan Jetty No.1, Oo-Pa-Sa Street, Seik Kan Township

行って感心すると共に疑問に感じたのが、今のミャンマー(ヤンゴン)にこの種の格好良さへの需要があるのだろうか?、ということでした。
ローカルの富裕層は、金ぴかで、過剰に装飾的なデザインが好みですし、ミャンマーを訪れる外国人はビジネス客が中心でアート的なことに関心を持つ層は、かなり限られるのではないかと推測されます。
ニュースによると、投資したのは香港生まれの実業家ですが(たぶんミャンマーの富豪のセルジュ・プン氏の子息か係累。オックスフォード大、NYヴォーグ勤務という輝かしい経歴の持ち主)、ここまで、資金とセンスをふんだんに注ぎ込んだ贅沢なスペースは、ミャンマーでは初めてなので、今後の現地での反応や、将来の展望が気になります。
これからのミャンマーのセンスや嗜好、そして消費動向がどう変化するかを占う上でも、定点観測したいと思える場所でした。 

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