2019年7月24日水曜日

先週のゴールデンヴァレーのシティマートの出店の結果について考えた

先週の火曜日から金曜日まで、ゴールデンヴァレーのシティマート内にポップアップショップを出店しました。
過去、ここに出店した時は、そこそこ売り上げが好調だったので、今回も期待していたわけですが、結果はそれほどでもありませんでした。出店料を考えると、収支トントンといったところでした。
ゴールデンヴァレーは、ミャンマー人富裕層の多くが住む高級住宅地です。そのため、ヤンゴン市内に多数の店舗を構えるシティマートの中でも、ゴールデンヴァレー店の客層は、可処分所得の高いミャンマー人が目立ちます。
今回の日程は、週末には被っていませんでしたが、火曜日はワソー満月、金曜日は殉難者の日の二日の休日を含んでいました。そのため、来客数も多いのではないかと見込んでいました。
しかし、イベント開催期間中の店舗への来客数自体が少なく、当てにしていた富裕層はほとんどいない状況でした。
また、ミャンマー人富裕層と並ぶ、私のブランドの主要顧客である欧米人の姿も非常に少なかったです。
こうなると当然売り上げが厳しくなります。
ターゲットとなる客層の来客数が少なかった理由を考えてみました。
どうもこの期間そうした階層に属する人々の多くは、一、二週間の休暇を取って海外に行っていたようです。フェースブックをチェックすると、ミャンマー人富裕層はアメリカ西海岸やトルコのカッパドキアに観光に行っているし、ヨーロッパ人は南フランスや南イタリアのビーチで寛いでいます。
こっちは、ヤンゴンのシティマートに一日12時間張り付いているのに優雅なことです。自分で選んだ道なので、文句は言えませんが。

今回の出店では、期待した売上には達しませんでしたが、ミャンマー人富裕層と欧米人が少なかったことで、別の傾向を見て取ることができました。
今回は、売り上げの九割程度が、中国系ミャンマー人でした。富裕層とまではいかないが、ミャンマーの中では教育程度が高く、近年ミャンマーに進出した外資系企業に勤務していると思しき若い人たちです。彼女らの給与水準は、おそらく700USDから1000USD程度ではないかと推測します。
こうした中産階級がミャンマーからも現れはじめているのが、体感として実感できました。
中国系は子供に教育投資を惜しまないのと、東北アジア人の気質として、東南アジア人よりも、勤勉で蓄財に励む傾向が強いので、多くの東南アジア諸国でも社会の上位層を占めています。もともと移民としてやってきた人々ですが、二世、三世と世代が進むにつれ経済的な成功を収める人たちが多いです。タイでは、その傾向が特に顕著ですが、ミャンマーも民主化で国が開かれたことで、外資系企業の進出が進み、大卒者の就業機会が増えたことで、こうした流れが生まれていることが確認できました。

そういえば、以前にシティマート・ゴールデンヴァレー店に出店した時に、買ってくれた中国系ミャンマー人の現代美術家Sさんは、今年の4月に短期の創作活動の予定で行ったシアトルにそのまま住み続けることを決意したようです。彼女はミャンマーのアート界で、気鋭の現代美術家として注目されていましたが、もっと大きな舞台で活動するためにアメリカに根を下ろすことにしたようです。フェースブックに、家賃が高いから大変とか、生活費を賄うために就職活動しているとか、なんとか就労ビザが取れたとかと書いてましたが、ガッツがあるなあと思います。もともとアメリカの美大に行っていたので、初めて行った土地ではないにしても、価値観や文化が全く違う場所で勝負するのは勇気が要ります。アメリカの現代美術界にミャンマー人のコミュニティなんかないでしょうし、ミャンマー人であることが有利な分野でもないですし。

ビルマ系の富裕層の子女の多くが、欧米の大学に行っても、行った先でミャンマーの富裕層出身だからといっても誰もチヤホヤしてくれないので、卒業後はすぐに帰国して、同じ階層の子女同士で群れて、そのコミュニティ内で仲間褒めしあっているのとは対照的です。彼らは、自分の真価が共同体の外部の評価基準に晒されたり、ミャンマー・レベルより高いインターナショナルな土俵で勝負することを避ける傾向が強いです(ただし、ビルマ系富裕層でも外部の世界で勝負している人は、割合は少ないですが存在します)。
今のところ、中国系ミャンマー人で有名なのは、シティマート創業者やYOMAグループの経営者一族ですが、これから後に続く中国系の成功者が、他の東南アジア諸国同様に、アートや経済など様々な分野で台頭してくるのが予想されます。

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