2019年12月29日日曜日

【YANGON CALLING】2019年の売り上げの傾向と2020年の方向性について考えた

年の瀬が押し迫ってますが、この時期のミャンマーには年末年始感はありません。
ミャンマーの新年は4月の水祭りの時期なので、年末年始感があるのは4月の中旬です。

そうはいっても年度が変わるので、2019年の売り上げの傾向とそこから導き出される2020年度の方向性について考えてみることにします。

YANGON CALLINGの商品で、2019年に一番売れたのは、ラカイン産のロンジー生地で作ったメンズのショートパンツでした。
一度購入したお客様から、同サイズでカラー違いの追加オーダーが入ったことが、4、5回ありました。
特に北欧系のヨーロッパ人からウケが良かったです。お土産用にまとめ買いした北欧人も何人かいました。






https://static.wixstatic.com/media/9c8c84_302da62bb1ec440d8bd1179d17c1c9ea~mv2.jpg/v1/fill/w_576,h_768,al_c,lg_1,q_85/9c8c84_302da62bb1ec440d8bd1179d17c1c9ea~mv2.webp

光沢感があり、カラフルなヴァリエーションカラーがある生地なので、リゾートウェア風に仕上がるのではないかと思ったのが製作のきっかけでした。
サンプルを自分で履いて耐久性などを試していますが、半年間ほど履き続けて、20回以上洗濯していますが、いまだにちゃんと使えます。このロンジー生地は厚手で丈夫なため、ボトムスに向いています。

ラカイン産のロンジー生地を他のミャンマーのローカル・ファッションブランドが素材として扱っているのは、今のところ見たことがありません。
商品の差別化やクオリティの向上を図るため、2020年は、ラカイン産のロンジー生地を使用した商品ラインアップを充実させる予定です。

いままでレディスの商品にもラカイン産のロンジー生地を使った商品が何点かありましたが、今後はもっとこの生地を使った商品を増やしていきます。



ラカイン産のロンジー生地を使用したドルマンスリーブのワンピース

そんなわけで2019年年末の現在、ラカイン産の生地を探して市場のロンジー生地屋を毎日巡っています。
この生地もリリース毎に微妙にテキスタイルデザインが変わるため、 気に入ったテキスタイルデザインの生地を見つけた時にまとめ買いしておかないと、後で入手できなくなることがしばしばあります。

来年からこの生地を使った商品を発表していくことになりますので、ご関心があれば下記のYANGON CALLINGのFacebookページとオンラインショップのサイトをチェックしてみてください。

YANGON CALLING Facebookページ
https://web.facebook.com/ygncalling/

YANGON CALLINGオンラインショップ
https://www.ygncalling.com/

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2019年12月24日火曜日

ダウンタウンにある老舗インド料理店に行ってみた

昨日布を探しにダウンタウンに行った時に、いつもランチしている37th Streetのミャンマー料理店 NAM KHAMがクリスマス休暇で休業中でした。



代わりに、以前から気になっていたダウンタウンのインド料理店に行ってみました。
マハバンドゥーラ通りにあるBHARATというレストランです。


このレストランを初めて知ったのは、2年くらい前で、その時ヤンゴンに住んでいたアメリカ人から、あそこがなかなか美味いという話をWin Starでビールを飲んでいた時に聞きました。


店先にLonely Planetの推薦プレートが貼っているので、外国人や観光客には有名なお店なのでしょう。
英語表記のメニューもありました。



私が行った時は、食事しているのはローカル客だけで、外国人はいませんでした。
インド料理店なので、やはりインド系ミャンマー人のお客さんが多い。



スプーンを使わず手だけでカレーを食べているところを見ると、なんだか本場ぽいものを感じます。
壁には、おそらく往年のインド人スターの写真が貼っています。こういうところにも歴史を感じます。


この時頼んだのは、ベジタブル・カレーのランチセット。
2500MMKで、4種類のカレーとライスがついています。
中には不思議な味のカレーもありました。おそらくパパイヤなどのフルーツがルーに入っていて、スパイスの辛さとフルーツの甘味が混ざり合って、あまり経験のしたことのないタイプの味覚でした。ただし、珍妙過ぎて、食べれないということはなかったです。
カレーとライスはお替り無料のようで、なくなったらウエイターが継ぎ足してくれます。
私はおなか一杯だったので、ライスの継ぎ足しは断りましたが。
チキンとかマトンとか肉の入ったカレーセットは4500MMKでした。
次回、肉入りのカレーも試してみたいと思います。


Googleで情報を見ると創業が1947年らしいので、老舗ですね。移り変わりの激しいヤンゴンで、70年以上も暖簾を守っているのは凄いことです。

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2019年12月14日土曜日

ミャンマーでは、善良であることと誠実であることは別の概念であることを考えた

ミャンマーに来た頃、最初に感じたのは、ここでは真面目であることと、勤勉であることは、別の概念だということです。
そもそも、勤勉であることが美徳と見なされているのは、儒教文化圏、あるいは仏教では大乗仏教が主流になっている東北アジアの国々、及び北ヨーロッパのプロテスタントが信仰されている国々で、上座部仏教やカソリックが信仰されている国では価値観が異なります。
上座部仏教が熱心に信仰されているミャンマーで最も尊敬されているのは、修行を重ねて解脱した僧侶です。解脱した僧侶は、労働も再生産(生殖)もしない、究極の無為の人です。
カソリックでは、労働は神から与えられた罰と考えられています。
一時期イタリアで暮らしていた村上春樹は、この時期に書かれた紀行文『遠い太鼓』の中で、イタリアの郵便局の職員がいかに怠惰かが縷々述べています。郵便局員がまともに働かないから、長蛇の列がいつまで経っても短くならない。たまに例外的に勤勉な職員がいて、てきぱきと事務処理をして、その時だけ一気に行列の人数が少なくなるが、そういう人物が特に評価されている風でもなく、「あいつは、ああいう風に働くが好きなんだろう」くらいの受け止め方しかされていないように見えると書いています。


作家兼実業家で「金儲けの神様」と呼ばれた邱永漢も、「仏像が寝ている国は、工業生産に向いていない」とどこかに書いていたように記憶していますが、これも上座部仏教が信仰されている国を指しているのでしょう。

最近、それとは別に、ミャンマーでは「善良さと誠実さは別の概念である」と気づかされる案件が発生したため、今回はそれについて書きます。

二か月ほど前に、縫製をお願いしているNGOの縫製部門のマネージャーAさんが辞職しました。彼女は20年ほどこのNGOに勤務していて、ベテランとして信頼され、スタッフから頼りにもされていました。私も複雑な縫製を頼むときに、彼女が作業手順などを縫製担当のスタッフに説明してくれたお陰でずいぶんと助けられました。
ふくよかでいつもニコニコしている、絵にかいたような善良そうなビルマ系の中年女性です。自分の子供も他人の子供も同じように可愛がるし、ペットとして飼ってる犬を大切にするところなどを見ると、彼女が心優しい善良な人物であることを疑うのは難しいです。
辞めるときは突然で、引継ぎや事前の連絡などはまったくありませんでしたが、それはミャンマーでは当たり前のことなので、特に驚くことではありません。

私のブランドのネームタグの製作も、彼女を通して業者に頼んでもらっていました。自分で管理していないと危ないな、とは時々感じていましたが、何となく今まで先延ばしにしていました。
彼女がいなくなった後、ネームタグを使い切ってなくなったとの連絡が、約一ヶ月前にNGOのスタッフからありました。
最後に注文したネームタグの数とそれ以降生産した商品の数を計算すると、足りなくなることはないはずです。計算が合わないので、前任者のAさんに聞いてみてもらえないかとNGOのスタッフの方にお願いしました。彼女が誤って持ち出したかもしれないと思ったからです。NGOのスタッフがAさんに訊ねたところ、自分は持っていないと答えたとのことでした。
釈然としないまま、作成してくれるところを探して、新たにネームタグを作りました。
この時は、前任者のAさんに今まで頼んでいた業者をNGOのスタッフの方に聞いてもらって、その店に行ったのですが、「前からここにお願いしていたはずなんだけど」と言っても全然話が通じず、結局Aさんから教えてもらった店では同じものが作成できないことが判明しました。プリント屋が密集しているエリアなので、近隣の店に聞いて回って、作れる店が無事見つかったので、事なきを得ました。
自分に利益が生じないことを聞かれると、面倒がって、確度の低い、その場しのぎの回答をするという対応もミャンマーではよくあることなので、この時も特に何とも思いませんでした。

AさんとはNGOとの仕事を通して3年間程度の付き合いがあり、相手がこちらのやり方を知っていて、意思疎通がしやすいため、縫製の仕事を外注できないかと考え、コンタクトは継続しています。
現在、新商品のサンプルの作成を彼女に依頼中で、一昨日受け取る約束をしていましたが、当日の約束時間の一時間前になってキャンセルの連絡が入りました。キャンセルの連絡があるだけこの時はましな方で、今まで約束の時間に家に行っても留守だったことが3回ほどありました。
こちらも相手を完全に信用しているわけでもないので、サンプルの作成を頼んでいるのは相手にとってコピーする意味のないメンズの新商品です。裁断、縫製を依頼する時に、相手に商品の型紙を渡すので、コピーする気になれば簡単にできてしまいます。
レディースの商品だとミャンマー人の女性にも売れる可能性がありますが、メンズ・ファッションのミャンマー人マーケットは存在しないので、コピーする価値はありません。彼女の顧客は、ミャンマー人女性が中心で、在ミャンマー外国人の男性へ販売するルートを彼女は持っていません。
サンプル作成を頼んでから一ヶ月以上経ちますが、遅々として作業が進行しないのは、コピーする価値がないため、あまりやる気がでないのかもしれません。

この時に、おいおいと思ったのが、キャンセルの連絡と共に、「あなたのネームタグ750枚、私持ってるけどいくらで買う?」というメッセージと写真が送られてきたからです。

メッセンジャーに添付されていた写真

あなた、前の職場の人に聞かれたときに、持ってないと答えたんじゃなかったっけ?、と普通考えますよね。
何か怪しいとは思っていたけど、やはり持ち出していたわけです。
私は在庫を作りたくないので、いつも100枚単位でしか発注してないのに、彼女が750枚持っているということは、おそらく桁を間違えて誤発注したのではないかと推測します。
作成を頼んだのは彼女がNGOに勤務していた時ですが、この時彼女が誤発注した余剰分を自腹で補填したのか、NGOの経費で支払ったのかは不明です。
後者だとすると、こちらに売ろうとするのはおかしいことになりますが。
たぶん、そんなこと深く考えてないと思います。おそらく、在庫持ってるから、現金化したいとしか考えていません。
いつもニコニコしていて、子供や小動物に優しく、悪辣さや邪悪さとはまったく無縁に見える人物が、なぜこうした挙に出るのか?
その問いを解くにあたって「善良さと誠実さは別の概念である」という、ミャンマーを含むおそらく東南アジアに共通するマインドセットが鍵になりそうです。
善良さと誠実さは似た概念ではありますが、時間軸を尺度とすると、顕在、表出の仕方が異なります。
善良さは、他人に悪意を持たない、穏やかであるなど、その表出が瞬間的に観察される心性の有り様です。
そして誠実さは、もっと長い時間軸の中で継続的に観察され、行為・行動の蓄積により、それらが当該者の持つ誠実さの発露であると事後的に認められる心性の有り様です。あの人はいつも約束を守る、今まで嘘をついたことがないなど、誠実さが認められるまでには、一定の時間軸を伴う蓄積的な評価が必要となります。
そして、ミャンマーを含む東南アジアエリアでは(行ったことないけど、おそらくアフリカなどでも)、継続的・長期的に人が評価される社会的な基盤や価値観があまり存在しないように思われます。
話を戻すと、Aさんが一度は持ってないと答えたネームタグを実は持っていて、いくらで買う?と訊いてきた件については、おそらく彼女の心中には、齟齬や矛盾や葛藤、後ろめたさは存在していないのではないかと推測します。
持っているかと聞かれたときは、持っていると自分が誤発注したことがバレるので、持ってないと答えた。しばらくして、現金が必要になってきた時に、これを売れば金になるのではないかと考え、買わないかと持ち掛けた。この言動の間に一ヶ月程のブランクがあるので、この二つは彼女の中では繋がっていないのでしょう。
ミャンマー人が、一貫性とか整合性を勘案して、自分の言動や人格に同一性を保持しようと意識することは少ないのではないでしょうか。

真面目さの中に勤勉が、善良さの中に誠実さが含まれていないというのは、おそらく東北アジア人には理解しにくい心性です。
だから、「国民性に惚れた」とかの理由で進出した日系企業が、這う這うの体で撤退するような事態が、ミャンマーブームだった5、6年前に度々起こっていたのでしょう。

今回の件については、正論を振りかざして、相手を裁くようなことは言わずに、穏便にネームタグを取り戻す予定です。事を荒立てて、腹いせに勝手にネームタグを使われたり、横流しされてブランド価値を棄損するような事態は避けたいので。
メンズの新商品のサンプルも粘り強く交渉して、彼女の工房で完成させたいです。今まで、頼んでいるNGOが人出が足りなくて、生産量が限られているので。

今日も、Aさんからゴールデンヴァレーのシティマートに出店するから、委託販売したいなら、商品持って来ていいよと言われてましたが、開店時間に行ってみたところ彼女は来ていませんでした。腕の怪我をしたからというのが理由です。怪我については、嘘はついてないと思いますが。直接会って話さないまま、スタッフに商品預けたりすると後でまた話が拗れるので、商品を置くのは諦めて帰って来ました。
他店なら話に乗らないですが、ゴールデンヴァレーのシティマートは富裕層が住むエリアなので、チャンスがあれば必ず出品するようにしています。

ミャンマーで全面的に人を信用することはできませんが、だからと言ってミャンマーで仕事をする以上、まったくミャンマー人と関わらないことも不可能なので、常にリスクを最小化して事を進める必要があります。

とりあえずこれからミャンマーに仕事で来る人には、真面目と勤勉、善良と誠実はここでは別概念であることを念頭に置いていらっしゃることをお勧めします。

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2019年12月6日金曜日

2019年のThe Makers Marketを振り返ってみた

先週の日曜日、12月1日に第九回目となる、ミャンマー最大のローカル物産展The Makers MarketがKaraweik Gardenで開催されました。

自分のブログで確認すると、初回が2018年の12月2日(日)だったので、このイベントが始まってから、ちょうど一年が経ちました。
現在まで、全九回とも参加している身からすると、なかなか感慨深いものがあります。
このイベントが始まって、それまで別々の場所でミャンマー人や在ミャンマー外国人が小規模で営業していた、ローカルの工芸品店やローカル・ファッション・ブランドが、毎月一回、一堂に会する機会ができたのは喜ばしいことです。
毎回欠かさず参加していると、徐々にですが、ブランド認知度も向上してきたように思えます。
予約があった時に、このイベントで商品の受け渡しができるようにもなりました。今回も、予約があった商品三点をこの場で渡しました。
私の店のテントをの前を通る時、挨拶に訪れるお客さんもちょくちょくいます。








回を重ねる毎に、出店を希望する事業者も増えて、出店競争率がだんだん上がってきたようです。
先月参加していた、日本人とブラジル人が出店の申し込みをしたものの、選に漏れたと聞きました。運営会社のスタッフがイベント会場を巡回して、集客状況、商品のレベル、店の雰囲気などをチェックしているみたいです。
集客力がないとか、商品や店舗がイベントの趣旨や雰囲気に馴染まないとかと判断されると、次の開催時に選出してもらえない可能性があるので、これから出店をお考えの方はお気を付けください。
私は一人でテントに張り付いて搬入・設営・接客をしているので(搬出は、近所のF氏に手伝っていただいています)、他のテントを見て回る余裕がなく、他の出店者がどんな状況なのかあまり分かっていません。
サンチャウンでアロマキャンドル店を営むKさんが、閉鎖したローカル・ファッション・ブランドが多いと、今回、私のテントに来た時に言っていました。
今になって、一年前の投稿「2018年時点での、ミャンマーのローカル・ファッションブランドを比較してみた」を読み返すと、ここで紹介されているブランドの一つYaminは、すでにThe Makers Marketに参加しなくなっています。半年くらい前に、バンコクのBangkok Art and Culture Centre (BACC)内のセレクトショップの一つに商品を置いているのを見かけましたが、その後の動向は分かりません。

そういえば、4年前の投稿「ミャンマーのファッションブランド」で紹介した、ファッション・ブランドとしては、ミャンマーでは比較的大資本だったCi Ciも、ここ2年前くらいから市場で見かけなくなりました。どうなってるんだろうと思って、さっき検索してみたら、既製服の企画・販売から、ユニフォーム製作に業態を転換した模様です。


ちなみに、「2018年時点での、ミャンマーのローカル・ファッションブランドを比較してみた」で紹介している、Charlotte Barjou DesignUrban Rangoonは順調に事業を拡大しているように見えます。The Makers Marketにも毎回参加して、常に一定の集客がありますし。

12月の第一週から、欧米人はクリスマス・ヴァケーションに入って、帰国したり、旅行に出かけたりし始めるため、今回の12月1日のイベントが事実上の仕事納めの感があります。
次回は、来年一月の第一週か第二週の日曜日の開催になります。第一週だと、ヴァケーション期間中で、まだミャンマーに帰って来ていない外国人が多いため、おそらく第二週の日曜日になるのではないかと予想しています。
それまでに、今回売れた商品の補充と、新商品の開発を終わらせるつもりです。
次回の日程が発表され次第、また、ブログでお知らせします。

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2019年11月27日水曜日

【12月1日(日)】ミャンマー・ローカル物産展のThe Makers Market #9に出店します

今年最後の開催となるミャンマー・ローカル物産展のThe Makers Marketに出店します。
九回目となる今回の開催日は、12月1日(日)です。
開催時間は、いつもと同じ16:00~21:00です。
このイベントの初回が、去年の12月2日だったので、始まってからちょうど一年が経ちました。回を重ねる毎に、リピーターも増え、在ミャンマー外国人にとって、最も認知度の高い定例イベントの一つとなりました。


The Makers Marketは、主催者が出店者を事前に選定しているため、会場で販売されている物品に、一定のクオリティが保証されている、ミャンマーでは貴重なローカル物産展です。
主催者側のスタッフが会場を巡回していて、あまり人気のないお店は、次回の出店者として選出されないこともあります。
ここでは、ミャンマーのローカル・マーケットによくある、中国製の安価な衣料品やキティちゃんのぬいぐるみなどの非正規のコピー商品は販売されていません。
出店者の商品が、ミャンマー製であること、環境を配慮した製品であること(会場内でのプラスティックの使用は不可)、大量生産品ではないことが参加条件となっています。飲食店の出店者も増えてきていて、軽い食事もできるようになりました。

開催場所は、いつも通りKaraweik Gardenです(公園内のKaraweik Palaceの手前)。 会場の公園に入場する際に、入場料の300MMKを入口で徴収されます。


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2019年11月6日水曜日

The Makers Market #8の出店を振り返る

今週日曜日に、ミャンマーのローカル物産展のThe Makers Marketに出店しました。
毎回出店後に、どんな様子だったかを報告をしていますが、今回も状況を振り返ってみます。


今回はいつもより日本人の来場者が多く見られました。八回目の開催となって、ようやく日本人のコミュニティにもイベントの認知度が上がってきたようです。
個人的にお呼びした日本人の知り合いも、5、6人が私のテントを訪れてくれました。これも今回初めてのことです。
従来より多かったとはいえ、来場者延べ約3000人中、今のところ日本人客が30人に満たない数です。ミャンマー在住の外国人比率からすると、日本人が150人くらいいてもおかしくないはずです。おそらく日本語のフリーペーパーに掲載されていないため、イベントの存在自体を知らない日本人が多いのでしょう。

会場内の様子を映した動画が、主催者のFacebook Pageに投稿されていました。
イベントの雰囲気がわかるので、興味のある方はご覧ください。私のテントも少し映っています。


今回の売り上げはいちおう黒字というところでした。
客層と商品のポテンシャルからすれば、あと2、3倍売れてもいいはず、と個人的には思っています。向かいの同業者のUrban Rangoonなんか、私の5倍以上売っているようですし。
英会話能力に難があるため、ミャンマーの外国人コミュニティにきちんと入り込めていないのが原因のひとつと考えられます。
もう一つは、展示の仕方に問題があるのではないかと思っています。
本来なら、着用イメージを示すためのマネキンや試着した姿をチェックするための姿見も用意するべきなのでしょう。
しかし、タクシーのトランクに入れられる荷物量としては、今が限界です。何度か乗車拒否に遭いながら、やっとの思いで拾ったタクシーに荷物を積んで毎回会場入りしていますが、これ以上荷物を増やすと、一人で物理的に運べる量を超えてしまいます。
何らかの改善策を打ち出す必要性があります。

今回はSさんが、私以外の日本人出店者としては、初めてイベントに参加しました。会場で会った時、売れてないと嘆いてましたが、彼女も在ミャンマーの日本人にはよく知られていますが、日本人以外の外国人コミュニティ内では、そんなに知られていないはずなので、初参加でちゃんとした売り上げを作るのは難しいと思います。

私の方は、今回は前回同様にメンズの売り上げ比率が高かったです。売り上げの60%くらいがメンズの商品でした。 メンズは市場が小さいものの、きちんとした商品を作っているミャンマーの競合はいないので、意外とブルーオーシャンなのかもしれません。

今回も売れ行きが良かったのは、ラカイン産のロンジー生地を使ったメンズのショートパンツでした。


ここ2回のイベントの売り上げの傾向を鑑みて、今後はメンズの商品開発に力を入れる方針です。
メンズだと基本的に自分が着たい物を作るので、レディースよりも商品開発が楽です。

次回の開催は、まだ発表されていませんが、おそらく12月 1日(日)か12月 8日(日)になると思われます。
ご関心を持たれた方はご来場ください。私も今まで開催された全八回に参加していますが、次回も出店する予定です。 在ミャンマー外国人コミュニティの人たちがいっせいに集まる物産展は、今のところThe Makers Marketだけなので、ブランド認知を上げるため毎回参加しています。

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2019年10月31日木曜日

【11月3日(日)】ミャンマーのローカル物産展のThe Makers Market#8に出店します

ミャンマーのローカル物産展のThe Makers Market#8に出店します。
開催日時は、11月3日(日)の16:00~21:00です。


前回から約一か月ぶりの開催となります。
前回は雨期明けの中止期間を経た、四か月ぶりの開催だったので、多くの人出で賑わっていました。
ピークタイムの17:30時から18:30の間は人が多すぎて、ゆっくり回覧できないことがあるので、じっくり各ブースの商品を見たい方は、少し早めにいらっしゃった方が良いでしょう。


The Makers Marketは、主催者が出店者を事前に選定しているため、会場で販売されている物品に、一定のクオリティが保証されている、ミャンマーでは貴重なローカル物産展です。
ここでは、中国製の安価な衣料品やキティちゃんのぬいぐるみなどの非正規のコピー商品は販売されていません。
出店者の商品が、ミャンマー製であること、環境を配慮した製品であること(会場内でのプラスティックの使用は不可)、大量生産品ではないことが参加条件となっています。
飲食店の出店者も増えてきていて、軽い食事もできるようになりました。

開催場所は以前と同じKaraweik Gardenです(公園内のKaraweik Palaceの手前)。 会場の公園に入場する際に、入場料の300MMKを入口で徴収されます。


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2019年10月27日日曜日

【長文】ミャンマーが経済的な意味で発展することはかなりむつかしいと思うけど、それは必ずしも悪いことではないかもしれない

私見ですが、ミャンマーが経済的に発展することは、これからもかなりむつかしいと感じています。
ここには、改善や計画性という概念がないからです。住んで7年ほど経ちますが、いつまでも同じ問題や過ちが繰り返される。
乾季になれば、発電能力の不足で毎年停電が頻発するし、雨期になれば毎月のように、豪雨で道路が冠水し、家屋への大規模な浸水が発生する。それに対して、抜本的な解決策が講じられることも、今後の計画や指針が明示的に示されることもありません。
行政や政策担当者だけではなく、民間レベルでも同じことが相変わらず起きています。
時間にルーズ、突然言うことが変わる、契約を守らない(というか最初から契約書を読んでいない)、品質管理のレベルがどの先進国からも許容できないほど低いなど。
最初に来た時にびっくりしたのは、多くの人が業務遂行能力が低いことを恬として恥じないことです。同じミスを犯しても、あまり恥ずかしいとか、改善すべきだとか思わないようです。
7年たっても、この辺りのマインドセットは変わっていないように見えます。
ここに住む上で、こうした傾向をネガティブな事象として捉えがちだったのですが、必ずしもそうでないかもという考えが浮かんだので、ここに記します。

きっかけは、内田樹『街場の読書論』を読んでいて、平川克美『株式会社という病』の書評の中で、同著の以下の引用文を読んだことです。
著者の平川氏の生家が営んでいた、町工場の1950年代の様子を描写した部分です。
当時、わが零細工場労働者たちは、自らの賃金を、大企業のそれと比較して、羨訴の感情に訴えるということはあまりなかったように思う。妙な言い方かもしれないが、ここには「安定した格差」があったのである。
 かれらにとって、あちらはあちらであった。こちらの世界(=零細企業)とあちらの世界(=大企業)は、別の原理で動いており、それらを繋ぐようなものはどこにも見出すことができなかった。
 町工場の工員たちは、働き場所を中心とした半径一キロメートルの世界の中で、家計を営み、映画を見、パチンコをして遊んでいるように見える。この頃、わが家の近隣の工場には、なぜかどこにも卓球台があった。工員たちは暇さえあればよく、ピンポンをして歓声を上げていた。確かに、生活は貧しいが、矩を越えずといった安定的な貧しさの中に、多くのひとたちが安住していたのである。
<中略>
かれらは、今日のような自己実現の夢を育もうとはしなかったかもしれないし、 格差社会を意識するといったことはなかったかもしれないが、それ以上にかれらの世界には安定した倫理観と、生活上の慰安があったというべきだろう。



ミャンマーでは、毎日夕方になると、建設現場の日雇い労働者や人力車の車夫が、5、6人の輪になって路上で、みんなで歓声をあげながらチンロン(ミャンマーの蹴鞠)に興じています。ここには、労働者が集い「歓声を上げる」場がまだ残っています。

経済発展の中で日本は、ここで活写されているような安定した貧しさの中で安住できる町工場のような場所を失い(製造業の多くは人件費の安い海外へ移転した。海外へ移転できない工場の多くは、非正規労働者や海外からの技能実習生などを雇用し、最低限の生活を維持するのも困難なレベルの賃金しか払っていない)、能力や才能の有無に関わらず、自己実現の夢に苛まれる人々が飽和した国になりました(意識高い系とかは、こうした状況が生んだ現代病ですね)。
これは、社会システムと価値観が、グローバル資本主義的なあり様に集約されて、それほど付加価値や生産性が高くない仕事に就いて「安定した格差」に安住し、「あちらはあちら」、「矩を越えず」といった態度で生活を営むことがむつかしくなったからでしょう。

ここでは資本主義を、貨幣を媒介として財・サービスなどと交換する制度を内包する社会システムと定義します。貨幣を媒介として交換される事物は、市場価値という尺度で、一元的に(あちらもこちらも同じく)貨幣の数値としてランク付けされます。市場で価値があるとされたものは高価(貨幣への換算値が高い)で、されないものは安価に(貨幣への換算値が低い)。ランク付けされるのは、人間個人の資質・能力・才能も含まれます。
個人の属性が貨幣へと換算される時、市場により高く評価される属性とそうでない属性が生じます。サッカーの一流選手は、ラグビーの一流選手よりも高い年棒を得ているし、ポップ音楽のヒットメーカーは、民謡の名人よりも多くの印税を稼ぎます。
この差異は、必ずしも才能や能力や成果物の質の高さによって生じるわけではなく、あくまで市場性の多寡や有無によって起こります(需要と供給の均衡点で価格は決定する)。
大学生の頃、『「いい人」というのは、決して褒め言葉ではない』という言説を聞いたことがありますが、あれは「いい人」には市場性がない(その資質によって高い貨幣価値を得ることができない)という意味合いだったのでしょう。
「いい人」であることは、人間にとって本質的な価値であるかもしれませんが、その資質が貨幣として換算され得るものでない限り、資本主義的なシステム内の価値観では高く評価されない。良くも悪くも、資本主義的なシステム内では、市場がその人に付けた値札の高低で、人はその価値を計られる。

未見ですが、『ジョーカー』という映画が話題になっています。
この映画を観てないのに書きますが、『大ヒット問題作「ジョーカー」共感と酷評がまっぷたつのワケ』という記事を読んで、だいたいどんな映画が想像がつきました。
市場性のある才能や、高い貨幣価値を生み出す才覚のない、単なる「いい人」が社会的・経済的に疎外された結果、極悪人に変貌する映画なのでしょう。
この映画はミャンマーでも公開されていますが、この地ではほとんど話題になっていません。アメリカとかイギリスの大学卒業してミャンマーに帰ってきた超富裕層の子女が、ちらほらFacebookに感想を投稿しているくらいで、それ以外の普通のミャンマーの若者は感情が揺さぶられることも、主人公の心情に共感することもないようです。
その理由について、考えてみました。

記事を以下に引用します。
貧困、格差、社会保障の打ち切り、雇用環境の悪化、行政サービスの劣化・縮小、虐待・ネグレクト、介護、障害への無理解、差別──アーサーは現代社会が抱える様々な「負の側面」に苦しみながら生きる男だ。それらのうちのどれかが、とくに彼をとりわけ責めさいなんでいるわけでもなく、すべてが等しく彼をじりじりと閉塞して孤立した世界へと追い込んでいった。
この映画の舞台となっているのは、アメリカの架空の都市ゴッサムシティですが、ミャンマーの状況と比較してみましょう。
  • 貧困 --> 物凄くある。おそらくゴッサムシティよりもある
  • 格差 --> 物凄くある。おそらくゴッサムシティよりもある
  • 社会保障の打ち切り --> そもそも社会保障が、はじめからない
  • 雇用環境の悪化 --> 教育システムが劣悪なので、それなりの職につけるのは労働人口の約5%程度
  • 行政サービスの劣化・縮小 --> まともな行政サービスは、最初からほぼ存在しない
  • 虐待・ネグレクト --> あまりない。少なくとも自分の家の子供は大切にする。ただし、メイドとか使用人の扱いが酷い場合はかなりある
  • 介護、障害への無理解、差別 --> 社会的なサポートはほぼない。障害については、前世の行いが影響していると考えられているので、こうした人々をサポートすることにもあまり関心を持たれない
比べてみると、ゴッサムシティに負けず劣らずというか、ミャンマーの富裕層を除く大多数の人々は、ゴッサムシティよりもハードな社会環境に生きています。
にもかかわらず、『「ただしく」ふるまえない人びとは、社会的・経済的に窮地に追い込まれていくばかりか、社会が「価値がある」とみなす能力に恵まれた「ただしい」人びとによって、「ただしくない」と烙印を押されて疎外・排除され、不可視化されて、関心や慈しみさえも得られなくなっていく』物語に共感できないのはなぜでしょう。
それは、ここに暮らす大多数の人々が、ゴッサムシティの市民(及び資本主義国家に住む人々)が「価値がある」とみなす能力、すなわち市場性及び換金性のある能力に恵まれた人間を「ただしい」はと思っていないからでしょう。つまり、彼ら彼女らのコミュニティでは、市場がその人に付けた値札で、一元的に人間の価値が計られることがない。
私がミャンマーに来た当初、不思議に思った「多くの人が業務遂行能力が低いことを恬として恥じない」のは、彼ら彼女らのコミュニティ内では、仕事の能力が人間の価値評価と繋がっていないからだと思います。仕事なんてできなくても、それはまったく自分の社会的な評価や価値とは関係ないと思っていれば、特に反省する気にも改善する気にもなりません。

そもそも、ミャンマー社会で一般的に最も尊敬されているのは、解脱して涅槃(ニルヴァーナ)に達した上座部仏教の僧侶です。解脱した人は、この世の事象に無関心(自分の生老病死にすら)で、周りの空気を読まない、無為の人です。むろん経済的な達成や立志出世とも無関係で、労働は一切しません。
こうした究極の無為の人が尊敬され、善男善女からの托鉢・寄進により、衣食を保証されているのがミャンマーを含む南アジアの上座部仏教のありようです。
資本主義的な価値基準とは違う文化・価値体系の中で、大多数のここの人々は暮らしています。

最近、グローバル資本主義の権化ともいえる企業Amazoの倉庫の労働環境が問題となっています。
参考:「日本人はなぜアマゾンに怒らない」潜入ジャーナリストが暴く現場の絶望

「6時間45分の労働時間で歩行距離は20キロを超え」、「10時間働いている人は30キロ以上になる」という過酷な労働環境で、常にセンサーで業務のパフォーマンスを監視され、時間当たりのピッキング数が会社の基準とする数値に達しないと、リアルタイムで警告が入るようです。精神的にも肉体的にも過酷な業務で、神奈川のAmazonの倉庫では、わかっているだけで5人の方が勤務中に亡くなっているそうです。


ミャンマーは、インドと中国の中間に国土があり、タイとも国境を接しているため、東南アジアの物流拠点として適した立地であるといわれています。
仮にAmazonが東南アジアに進出して、物流センターをミャンマーに置いて、同じ労働環境で人を雇用したら、何が起こるでしょう。
かなり確信を持って答えられますが、初日の半日でほぼ全員が辞めます。少なくとも3日以内に全員が辞めます。
常に時間あたりの作業量をセンサーで監視されながら、会社の求める基準に達しないとアラームが鳴って急き立てられるような非人間的な労働環境に、ミャンマー人は耐えられないし、耐える気が端からありません。
イギリス、アメリカ、フランスのアマゾンの物流センターも、同様の労働環境らしいですが、あちらは移民がこうした過酷な業務を担っているのでないかと推測します。ミャンマーは移民を出す方の国で、受け入れる国ではないですから、過酷で非人間的な労働環境を我慢する労働者層は存在しません。

ある程度、経済が発展して、国民がグローバル資本主義的な価値観に一元化されると、賃金を得るために、自分の感情や気分に蓋をして、仕事のために自我を抑えるという働き方が一般的となります。しかし、ミャンマーでは、基本的にそうではありません。自分の気分や情動を制約されるくらいなら、仕事をしない方を選びます(物凄く給与が高いとかなら別ですが)。
そもそも、ミャンマーがグローバル資本主義の一員として組み入れられることを望んでいるのは、政府高官と地場財閥企業の経営層とその親族を合わせた約1%とグローバル企業でオフィスワークに就ける可能性のある大卒者の約5%くらいで、残りの94%の人たちには関心のない事柄です。むしろ、残り94%の人々にとっては、グローバル資本主義の流入により、交換可能な廉価な労働者として扱われ、過酷な労働環境が到来する(Amazonの物流センターのような)デメリットの方が大きい可能性すらあります。
こうして考えてみると、大多数のミャンマー人のマインドセット(改善しない、無計画)が変化しないのは、もしかしたら無意識のうちに、グローバル資本主義的な価値観や労働環境の流入を阻んでいるのではないかという気がしてきます。

高野 秀行, 清水 克行『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』という対談本を読んで知ったのですが、以前は人類の文明の進歩から取り残されていたと思われていた狩猟採集で暮らしている辺境の「未開な」少数民族は、現在の文化人類学の見地では、いったんは農耕などの新しい文明に移行したものの、意図的に原始的な文明・社会に戻ったと考えられています。
彼らは、国家による租税や兵役・労役などを避けるため、敢えて原始的な生活に立ち戻った。そのプロセスの中で、拓かれた農地から未開の森へ移り住み、以前はあった文化を失い、文字を捨て、場合によれば神話すら忘れた。戦略的に、国家機構にとってまったく交信不能の異形の辺境民になることで、国家による収奪や搾取が不可能な存在となった。
実は、今のミャンマーの変わらなさも、グローバル資本主義からの辺境であり続けることで、先進国のグローバル資本からの収奪や搾取を避けるために、無意識のうちに選択されている戦略ではないかという気がしてきます。
グローバル企業が大量に進出して、アマゾンの物流センターのような労働環境の職場ができたり、市場性及び換金性のある能力に恵まれた人間を「ただしい」と一元的に評価する価値観が広がり、疎外された人間が増えた結果、ジョーカーのような犯罪者が出現する社会になることを大多数のミャンマー人は望んでいないでしょうから(経済的なメリットの大きい政府高官や地場財閥企業の経営者などを除いて)。



ミャンマーは外資系企業が進出するのに厳しい環境だと言われて久しいですが、その要因のひとつである大多数のミャンマー人に共通するマインドセットは、グローバル資本主義というウィルスがミャンマーに感染するのを防ぐ抗体として機能しているのかもしれません。

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2019年10月16日水曜日

ミャンマーのロンジー生地のテキスタイル・デザイン事情について考えた

ミャンマーの民族衣装である巻きスカート、ロンジー用の生地のテキスタイル・デザインは、三か月から半年程度でデザインが入れ替わります。
ここにはマーケティングという概念が希薄なので、たとえ良く売れたデザインであっても、売り場から生産者へのフィードバックがなく、すべて作り切り・売り切りで、同じデザインの生地は、再び作られないことの方が多いです。
私は、市場で洋服に向いたテキスタイル・デザインの生地を常に探していますが、そうした生地を見つけたら、可能な限り、その場で店の在庫すべてを買い切るようにしています。店頭で売り切れてしまったら、そこでは二度と同じデザインの生地を入手できなくなるので。
ただし、似たデザインが復刻することも時折あります。
2年前に、マドラス・チェックの男性用ロンジー生地を使ってメンズのオープンカラーシャツを作りましたが、最近店を回っていたところ、ほぼ同じデザインの生地を見つけました。
デッドストック品の可能性もあるので、今回見つけたのが新規で作った商品とは断定できませんが。

二年前に入手した、マドラスチェックの生地で作ったオープンカラーシャツ

マドラスチェックは、メンズシャツに使われるテキスタイル・デザインとして一般的ですが、ミャンマーのロンジー生地に採用されることは珍しいです。

とりあえず、見つけたその場で、その時の所持金で買える分だけ買って、後日、同じ店に行って買い足しました。今のところ、このマドラスチェックの生地は、他の生地屋では見つかっていません。




今回、新たに入手したマドラスチェックのロンジー生地

上のマドラスチェックの生地は、男性用ロンジー(パソー)の生地ですが、他に復刻してほしい女性用ロンジー生地(タメイン)のデザインもあります。
いくつか下にご紹介します。

マリー・クワント風の花柄模様の生地。二年くらい前のデザイン。

ミナペルホネン風のテキスタイル・デザインのカチン産の生地。三年前くらい前に、市場にありました。

グッチとかにありそうな幾何学模様のテキスタイルデザイン。最近、同じ系統のデザインの生地が市場に出回りはじめたので、いま買い集めています。


メンズのロンジー生地は洗濯すると縮むため、一日水につけてから、裁断、縫製しています。雨期が終わりつつあるので、外に干せるようになったのは、ありがたいです。

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2019年10月13日日曜日

ミャンマー産生地を使った新デザインのワンピース入荷しました

最近、新しいデザインのワンピースを作ったので、ご紹介します。

まずはロンジー生地を使った、バルーンワンピース。
バルーン型のシルエットが、個性的なファブリック・デザインとマッチしています。
ちょっと、イッセイ・ミヤケぽいデザインです。







次は、パネル・ワンピース。
チェックのロンジー生地をパネル状に裁断して、組み合わせたデザインが特徴です。
袖部分は、ノースリーブのボディーにキャップ・スリーブを重ねた作りで、レイヤー状になっています。
素材は、カチン産のメンズ・ロンジー生地を使用しています。





サイズや価格は、YANGON CALLINGのオンラインショップでご覧になれます。
https://www.ygncalling.com/shop

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