ローカル・マーケットでポピュラーな地場の既製服ブランドがなく、H&M、ユニクロなどのファースファッション・ブランドも未進出であるミャンマーでは、洋服も街のテーラーでオーダーメイドすることが多いのですが、いつもそのスタイルに視覚的な違和感を感じていました。
この問題について、いままで真剣に考えたことがなかったのですが、去年から自分も既製服のローカル・ブランドを始めたので、この違和感はどこから来るのかについて、改めて理由を考えてみました。
では、皆さんへ質問です。
以下にミャンマーのハウステーラーで製作したワンピースとヨーロッパ・ブランドのワンピースの写真をそれぞれ三点づつ載せます。
何か直感的に違いを感じませんか?
感じたとしたら、その違いはどこにあるのでしょう?
ミャンマー・ワンピース 1
ミャンマー・ワンピース2
ミャンマー・ワンピース3
PRADA 1
PRADA 2
TRUSSARDI 1
ミャンマーではタイトフィットの服がポピュラーなので、比較がしやすいようにヨーロッパ・ブランドの服もフォルム(形)の近いタイトなドレスを選びました。
カラーリングの違いについては度外視して、フォルムだけを見れば、ウェスト・シェイプの位置がミャンマーのハウステーラーとヨーロッパ・ブランドでは違うのが分かります。
ミャンマーではバストの真下あたりでシェイプしているのに対して、 ヨーロッパのブランドは腰骨の上端あたりでシェイプしています。
おそらくこれが、ミャンマーのワンピースを洋服として見た場合、フォルムのバランスに違和感を感じる理由だと思われます。
ミャンマーのこのフォルムの特徴は、民族衣装であるエインジー(上衣)とロンジー(スカート)のバランス感に由来しているのではないかと推測します。
エインジーは丈の短い上衣のため、シェイプするポイントが通常の洋服と比べて高い位置になります。このバランス感を、ミャンマーのハウステーラーではワンピースなどの洋服にそのまま適用しているのではないでしょうか。
おそらく製作者は無自覚にやっていることなので、ミャンマーで洋服的なバランスのワンピースが作りたいなら、ウェスト・シェイプのポイントをきちんと指定する必要があります。
ミャンマーらしいバランス感の服を作りたいなら、特に何も言わなくても、自然にバストの真下あたりでシェイプする服が出来上がると思います。
シェイプの位置に加えて、ミャンマーのハウステーラーで作る服の特徴に、シェイプが深いことがあります。 これもエインジー(上衣)とロンジー(スカート)が、タイトにフィットするように作られることに由来していると思います。
そのため、ゆったりとしたドレープ感のある服を作りたい場合は、テーラーに希望をしっかり伝える必要があります。
私もロンジー生地を使ったワンピースを企画・販売していますが、体型を選ばずに着れるようにパターンをやや大きめに取っているため、上半身の深いシェイプを重視するミャンマー人からの評価はあまり芳しくありません(笑)。
そうしたわけで、ミャンマーで洋服をオーダーメイドする場合は、たいていのハウステーラーは、エインジーとロンジーのバランス感、フィット感がベースにあるため、それとは違うフォルムの服を作りたいなら、テーラーにデザインの希望をしっかり伝える必要があります。
上に書いたように、ウエストシェイプの位置と、タイトフィットさせたいのかドレープ感を出したいのかをテーラーに理解してもらうことが重要です。
日本の十分の一程度の価格で気軽にオーダーメイドが出来るので、いろんなテーラーで試してみて、感覚的に合うお店を見つけるのも、ミャンマーで暮らす楽しみのひとつではないでしょうか。
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