2017年9月26日火曜日

【お役立ち情報】ミャンマーでワンピースをオーダーメイドする時の注意点

五年前は九割方の人が民族衣装を着ていたミャンマーでも、最近は洋服の着用率が三割程度になりました。
ローカル・マーケットでポピュラーな地場の既製服ブランドがなく、H&M、ユニクロなどのファースファッション・ブランドも未進出であるミャンマーでは、洋服も街のテーラーでオーダーメイドすることが多いのですが、いつもそのスタイルに視覚的な違和感を感じていました。
この問題について、いままで真剣に考えたことがなかったのですが、去年から自分も既製服のローカル・ブランドを始めたので、この違和感はどこから来るのかについて、改めて理由を考えてみました。

では、皆さんへ質問です。
以下にミャンマーのハウステーラーで製作したワンピースとヨーロッパ・ブランドのワンピースの写真をそれぞれ三点づつ載せます。

何か直感的に違いを感じませんか?
感じたとしたら、その違いはどこにあるのでしょう?

ミャンマー・ワンピース 1

ミャンマー・ワンピース2

ミャンマー・ワンピース3

PRADA 1

PRADA 2

TRUSSARDI 1

ミャンマーではタイトフィットの服がポピュラーなので、比較がしやすいようにヨーロッパ・ブランドの服もフォルム(形)の近いタイトなドレスを選びました。

カラーリングの違いについては度外視して、フォルムだけを見れば、ウェスト・シェイプの位置がミャンマーのハウステーラーとヨーロッパ・ブランドでは違うのが分かります。

ミャンマーではバストの真下あたりでシェイプしているのに対して、 ヨーロッパのブランドは腰骨の上端あたりでシェイプしています。
おそらくこれが、ミャンマーのワンピースを洋服として見た場合、フォルムのバランスに違和感を感じる理由だと思われます。

ミャンマーのこのフォルムの特徴は、民族衣装であるエインジー(上衣)とロンジー(スカート)のバランス感に由来しているのではないかと推測します。


エインジーは丈の短い上衣のため、シェイプするポイントが通常の洋服と比べて高い位置になります。このバランス感を、ミャンマーのハウステーラーではワンピースなどの洋服にそのまま適用しているのではないでしょうか。

おそらく製作者は無自覚にやっていることなので、ミャンマーで洋服的なバランスのワンピースが作りたいなら、ウェスト・シェイプのポイントをきちんと指定する必要があります。
ミャンマーらしいバランス感の服を作りたいなら、特に何も言わなくても、自然にバストの真下あたりでシェイプする服が出来上がると思います。

シェイプの位置に加えて、ミャンマーのハウステーラーで作る服の特徴に、シェイプが深いことがあります。 これもエインジー(上衣)とロンジー(スカート)が、タイトにフィットするように作られることに由来していると思います。
そのため、ゆったりとしたドレープ感のある服を作りたい場合は、テーラーに希望をしっかり伝える必要があります。

私もロンジー生地を使ったワンピースを企画・販売していますが、体型を選ばずに着れるようにパターンをやや大きめに取っているため、上半身の深いシェイプを重視するミャンマー人からの評価はあまり芳しくありません(笑)。



そうしたわけで、ミャンマーで洋服をオーダーメイドする場合は、たいていのハウステーラーは、エインジーとロンジーのバランス感、フィット感がベースにあるため、それとは違うフォルムの服を作りたいなら、テーラーにデザインの希望をしっかり伝える必要があります。
上に書いたように、ウエストシェイプの位置と、タイトフィットさせたいのかドレープ感を出したいのかをテーラーに理解してもらうことが重要です。

日本の十分の一程度の価格で気軽にオーダーメイドが出来るので、いろんなテーラーで試してみて、感覚的に合うお店を見つけるのも、ミャンマーで暮らす楽しみのひとつではないでしょうか。

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2017年9月25日月曜日

ロンジー生地で作るワンピースの料金を改定しました

Princess Tailoring Shop had closed in 2018.
You can get our products at YANGON CALLING's Online Shop below:
https://www.ygncalling.com/
 
2017年9月14日より下記の通り、料金を改定しました。
・通常サービス(採寸後、1週間から2週間でお受け取りできます):
   30,000MMK(裏地なし)
   35,000MMK(裏地あり)
・特急サービス(採寸後、3日から1週間でお受け取りできます):
   40,000MMK(裏地なし)
   45,000MMK(裏地あり)


Princess Tailoring Shopでのロンジー用生地を使ったオリジナル・ワンピースの作り方をご紹介します。


1. 生地を選びます
お店にお気に入りのロンジー用生地をお持ちください。ショップで販売している生地から選ぶこともできます。


2. 採寸します
ショップのスタッフがお客様の体型に完璧にフィットするように採寸します。
デザインは、フレンチ・スリーブ(袖付き)・ノースリーブの二種類から選べます。
裏地付きと裏地無しのいずれかを選びます。


3. 完成を待って、ショップで受け取ります
通常サービスでは、採寸後1~2週間で完成します。
特急サービスを選択して、3日〜1週間でお受け取りすることも可能です。

フレンチスリーブ・タイプ

ノースリーブ・タイプ

縫製パターンは、ロンジー用生地のサイズにフィットするよう、特別に日本のパターン製作会社で作成しました。ミャンマーで最上に属するワンピースがご希望なら、お試しになってはいかがでしょうか?

Princess Tailoring Shop:
No.8 Ground Floor, Nyaung Tone Road, Sanchaung Township, Yangon 
(レストラン喜洋洋の二軒左隣)


  価格(生地の料金は含まれていません)
・通常サービス(採寸後、1週間から2週間でお受け取りできます):
   30,000MMK(裏地なし)
   35,000MMK(裏地あり)
・特急サービス(採寸後、3日から1週間でお受け取りできます):
   40,000MMK(裏地なし)
   45,000MMK(裏地あり)
 *完成予定日は、ショップの受注状況によって変わります。

Princess Tailoring Shopは、日本のNGO AAR (Association for Aid and Relief) Japanさんによって運営されています。AAR Japanさんは、ミャンマーの障がい者の人びとへ職業訓練を実施することで、こうした人びとへの社会的地位の向上と経済的な自立を支援しています。


関連ポスト:
How to make a longyi and an eingyi in Yangon
ロンジー用生地で作るワンピースのオーダーメイド・サービスはじめました 

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2017年9月24日日曜日

ロンジー生地で作るワンピースのモデル着用写真です

先日、当ブログで、ロンジー生地で作るワンピース製作料金の改定をお知らせしましたが、このサービスで提供しているワンピースと同じデザインの既製品のモデル着用写真を撮影したので、投稿します。
縫製パターンはロンジー向けの生地の標準サイズにフィットするように、日本のパターン制作会社に特別に発注したものを使用しています。



Lサイズ:40,000MMK



Lサイズ:40,000MMK


Mサイズ:40,000MMK


Sサイズ:40,000MMK

既製品をお買い上げいただくことも、お気に入りのロンジー生地をお店へお持ちして、採寸してオリジナルのワンピースを製作することもできます。
オーダーメイドのサービスは、日本のNGO AAR Japanさんが運営しているPrincess Tailoring Shopでご提供しています。

Princess Tailoring Shop:
No.8 Ground Floor, Nyaung Tone Road, Sanchaung Township, Yangon 
(レストラン喜洋洋の二軒左隣)


料金等の詳しい内容は、こちらの投稿でご覧になれます。

YANGON CALLINGの最新情報は、Facebookページでご覧ください。

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2017年9月22日金曜日

今週末、サンチャウンに行くべき二つの理由【9月編】

今週末に、サンチャウンを訪れる方へお知らせです。

まずは、日本のNGO AAR Japanさんが運営するテーラー・ショップ Princess Tailoring Shopの情報です。

9月24日(日)10:30~12:30の間、日本のNGO AAR Japanさんが運営するテイラー・ショップのPrincess Tailoring Shopに、日本語通訳ボランティアのLさんが入ります。
ロンジーやワンピースなどのオーダーメイドの服をミャンマーで作ってみたいけれど、言葉の壁でためらっていた方は、これを機会に作ってみてはいかがでしょう?


お気に入りの布を持参してお越しください。ショップにも数は多くありませんが、ロンジー生地を販売しています。

Princess Tailoring Shop 【No.8 Ground Floor, Nyaung Tone Road, Sanchaung Township, Yangon (レストラン喜洋洋の二軒左隣)】


ロンジー生地一枚からワンピースを作るサービスも提供しています。詳しくは、こちらの投稿をご覧ください。


次に、 Princess Tailoring Shopのすぐ近くのKOKO Home Storeのイベント紹介です。
9月23日(土)10:30~12:30にアロマ・キャンドル製作のワークショップが開かれます。



KOKO Home Store
No 5 Ground Floor, Kyaung Kone Street Kyaung Kone Street, Sanchaung Township, Yangon
Phone: 099 6088 7376 (Burmese, English)


オーナーが10月、11月にアメリカへ視察旅行へ行くため、次回の開催は12月になります。
早めに体験したい方は、今回参加した方が良いかもしれません。

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2017年9月20日水曜日

新デザインのドレス入荷しました

お客様からご要望のあったロング・シャツ・タイプの新作ドレスを作りました。
生地は味わいのある、ざっくりしたシャン州産のコットンを使用しています。




商品はLサイズ:45,000MMK

サイズ違い、色違いをご希望の場合は、以下のお店で、スタイル・ブックからお客様に合うサイズと、お好きなカラーを選んで注文できます。

KOKO Home Store
No 5 Ground Floor, Kyaung Kone Street Kyaung Kone Street, Sanchaung Township, Yangon 
Phone: 099 6088 7376 (Burmese, English)


その他、次の5つのデザインのドレスも用意しています。こちらもスタイル・ブックからお客様に合うサイズと、お好きなカラーを選んで注文できます。

V-neck Center Pleated Dreee


V-neck Tucked Dress

 Back Tucked Dress


Two Tone Sleeveless Dress


Two Tone Raglan Sleeves Dress

これからも、選べるデザインの種類を増やしていきます。
ブランドについての最新の情報は、こちらのFBページでご覧になれます。

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2017年9月18日月曜日

ミャンマーの英語圏と日本語圏の市場規模の違いを考えた

先日、Princess Tailoring Shopでロンジー用生地を使って作るワンピースの製作料金の改訂を、日本語英語で当ブログで告知しました。
言語が違うだけで、内容はまったく同じです。
日本語版は新たに投稿を作成し、英語版は以前の投稿を変更しました。
言語圏毎の市場規模を比較する、ちょうどいい機会だったので、それぞれの投稿へのアクセス統計を取り出してみました。

日本語版の投稿から48時間後の記事へのアクセス数が100

 英語版の元の投稿を修正してから24時間後の記事へのアクセス数が623

英語版の投稿を変更して24時間内のアクセスのリンク元:
日本語版はブログ村に掲載し、英語版はミャンマーの情報交換のためのFacebookページYangon Cnnectionで告知しました。
ブログ村経由のアクセスは13、FacebookページYangon Connection経由が約600

日本語版が投稿から48時間後、英語版をYangon Cnnectionで告知して24時間後の国別のアクセス数:
ミャンマーが大多数を占めています。

この統計とミャンマーで暮らしている生活実感から、ミャンマーにおける英語圏と日本語圏の市場規模の違いを推計すると、英語圏の市場規模は日本語圏のそれの約10倍くらいでしょうか。
以前の投稿でも書きましたが、村上春樹の長編が他の日本の作家と比べて圧倒的に多くミャンマー語に翻訳されているのは、彼の長編がすべて英訳されているからです(ミャンマー語に訳された短編集は、英訳があるアメリカ市場向けのアンソロジーのみ)。

ミャンマーの英語圏の市場とは、単にミャンマー在住の欧米人だけではなく、ミャンマーに住む英語話者全体を指します。その中にはミャンマー人はもちろん、ASEAN出身のミャンマー在住者や中国人など他のアジア系も含まれます。
私もミャンマー在住の中国人やインドネシア人が、自分より英語が遥かに上手いので気まずい思いをしたことが何度もあります。

ミャンマーで日本語圏の市場だけを対象にしても、事業として成立させるのが難しいことは、日本人にしかアピールしないタイプの日本食レストランの撤退が近年相次いでいることからも明らかです(又聞きです。私自身は、まったくと言っていいほど、ミャンマーの日本食レストランに行かないので)。
個人的には、ミャンマーのマス・マーケットを緻密に調査・研究して、ローカルに最適化したビジネスか、ミャンマー人の英語話者を含むミャンマー在住の外国人全体を対象にしたビジネスでないと、ミャンマーでは事業として立ち行かないのではないかと考えています(ODA等の日本の公的資金を対象にしたビジネスは除きます。厳密な意味で、ミャンマーの市場を対象とした事業をしているとは言えないので)。
前者の場合、一人当たりGDPを反映して、一人当たりの購買単価の低い、薄利多売型のビジネスモデルになるため、事業に一定以上の規模を求められます。ローカライズのためのノウハウや開発に必要となるリソースを勘案すると、リソースの豊富な大企業向けのビジネスと言えます。ミャンマーに進出を果たしている、外資系飲料メーカー、外資系食品メーカー、携帯通信キャリアなどが、このカテゴリーに入るでしょう。コカコーラとか、P&Gとか、日系企業だとキリンビバレッジとか、エースコックなどがこれに当て嵌まります。
後者の場合、市場規模は小さいですが、ターゲットが教育・生活・所得レベルが一定以上の層となるため、先進国のセンスやトレンドをそのまま導入できるメリットがあります。私が会ったことがあるASEAN出身のミャンマー在住者は、欧米の大卒で国際機関などに勤務しており、私なんかよりも遥かに高学歴で富裕層に属します。工場等の建設を伴わなず、参入に比較的費用のかからない飲食店経営もこちらに含まれます。

日本人在住者と観光客の多いタイとは違い、今のミャンマーでは日本語圏だけでビジネスが成立するのは、せいぜい一業種につき一社(もしくは一人)でしょう。おそらく、その席取りゲームは数年前に終わっています。
後続の参入者は、市場の大きなミャンマー・ローカルのマス・マーケット(大企業向け)か、ミャンマー人の英語話者も含むミャンマー在住の外国人全体(中小企業、個人向け)のどちらをターゲットとするかの選択を迫られます。

私はごく限られたミャンマー在住の日本人としか付き合いがないので、確実なことは言えませんが、ミャンマーの日本語圏ビジネスの席取りゲームは終わっている(たぶん)にも関わらず、相変わらず日本語圏だけでビジネスを試みる後続の日本人が多いような気がします。
資本やリソースの不足している中小企業や個人は、薄利多売型のビジネスモデルが要求されるローカル市場を対象とするのは難しいので、ミャンマー在住の外国人全体を対象とせざる得ないし(これもたぶん)、そのためにはマーケットに対して、英語で市場に対して情報発信・コミュニケーションをしていく必要があります。

私も読み書きはある程度できますが、英会話はさっぱりなので大変な目に遭うことがよくありますが、それは自分の能力や今までの努力の不足が原因だと考えて割り切ってます。
英会話がアウアウだと、知的レベルがもの凄く低く見えるらしく、欧米人からもアジア人からも、残念な人扱いされることもよくありますが、それも仕方ありません。実際、ASEAN出身の英語話者だと、欧米の有名校卒の超高学歴(MITとか)だったりすることもあります。

大きなお世話かもしれませんが、ミャンマーという海外にいるにも関わらず日本語圏に閉じこもった人が多いような気がしたので、敢えて書き連ねました。もちろん古くからミャンマーにいる日本人の方々は、新規参入者には難しいローカルのマーケットや人びととしっかり向き合っている人たちも多いでしょう。
日本語圏の外に出ると、英語力の足りなさから、恥もかくし、軽んじられて不愉快な思いをする時もありますが、日本の会社で働いていた時には体験できなかった充実感もあります。日本の組織で起こりがちな同調圧力に屈する(一般的な言い方では、空気読む)必要がないため、精神的に自由であることや、異なる価値観と触れて海外でビジネスをしている実感を味わえるなど、得る物も決して少なくありません。ミャンマーで日本語圏の外で活動する日本人がもっと増えれば、在ミャンマー外国人のコミュニティも多様性を増して、より豊かなものになるでしょう。
もちろん、どちらを選択するかは、個人の嗜好や考え方次第なんでしょうけど。

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