2013年6月13日木曜日

【Myanmar News】ミャンマー人女性のファッションへの関心

ミャンマーのローカル雑誌・ジャーナルから、海外にはなかなか伝わらないタイプのニュースを紹介します。今のところ、海外のメディアで報道されるミャンマー関連のニュースは、少数民族との紛争やODAなどの政治問題、あるいはグローバル企業のミャンマー投資案件などの経済関連のニュースが主です。もちろん、それはそれで重要なのですが、市井に暮らすミャンマーの人々のニュースも、この国の実感のある手触りを感じるために必要かと思います。

『Myanmar Times』681号 2013年6月10日~16日 より記事転載(原文は英文)

ミャンマー人女性のファッションへの関心
みんな心配?それとも歓迎?ミャンマー人のファッションスタイルの変化について

Text by Aung Kyaw Nyunt, Translated by Thiri Min Htun

ミャンマーでは人々から賞賛を集めるのは、男性の場合は腕っ節の強さ、女性の場合は艶やかな黒髪を固く結んだ大きな結い髪、と言われている。
だが、今では、多くのミャンマー人女性の髪は、小さな結い髪も作れないほどの長さだ。仮にそんな髪が長い女性がいても、他の国の流行に影響されて茶髪に染めているかもしれない。
もっとも、どんな格好をするかについては、ミャンマーの最近のファッションの中で、いまも変化のただ中にある。
かつてはミャンマー人女性はとてもシャイで、くるぶしさえ見せるのをためらっていたと聞く。彼女達はロングスカートかロンジー(訳注:ミャンマー式巻きスカート)をはき、自分達の身体を隠していた。いまでは、韓国人女優や欧米に影響されて、丈の短い服を着て、肌を露出させる女性もいる。
といっても、いまだに多くの女性は、そんな服装はやり過ぎだと感じ、従来の服装規範を守っている。
18歳の大学生Ma Chu Chuさんは、ロンジーの代わりにズボンをはいていると言うが、丈の短いものは着ない。自分の足を晒すのは抵抗があると言う。
「身の安全のためにも、着るものは選ばないと」と彼女は語る。「丈の短い服は、カッコいいかもしれないけど、危い気がする。自分としては、ミャンマー人女性は肌を露出するべきじゃないと思う」 。
 自分の子供達が、流行のファッションに身を包むことには、彼らの親達にも抵抗がある。
35歳の母親、Daw Thae Thaeさんは、ミャンマーの伝統的な服装が一番だと考えている。それが若い女性の「品格」を守るのだ。
「女の子を綺麗に見せるには、着る物へのちゃんとした節度が必要よ」とDaw Thae Thaeさんは言う。
「もし、丈が短過ぎたり、襟ぐりが深過ぎたりする服を着ているのは、彼女の親御さんのお家の格式に関わることです。だから、若いお嬢さんのいる親御さんは、そんな格好をさせるべきじゃないわ」 。
「露出度の高い服を着るのは、バスに乗って通学している私には合ってない」22歳のMa Ei Thiri Thuさんの意見だ。「たまにショーツや丈の短い服を着ることもあるけど、短過ぎるのは着ない」。Ei Thiri Thuさんはその日の状況によって、伝統的な服装と、今風の服を着る時を状況によって切り替えている。「ミャンマーの民族衣装は好きよ。それに、国立のいまの学校へ行く時は、規則でみんな民族衣装を着なきゃいけないし」。
 ミャンマー人女性の多くは、アウン・サン・スーチー女史のスタイルに倣っている。自宅でも、海外での公式の場でも、彼女はミャンマーの伝統的な衣装に身を包み、エレガントで気品を漂わせている。
ミャンマーのデモクラシーのアイコンである彼女は、ファッション・アイコンでもある。
それでも女史は時には装いを変える。最近のモンゴル訪問時のブルージーンズ姿の写真は、
ミャンマーのいくつかのウェッブサイトで、激しい批難にさらされた。
女史のモンゴルでの服装は、無分別とは言えないかもしれないが、年配の女性が海外の服装に影響されていると思われたことが、不興を買ったのは事実である。
ヤンゴン開発委員会で働くWin Kyiさんは、「年配の女性は、若い人のお手本であるべき」と言う。 Win Kyiさんは職場の同僚達が、海外の服装スタイルを選んでいることを残念に感じている。
「いまは、ミャンマー人主婦の多くがミャンマーのテレビ番組で、韓国映画を観ている。彼女達とって韓国ファッションが主流になってるけど、自分達のミャンマーにも素敵なスタイルがあることを忘れてはいけない。私はファッションが、私たちの文化の中から無くなって欲しくない」と Win Kyiさんは語る。
35歳のMa Nyein Nyeiさんは、ミャンマーの女の子達がミニスカートを抵抗なしに着ていると語る。
「時によって、ファッションは着る人の気分と関係している。どんな服を着るか毎日考えるけど、自分にぴったりと思う服を着ると、その日一日ずっと満たされた気分になる」。
みんないつもそんな風にやっている訳ではない。
 「どこに行くかによるわね。ミニスカートをはいて大丈夫な場所なら、そうすればいい。でも、だらしないのはダメ。自分なりの規範が必要ね」とMa Nyein Nyeiさんは言う。
もし、ファッショナブルな格好がしたいなら、その場に相応しいことが必要だ、とは30歳の主婦Ma Thinzarさんの意見だ。
 「若い世代が、今風の格好ができる時代に生きてることは悪くないと思う」 Ma Thinzarさんは言う。「だけど、その格好がその場に相応しいかどうかを考えないと。公共交通機関(訳注:現在のところ、都市部の公共交通手段はバスに限られる。色んな意味で安全とは言いがたい)を使うのか、それとも自分の家の車なのか。自分達が、今やってることに相応しい服を着るべきね。それに、もし流行のファッションをしたいなら、ヘアスタイルも含めて、トータルでコーディネートしないと」。
ベトナム、タイなどの他の東南アジア諸国と比べて、この国の民族衣装を着ている女性の比率は極めて高い。これから先、これも変わって行くのだろうか?
もし、そうならミャンマー人女性が、自分達の民族衣装に美を見出せなくなっていることになる。
たしかに、他国から取り入れるファッションスタイルには事欠かない。
しかし、ただ単に他国のスタイルを真似するだけでは、いただけない。

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