2017年9月18日月曜日

ミャンマーの英語圏と日本語圏の市場規模の違いを考えた

先日、Princess Tailoring Shopでロンジー用生地を使って作るワンピースの製作料金の改訂を、日本語英語で当ブログで告知しました。
言語が違うだけで、内容はまったく同じです。
日本語版は新たに投稿を作成し、英語版は以前の投稿を変更しました。
言語圏毎の市場規模を比較する、ちょうどいい機会だったので、それぞれの投稿へのアクセス統計を取り出してみました。

日本語版の投稿から48時間後の記事へのアクセス数が100

 英語版の元の投稿を修正してから24時間後の記事へのアクセス数が623

英語版の投稿を変更して24時間内のアクセスのリンク元:
日本語版はブログ村に掲載し、英語版はミャンマーの情報交換のためのFacebookページYangon Cnnectionで告知しました。
ブログ村経由のアクセスは13、FacebookページYangon Connection経由が約600

日本語版が投稿から48時間後、英語版をYangon Cnnectionで告知して24時間後の国別のアクセス数:
ミャンマーが大多数を占めています。

この統計とミャンマーで暮らしている生活実感から、ミャンマーにおける英語圏と日本語圏の市場規模の違いを推計すると、英語圏の市場規模は日本語圏のそれの約10倍くらいでしょうか。
以前の投稿でも書きましたが、村上春樹の長編が他の日本の作家と比べて圧倒的に多くミャンマー語に翻訳されているのは、彼の長編がすべて英訳されているからです(ミャンマー語に訳された短編集は、英訳があるアメリカ市場向けのアンソロジーのみ)。

ミャンマーの英語圏の市場とは、単にミャンマー在住の欧米人だけではなく、ミャンマーに住む英語話者全体を指します。その中にはミャンマー人はもちろん、ASEAN出身のミャンマー在住者や中国人など他のアジア系も含まれます。
私もミャンマー在住の中国人やインドネシア人が、自分より英語が遥かに上手いので気まずい思いをしたことが何度もあります。

ミャンマーで日本語圏の市場だけを対象にしても、事業として成立させるのが難しいことは、日本人にしかアピールしないタイプの日本食レストランの撤退が近年相次いでいることからも明らかです(又聞きです。私自身は、まったくと言っていいほど、ミャンマーの日本食レストランに行かないので)。
個人的には、ミャンマーのマス・マーケットを緻密に調査・研究して、ローカルに最適化したビジネスか、ミャンマー人の英語話者を含むミャンマー在住の外国人全体を対象にしたビジネスでないと、ミャンマーでは事業として立ち行かないのではないかと考えています(ODA等の日本の公的資金を対象にしたビジネスは除きます。厳密な意味で、ミャンマーの市場を対象とした事業をしているとは言えないので)。
前者の場合、一人当たりGDPを反映して、一人当たりの購買単価の低い、薄利多売型のビジネスモデルになるため、事業に一定以上の規模を求められます。ローカライズのためのノウハウや開発に必要となるリソースを勘案すると、リソースの豊富な大企業向けのビジネスと言えます。ミャンマーに進出を果たしている、外資系飲料メーカー、外資系食品メーカー、携帯通信キャリアなどが、このカテゴリーに入るでしょう。コカコーラとか、P&Gとか、日系企業だとキリンビバレッジとか、エースコックなどがこれに当て嵌まります。
後者の場合、市場規模は小さいですが、ターゲットが教育・生活・所得レベルが一定以上の層となるため、先進国のセンスやトレンドをそのまま導入できるメリットがあります。私が会ったことがあるASEAN出身のミャンマー在住者は、欧米の大卒で国際機関などに勤務しており、私なんかよりも遥かに高学歴で富裕層に属します。工場等の建設を伴わなず、参入に比較的費用のかからない飲食店経営もこちらに含まれます。

日本人在住者と観光客の多いタイとは違い、今のミャンマーでは日本語圏だけでビジネスが成立するのは、せいぜい一業種につき一社(もしくは一人)でしょう。おそらく、その席取りゲームは数年前に終わっています。
後続の参入者は、市場の大きなミャンマー・ローカルのマス・マーケット(大企業向け)か、ミャンマー人の英語話者も含むミャンマー在住の外国人全体(中小企業、個人向け)のどちらをターゲットとするかの選択を迫られます。

私はごく限られたミャンマー在住の日本人としか付き合いがないので、確実なことは言えませんが、ミャンマーの日本語圏ビジネスの席取りゲームは終わっている(たぶん)にも関わらず、相変わらず日本語圏だけでビジネスを試みる後続の日本人が多いような気がします。
資本やリソースの不足している中小企業や個人は、薄利多売型のビジネスモデルが要求されるローカル市場を対象とするのは難しいので、ミャンマー在住の外国人全体を対象とせざる得ないし(これもたぶん)、そのためにはマーケットに対して、英語で市場に対して情報発信・コミュニケーションをしていく必要があります。

私も読み書きはある程度できますが、英会話はさっぱりなので大変な目に遭うことがよくありますが、それは自分の能力や今までの努力の不足が原因だと考えて割り切ってます。
英会話がアウアウだと、知的レベルがもの凄く低く見えるらしく、欧米人からもアジア人からも、残念な人扱いされることもよくありますが、それも仕方ありません。実際、ASEAN出身の英語話者だと、欧米の有名校卒の超高学歴(MITとか)だったりすることもあります。

大きなお世話かもしれませんが、ミャンマーという海外にいるにも関わらず日本語圏に閉じこもった人が多いような気がしたので、敢えて書き連ねました。もちろん古くからミャンマーにいる日本人の方々は、新規参入者には難しいローカルのマーケットや人びととしっかり向き合っている人たちも多いでしょう。
日本語圏の外に出ると、英語力の足りなさから、恥もかくし、軽んじられて不愉快な思いをする時もありますが、日本の会社で働いていた時には体験できなかった充実感もあります。日本の組織で起こりがちな同調圧力に屈する(一般的な言い方では、空気読む)必要がないため、精神的に自由であることや、異なる価値観と触れて海外でビジネスをしている実感を味わえるなど、得る物も決して少なくありません。ミャンマーで日本語圏の外で活動する日本人がもっと増えれば、在ミャンマー外国人のコミュニティも多様性を増して、より豊かなものになるでしょう。
もちろん、どちらを選択するかは、個人の嗜好や考え方次第なんでしょうけど。

よし日本語圏の外で勝負しようと思ったらクリック!
  ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓  
にほんブログ村 海外生活ブログ ミャンマー情報へ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿