2017年11月19日日曜日

サンチャウンのカフェから変わりゆくミャンマーについて考えた

先日タイに一時出国した際に、古本屋で約一年前に刊行された雑誌『FRaU』のタイ特集号を見つけました。
カフェ、レストラン、オーガニック食品、ローカル・ファッションブランドなどのタイ・バンコクの最新のトレンドを網羅した、非常に充実した特集号です。ファッション、レストラン、カルチャーなどの新しい情報に強くない、一般向けの市販のガイドブックよりも、リピーターにとってよほど使い出があります。


「知ってた? バンコクはオーガニック天国」。いや知りませんでした。
このページ掲載のBroccoli Revolutionというお店の前は通ったことがありますが、オーガニック・カフェとは知らなかった。


知らないお店やレストラン、ブランドもたくさん掲載されていて、これは重宝するなと思いつつ、やはりそこはミャンマー在住者として、自分が住む環境と引き比べてしまいます。


この特集のキャプションによると「タイでもおしゃれな人はどんどんナチュラル志向に変わってきている!」そうです。
翻ってミャンマーでおしゃれな(ということになっている)人は、盛って、盛って、盛りまくる感性が支配的です。ナチュラルとか、シックとかといった引き算の美学とは、今のところまったく無縁です。現時点でのミャンマー人の美意識についてご興味があれば、以前の投稿「いまのミャンマーで、かっこいいことはなんてかっこ悪いのだろう」をお読みください。

そんなわけで、ミャンマーにオーガニック・カフェやレストランが出来るのは、まだまだ先のことだろうと予想していましたが、なんとわが街サンチャウンに、一昨日オーガニック・カフェが開店していました。

店名はHeathy Meと直球です。ミャンマーだとこのくらいの分かりやすさが必要かもしれません。店内の説明では、オーガニック食材を使用していると謳っています。





昨日の、ランチタイムに行きましたが、開業直後にもかかわらず、結構欧米人客で賑わっていました。ミャンマー在住の健康志向の外国人のニーズを満たす、こうしたタイプのお店が今までなかったからでしょう。

オーガニック・カフェとはコンセプトが異なりますが、同じくサンチャウンに新しいタイプのカフェが同時期に開店しました。
店名はThe Plant Houseです。店名の通り、店内の入口近く植物を展示しています。


Book, Plant, Coffeeの表示の通り、ブック・カフェの機能も兼ねています。

村上春樹の『ノルウェーの森』の英語版が棚にありました。

こちらはミャンマー語訳の村上春樹の短編集『象の消滅』

エッセイ集『村上ラヂオ』のミャンマー語訳。この本のミャンマー語訳は初めて見ました。在庫がたくさんあるので、展示販売しているようです。

ただし店員は、文学とかまったく興味なさそうな感じでした。

こちらは100%ミャンマー資本のようで、お店の完成度はそれほど高くありませんが、オーナーの熱量や心意気みたいなものが、棚作りからも伝わってきます。バンコクや東京の同種の店のように、ジャック・ケルアックやポール・ボウルズやカート・ヴォネガットのようなカウンター・カルチャー的で、イケてる(とされている)本を置いているわけではありませんが、オーナーが自らの目線と感性で選書したのが棚から見て取れます。
文化的な好奇心やサブカルチャー的な嗜好を満たす施設やお店が、まったくと言っていい程無かったミャンマーで、ミャンマー人がこうしたお店を作りはじめたのは、この地にも変化の兆し現れたのかもしれません
The rough cutが閉店したため、これから読書会をどの店で開催しようかと思案していましたが、良いお店の候補ができました。

先にあげた『FRaU』の記事では、バンコクで今流行っているのは、Run(健康志向), Coffee(カフェ・ソサエティ), Art(同時代的なカルチャー)だそうなので、そうした動向がヤンゴンにも伝わってきているのかもしれません。


雑誌は去年の刊行ですが、内容が好評で完売したのを受けてか、今年になってムック化されて発売されています。
今後のミャンマーの動向を占う意味でも、この書籍は役立ちそうなのでオススメです。

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