2017年8月25日金曜日

いまのミャンマーで、かっこいいことはなんてかっこ悪いのだろう

この投稿のタイトルは早川義夫のソロアルバムから取りました。


先日、ミニゴン地区のシティマートでOwayのプロモーション・ビデオを見かけました。
Owayは、ミャンマーのベンチャー企業が提供するUberと類似したサービスです。
創業者はスタンフォード大学卒業した後、シリコンバレーで働いてから起業したミャンマー人で、勤務先がGoogleに買収されたことで、Googleで働いた経験もあります。

それはともかく、シティマートで流れていたOwayのプロモーション・ビデオのひとつがあまりにも時代錯誤だったのでびっくりしました。 制作者もしくは出演者はゴージャス感を演出するつもり作ったのでしょうが、世界の潮流から百万光年くらいズレています。
今は、エコロジカルとか、サスティナブルとか、ソーシャルとか、エシカルが、同時代で活躍する人たちが共有する課題、いいかえれば時代の気分です。GDPの規模や伸び率で比較する単なる経済成長上の追求・指標から、エネルギーや資源の持続可能性などの課題の解決策を内包した、新たな成熟した社会・経済システムの未来像が、様々な文化圏の人びとから異なるアプローチで提案されています。
こうした価値観は、ある程度先の読める人たちの間では、21世紀に入って以来、当然のように思潮の中心となっていますが、このプロモーション・ビデオは、そのようなポイントを見事に外しています。
出演者は米国からの帰国子女のミャンマー人ですが、2007年のリーマンショック以降、ラグジュアリー的な演出よりも、地域に根ざした独自性や虚飾を排した実質さのほうがクールという、米国のポートランドとかブルックリンのようなサブカルチャー先進地域が発信源になり、今や主流となりつつある価値観とは、まったく無縁で、しかも理解していないように見えます。
2010年代から、清澄白河とか蔵前とかの東京の東側に、サードウェーブ・カフェとか、外国人がたむろするバーとか、独立系のアパレル・ショップが出来はじめたのも、こうした地域性や実質性を重視した世界的なムーブメントに連なる現象です。

とりあえず、以下にそのプロモーション・ビデオのリンクを貼っておきます。


朝の目覚めは、ホテルのルーフトップでくつろぐ
ゴージャスなワ・タ・シ

この人、顔が短いのでティアドロップ型のサングラスがまったく似合いません

とにかく、カメラを意識したキメキメのショットが多くて、微妙な気分になります

今夜はパーティ!とびきりのワインを用意しなくちゃ

いつもの仲間と女子会

かんぱぁーい!

打ち方のフォーム見てると、たぶんちゃんとビリヤードやったことないと思う

どう私たちイケてるでしょう?的なショットがこれでもかと続きます
正直言って、イケてませ(ry

いやぁ、楽しかったわー

タクシーを携帯で懸命に呼んでいるイケメンの白人

あなたこれ知らないの?

じゃあお先にー♡

日本もバブルが弾ける90年代前半までこうしたノリはあったので、偉そうなことは言えませんが、もはや時代が変わっています。これを見ると、未だにこれがイケてるつもりなのかと、制作者側のセンスを疑ってしまいます。

何かの記事で、今の30代以下の世代ではフェラーリ乗ってるよりも、ソーシャル・ビジネス立ち上げて、軌道に乗せた方がモテるというのを読んだ覚えがあります。別にモテが目的でやることでもないでしょうが、やっぱりモテた方がプレイヤーのタイプと裾野が広がって良いなとは思います。
旅先でCNNとか見てると、白人のイケメンとか、綺麗な女の子が途上国でソーシャル・ビジネスはじめたり、NGOで働いている映像をよく見るようになりました。あれは今の時代のリア充像のひとつの典型なのでしょう。

ミャンマーには、格差の是正とか、実質的な産業の振興・育成とか、機会の平等とか、雇用の創出とか、ローカルが取り組むべき課題が山積みなので、こうした空々しい(そしてセンスが中途半端で、時代遅れなためかえって貧乏臭い)ゴージャスさよりも、ソーシャル・ビジネスやったり、NGOで活動して社会問題を解決する方がかっこいいという価値観がミャンマーにも早く根付いて欲しいものです。とくに彼女たちのように、親がお金を持っている層の子女には、この国が抱える問題を解決する義務があります。

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