2017年9月16日土曜日

ヤンゴンで読書会を計画しています

ミャンマーの本好きの有志を募って読書会を計画しています。
第一回は、来月10月の第二週の10月14日(土)か10月15日(日)の午後を予定しています。開催地は未定ですが、たぶんサンチャウンのカフェになります。
読書会は、以下の二つのルールを守っていただけたら、どなたでも参加できます。

・課題図書を読了していること
 読書会なので、課題の本を読み終わっていることは必須です。

・原則として、他の人の発言に対して、批判的な態度を取らないこと
 どのような感想であれ、意見であれ、公共良俗に反したり、故意に他人を傷つけるものでない限り、ひとつの見解として尊重しましょう。

第一回目の課題図書は、ラッタウット ラープチャルーンサップの短編集『観光』です。参加予定者のNさんと話し合って決めました。5、6年前に日本のいろんな雑誌の書評で大プッシュされて話題になった本です。 


これから読む人のために、本書の背景を少し説明します。
著者はタイ系アメリカ人で、欧米と東南アジアの二つの世界を経験、理解している、著者ならではの観察や洞察が、それぞれの短編にちりばめられています。
この短編集の登場人物たちは、タイ社会・コミュニティに属している生粋のタイ人、その外部にいる観光客や外国人、そしてタイと欧米の二つの世界の間で引き裂かれているタイ人と欧米人のハーフや欧米人相手のビジネスを営むタイ人たちです。
南国を楽園とするステレオタイプのイメージは、その外部に住む先進国の人間たちの幻想・憧憬によって形成されてきました。
外部からの幻想であれ、現地の実情であれ、こうした南国や第三世界を、その地を訪れた外国人の視点から語った物語や研究は、大航海時代から数多くありました。一方、その社会・コミュニティ内部が、外側の人間から向けられた幻想によって形成された楽園的なイメージをどのように受けとめているかについての報告は稀少です。
先進国の人びとから向けられた上から目線の幻想を、「高貴なる野蛮人」の神話、「オリエンタリズム」とする批判はありましたが、いずれも思想・哲学的なマターであったため、南国や第三世界に住む市井の人びととは縁遠い、高踏的なフィールドで起こった議論だったと言えます。
 ところが2000年代に入ってから世界文学の多様化・多国籍化が進む中で、それまで「周縁」、「第三世界」と見なされていた国々から、英語で作品を発表する作家の登場が目立ってきたことで風向きが変わります。こうした作品の中から、我々はそのコミュニティの出身者、あるいは現地生活者と近い場所にいる表現者による、その土地に住む人びとの現実的な実感や現状を知ることができるようになりました。ちょうど1970年代にブルース・スプリングスティーンが登場して、それまで語り部を持たなかったアメリカの労働者階級の生活実感や人生観を、その外側にいる人たちが知ることができるようになったように。
この短編集も、こうした世界文学の多様化・多国籍化の文脈に沿う作品と言えるでしょう。

読書会は、できれば定期的に月一回くらいのペースで開催していきたいと考えています。
課題図書の主要なテーマは、世界文学とミャンマー及び東南アジア関連の文化・歴史・宗教とします。
世界文学の定義ですが、世界中に読者がいる作品であること、作家の出自国のみならず多くの世界の文学者・読者に影響を与えた、あるいは現在進行形の現代文学の変容や進化の過程の中で生まれた作品とします。
ミャンマーで開催する読書会なので、ミャンマーと東南アジアの文化・歴史・宗教(主に仏教)に関する本も対象にします。
自己啓発本やハウツー本は対象外です。課題図書は、多種多様な読み方が開かれている、多義的で深みのある書籍から選びます。

今のところ、以下の本をリストに上げていますが、今後、参加者の方々の意見を聞きながら、課題図書を決めていきます。

世界文学
    

ミャンマー及び東南アジア関連
   

計画が具体化したら、改めて情報をアップします。
読書会への参加を希望される方は、本ブログの プロフィール > お問い合わせ > メールをクリックして、ご連絡ください。

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