2017年12月22日金曜日

ミャンマーで読むべき雑誌(2)〜POSH

前稿に引き続き、ミャンマーで読むべき雑誌についての記事です。
今回は、ファッション・グラビア誌の『POSH』を紹介します。

ファッション雑誌自体は、ミャンマーにも数多くありますが、他の雑誌に比べてこの雑誌は、アートディレクションもスタイリングも、ずば抜けて独創的で、アイディアがよく練られています。
他のファッション雑誌は、『VOGUE』等のグラビアをミャンマー流に安易に翻案して、たいていの場合、おかしなところに着地していますが、この『POSH』については、ミャンマー流の新たな美意識の提案をするという意思が、誌面から伝わってきます。
この雑誌は季刊で、年四回の発刊ですが、新刊が出るたびにヤンゴンの本屋を探し回っています。私が普段行くシティマート内の大手書店には置いていないので、ヤンゴン内の独立系の本屋を巡り歩いて、探すことになります。たぶん大手流通の配本系列に入っていないのだと推測します。ミャンマーの書籍の取次ぎや流通・配本のシステムについてがどうなっているのかは知りませんが。


他のミャンマーのファッション雑誌が『VOGUE』等のグラビアを表層的に模倣しているのと比較して、先行する表現手法をかなり研究して、ミャンマー流に昇華するための工夫が随所に伺えます。

アーヴィング・ペン風のモノクロ写真

元ネタはコレ? ファッション写真の大御所アーヴィング・ペンによる有名なショット


上のビッグショルダーのドレスは、今、パリコレで最も旬なデザイナー、デムナ・ヴァザリアの作品にインスパイアされたのか?

 ハイファッションと日常風景の共存という手法も、今ではモード雑誌で一般的ですが、ミャンマーで上手く使われることは珍しいです。







CGを利用したグラビア・ページも、ミャンマーらしいグラフィックのエフェクトが効果的です。




このページを制作したのは、おそらくイギリスでCGを学んだミャンマー人。

スタイリングのクレジットを見ると、タイ人らしき名前が多いので、おそらくタイ人や他の東南アジア人のスタッフが、クリエーションに関わっているのではないかと推測します。
近代化が先行するタイなどのASEAN諸国では、欧米のファッションが浸透して、日常的な場面で民族衣装を着る伝統が途絶えているため、民族衣装の文化が今なお残るミャンマーで、西欧とは異なる東南アジア的な美意識の確立や、伝統的な民族衣装を現代化するという志を持ったクリエイターが、他の東南アジア諸国からも参加しているのかもしれません。

ミャンマー的な色彩感覚を生かしながら、民族衣装をモダナイズすることを意図したと思われるページ。こうした方向性で、今後、ミャンマーのファッショが進化すると、外国人にとっても魅力的な国になると思います。







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