2013年7月27日土曜日

【Myanmar News】ミャンマーでのネットビジネスの可能性(1)

ミャンマーでのインターネット普及率は、総人口の1%以下と言われています。
携帯電話の普及率は10%以下です。
ヤンゴンに住んでいると、20代以下の若者はみんなFacebookのアカウントを持っているように思えますが、これは都市部に住み、PCにアクセスできる比較的高学歴層の傾向で、人口比からすれば3%以下ではないかと推測します。おそらく、現在20代で大学まで進学すれば、主に在学中に同級生とFacebookで繋がることができるでしょうが、それ以外の階層だとネット上で仲間を見つけるのは、難しいのではないかと考えられます。
この状況が、先日の政府入札で外資系2社(ノルウェイのTelnorとカタールのOoredoo)の携帯電話事業への参入が決定したことで、大きな変化がありそうです。
途上国のインターネット普及の特徴として、PCをスキップして、スマートホン経由でネットへのアクセスが一般化するからです。
ここでも、抜け目ない外資系企業が、各種事業設立の準備を始めている模様です。
これらの動向に関連して、タイムリーな記事があったので、ご紹介します。

『mizzima BUSINESS WEEKLY』30号 2013年7月25日号 より記事転載(原文は英文) 
 ミャンマーのネット難民
ソーシャルメディアは、負の側面を乗り越えて、ミャンマーのコミュニケーションを変えるか?
Text by Cate Cadell



ミャンマーのネット環境はどれだけ変化しただろう?
たとえば5年前まで、ミャンマーでFacebookにログインするのには複雑な手続きが必要だった。活動的なネチズンは、政府規制をかい潜り、プロクシーサーバを乗り換えるイタチごっこのゲームに精通していた。彼らはネットエリートの代表だ。主にヤンゴンに住む、人口比で0.2%以下の小さなグループが、政府が設置したファイアーウォールを潜り抜けていた。
2010年の政府規制の緩和を受けて、ソーシャルメディアと娯楽に対する消費活動は急激に拡大し、ミャンマー市場のネット接続への欲求が明らかになった。ところが、政府があまりに貧弱なネット接続率に言及するようになると、ソーシャルメディアに対する限界が浮上してきた。
Facebookが、ネチズンにとって、デジタルの足跡が残さずに済む、唯一のアクセス先なのだ。
「ミャンマーの若者はオンラインにやって来た。でも、彼らは行き先を持たない」今月立ち上げたばかりのミャンマーのソーシャルメディア・サイト"Squar"の共同創業者でCEOのRita Naguyenは言う。「Facebookは、ネット上にいる人を知っている場合はとても便利です。でも、ミャンマーのような国では顔見知りや友人はネット接続をしていないので、友人を見つけられません。Facebookは、誰も知合いのいない、からっぽの場所なのです」。
これは活動家と投資家が共に同意する意見だ。
オンラインの消費者サービスは、生まれたばかりのミャンマーのネチズンには提供されていない。この問題は、前政権のインターネット規制に端を発するのだろう。 

オンラインの先に
政治犯の経歴があり、活動家とブロガーとしての受賞歴を持つNay Phone Lattは、最初の検閲抜きのインターネット体験を「奇跡的だった」と表現する。
「シンガポールで目が覚めて、 コンピュータに向かった。一日中ネットに繋がったまま、コンピュータの前を離れなかったね」。
Nay Phone Lattはこの時も、ミャンマーのネチズンが、オンラインで向かう先が大きな問題だった、と語る。彼の言うには、民主化が始まる前のミャンマー人の活動的なオンライン・コミュニティは非常に少数で、ほんの一握りのブロガーのグループで構成されていた。
「この時期には、国外に住む多くのミャンマー人コミュニティがあり、ミャンマー語はインターネット上には存在せず、彼らは自力で我々ブロガーを見つけてくれた」。 
ミャンマー語のフォントを使って書いたブロガーは、みんなお互いに繋がり合い、結びつこうとした。我々は非常に少数派だったからね」。
「ミャンマーにいる人達は、我々のブログを見ることができたが、プロクシーサーバを通してのことだった。だから、それをミャンマーの人々にも教える必要があった(訳注:おそらく政府設置のプロクシーサーバのため、アクセス履歴が政府の検閲担当者に知られることを指している)。プロクシーサーバは、Gmail、G-talk、Facebook、そしてすべてのブロガーのサイトを見るのに必要だ」。
2008年1月、ミャンマーで最初にブログ上のフォーラムを開いた数ヶ月後に、Nay Phone Lattは逮捕され、政治活動の咎で20年の禁固刑を言い渡された。政治犯に対する恩赦を受けた一人として、彼は2012年に出獄した。自分が刑務所の中で4年過ごしていたにも関わらず、依然としてミャンマー市民は、オンラインでの行き先を持たないと、彼は主張する。

Facebookを取り込む
"Squar"は、ミャンマー語で最初のソーシャルメディア・サイトであり、ミャンマーのネット難民で溢れる市場に切り込み、ニーズに応えることに挑戦するスタートアップ企業の一社だ。
今、もしあなたがヤンゴンに居るなら、ベトナムの投資チームが市内でWifiスポットを巡っているに気がつくだろう。多数のフリーのジャーナリストとコンサルタントを伴って、彼らは電波帯域とオフィススペースを求めて街を彷徨っている。こうした彼らの慎ましい有り様の一方で、投資家から十分な資金提供を受けたプロジェクトは、最初の12ヶ月で100万を越えるユーザを獲得するつもりだ。これは今のミャンマーのインターネット人口よりも多い。シリコンバレーで経験を積んだCEOのRita Nguyenは、ミャンマーでオンラインのスタートアップ企業が、ユーザから選好されることは非常に容易だと言う。
「取組むべき問題は山ほどあります。いつも資金調達は、もっとも難しい仕事のひとつです。問題がなかったとは言いませんが、ミャンマーは私達にとって信じられないくらい投資資金を集めやすい場所でした」。
これから新しいユーザ・インターフェイスへ注力し、今まで無かったチャットやグループ機能を実装する。
Ritaが言うには、「(ミャンマー語のソーシャル・ネットワークは)これまでのオンラインには存在しませんでした。これからユーザを見つけ、新しいユーザと出会うことになります」。
彼女は「私達のユーザはみんな、Facebookのアカウントを持って欲しいです」とまで語った。この主張の根拠は、"Squar"が新しいネット・ユーザにとって、これから増加するであろうアクセス先へ、最初の足場を提供すること念頭に置いているからだ。
「これまでとは違った挑戦になるでしょう。外国人はオンラインの友人をネットワーク上に持っているし、実生活で会ってるいる人を見つけることも簡単です。でも、ここでは違います」。

ブームの最中で
ミャンマーのネット接続は、二つの外資系携帯電話事業者が事業権を落札したことで、飛躍的に上昇することが予想されている。政府の設定した目標は、2015年までにカヴァーエリアを現在のわずか1.5%から、80%まで引き上げる野心的なものだ。ターゲットとして、ミャンマーのオンライン消費者がどう反応するかは誰も予想できない。仮に選考段階で入札に参加した会社の市場への信認を基準とするならば、見通しは明るい。
初期のミャンマーのソーシャルメディアに対する報道は、「969運動」(訳注:仏教徒による反イスラムの運動)の排他的な民族運動や、オンラインでテロ・グループと目された団体で占められていた。ヘイト・スピーチを通して大きくなる負の側面への懸念もさることながら、ミャンマーのソーシャルメディアには違った面もある。ミャンマーの若いネチズンによるエネルギーに満ちた市場は、うんざりするような政治的な領域には背を向け、以前は手が届かなかった消費文化のきらびやかさに魅了されている。
「今年の3月に出来た最も知られた『969』のサイトと、一ヶ月後に出来た(ミャンマーの)セレブリティやタトゥーのサイトを比べてみれば、後者のサイトが2倍の数の『いいね!』を集めている」、ANUカレッジ・オブ・アジア・アンド・パシフィックの博士号取得候補者のDavid Gilbertは指摘する。「はっきりしているのは、ミャンマーの人々がマスレベルでオンラインに魅了されるのは、最新の映画、音楽そしてセレブのゴシップだ」。
GDPが1,000USD以下(訳注:マッキンゼーのレポートでは1300USD)で、インターネットの普及率は北朝鮮と並ぶ程わずかなこの国で、オンライン販売のブームを予測することは難しい。そもそも、eコマースの選択肢が存在しない以前に、それは一般にソーシャル・メディアの消費文化と共に形成される。しかしながら、最近の傾向は、生まれたばかりの電子コミュニティに対して、消費者の態度と規制の緩和が取りざたされる中で、コミュニケーション方法の改善に大きな潜在的な利益を認め、投資家はリスクを取ろうとしていることを示している。
「大変な時もあります」Ritaは言う。「私達はネットへ接続すること、それ自体が正しいという哲学で、この市場に参入しました。私達は、とにかく自分達で取り組むことが出来る問題に集中します。それ以外の部分については、解決されるのを望むだけです」。

ここまでで、2ページ半。
あと4ページほど記事がありますが、長いので今日はこの辺にしときます。

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