2017年5月31日水曜日

謎の新進ブランドVinya Coutureの躍進が目覚ましい

近年、ミャンマーにもいろんなローカル・ブランドが立ち上がってきてますが、最近になって、急速にメジャーになりつつあるブランドを見つけました。
Vinya Coutureという、もともと縫製工だったミャンマー人女性によって創立された、エシカルかつソーシャルな企業理念を強く打ち出したブランドです。 以前からこうした理念やコンセプトを謳ったビジネスはあったものの、ほぼミャンマー在住の外国人が運営するNPO・NGOが母体となって設立されていました。
 
ブランドの理念や設立の動機については、FBページに記載されている以下の説明をご覧ください。

Pyone Thet Thet Kyaw is the founder of Virya Couture, a social/ethical clothing business based in Yangon. Her passion for ethical fashion originated from her personal experience of being a garment worker herself when she was younger. She witnessed exploitation in the industry and since then she has been determined that she would one day establish a socially minded clothing brand, which is now called Virya Couture. 

At Virya, we are committed to empowering young women from disadvantage backgrounds with free trainings, skills and knowledge for being good designers and tailors, treating the workers fairly, paying decent salary and providing with safe working conditions. We also source the fabrics from socially minded businesses and directly from the weavers wherever possible. 

We are grateful to all our customers for supporting our cause! Please continue to help with spreading the words! 
上記の説明には、創業者のPyone Thet Thet Kyawさん自身が元縫製工で、縫製業界で労働者の搾取に直面した経験から、厳しい環境で働いている縫製工の若い女性たちに、教育やトレーニングを施し、正当 な賃金を支払い、安全な労働環境を提供し、働く女性の地位を向上を目的としていることが、企業理念として語られています。

「謎」とタイトルに入れたのは、こうしたソーシャルでエシカルなコンセプトを取り入れた、生粋のミャンマー人の経営によるローカル・ブランドを見たのが初めてだったからです。

ブランドのFBページを見ていただけると分かりますが、 マーケティングが非常に巧みです。
「I made your clothes」のパネルと共に、 従業員の顔写真とバックグラウンドを記載した文章が投稿されていて、こうしたローカル・ビジネスにとって重要な要素である、親密感や共感が生まれる工夫をしています。
また、いままでの顧客がオーダーメイドしたドレスの着用写真を掲載して、これからの潜在顧客へ製作例をアピールしています。

私も地場のドレスメーカーにこの種のマーケティングをしたらどうかと提案したことが何度かありますが、経営レベルや従業員レベルの問題で、実行が難しいとのことでした。
まず、FBページを作成する最低限のITの知識がない。次に、英文による情報発信ができない。そして、このブランドが実施しているようなマーケティングの方法論を知らない、という三つの問題があります。

今まで、こうした問題をクリアできたのは、概ねミャンマー在住の外国人か、海外で教育を受けた、もしくは海外生活が長かったミャンマー人だけでした。
率直に言って、現状のミャンマー国内の大卒レベルでは、こうしたマーケティングの立案・実施は難しく、若いミャンマー人で、このようなアイデアの元ネタを知っているのは、海外の大学を出た富裕層の子女です。

ただし、富裕層の子女は、帰国後にファミリー・ビジネスを引き継ぐケースが多いため、ミャンマーのソーシャル・ビジネスの大部分が、ミャンマー在住の外国人の運営によるNPO・NGOを母体として営まれていました。

このVinya Coutureの場合、創業者が元縫製工だったということを考えると、海外の大学に行けるほどの経済的な余裕はないはずです。
にも関わらず、非常に的確なマーケティングを実行して、設立半年で急速に市場を伸ばしています。FBページに記載されている英文も明晰で分かりやすい。
ミャンマー国内に留まっていた彼女が、どこでこうした知識、スキル、方法論を身につけたのか気になります。もしかしたら、有能なブレーンが付いているのでしょうか。しかし、そうした人物は、FBページ上に姿を現していません。
謎が深まります。

そして、創立時期が去年で、私のブランドとほぼ同じなのに、FBページの「いいね」の数が十倍以上こちらの方が多いのには、同業者として考えさせられます。
方法論の問題なのか、創業者のカリスマ性の問題なのか、あるいはその両方なのか。
この投稿をお読みになった方は、今回紹介したVinya Coutureに「いいね」を押すと共に、わたしのブランドYANGON CALLINGにも「いいね」してくださると嬉しいです(笑)。

ミャンマーもいろんなブランドが立ち上がってきて、
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