2018年4月1日日曜日

Yangon Green Funiture〜ミャンマー最強のデザイナーズ家具

いまミャンマーで一番お洒落な家具を作っているのは、niccoYangon Green Funitureの二つのメーカーです。
6年前にミャンマーに住み始めた頃に苦労したのが、気の利いた家具店がほとんどなかったことです。とにかく、デカくて、重くて、使いにくいの三拍子が揃った家具ばかりで、機能的で、場所を取らず、さらにデザインが洗練された家具となると皆無に近かったです。
その頃に比べれれば、ミャンマーに住む外国人の数もずいぶん増えたこともあり、ヤンゴンにも外国人の感性や嗜好に合う、機能性とデザイン性を備えた家具を作るメーカーも現れてきています。冒頭にあげた、二つのメーカーはその代表です。
今まで、Facebook Pageでしか商品を見たことがなかったのですが、今回、初めてYangon Green Furnitureの実店舗に行ってきました。

入口。お店は、カバエイパゴダの近所です。


中に入ると、工房があり、製作現場が見れます。

工房のある中庭を通り過ぎると、家屋をリノベーションしたショールームがあります。

このメーカーの特徴は、新品だけどアンティーク感のある家具を作っているところです。
素材は、廃材を利用していて、自然なエイジング感による味わいが美しい。日本で言うところの侘び寂び感があります。
デザイナー兼オーナーは、アメリカやヨーロッパ各地に住んだ後、ミャンマーに帰国したミャンマー人女性です。オーナーのお姉さんは、日本からミャンマーに帰国した人で、この方が日本語で説明してくれました。

色使いはカラフルだけど、シックで落ち着いた色調でまとめています。
原色をこれでもかと使いまくる、ミャンマー的な美意識とは一線を画しています。

案内してくれたオーナーのお姉さんが、飲みませんか?と聞いてきましたが、ただ単に見に来ただけで、買う気はまったくないので遠慮しときました(笑)。

初めて見た、ミャンマー製のイケてるソファ。コンランショップとか中目黒のデザイナーズ家具店で買えば30万円近くするグレードです。値段を聞いたら850USDでした。
おおよその価格帯は、無印やイケアの2倍、 コンランショップやカッシーナの三分の一といったところです。一枚板を使うなど、素材のクオリティが高いので、家具好きにとってはコスパの良さを感じさせます。


このチェスト欲しいなぁと思いました。今、こういう家具を使う住環境でないので、無理ですけど。


イームズ・チェアもありました。イームズ・チェアの前の一枚板のテーブルは、たしか450USDでした。

庭にオブジェとしてヴィンテージ・バイクを置いています。

廃材を効果的に使ったガーデン・テーブル。
廃材は、古い建物を壊す時などに、現場から買い付けるそうです。質の良い廃材が入手できるように、いつも情報を収集しているとのことでした。

客層は、欧米人80%、アジア人20%くらいの割合で、100%外国人でした。聞いてみたら、ミャンマー人の顧客は非常に少ないとのこと。
この種の美意識は、まだミャンマーでは一般的ではないので、うなずけます。

「ミャンマーのジレンマ」と私が勝手に呼んでいる法則があります(本当は、さっき名付けた)。
外国人がミャンマーに来て(もしくは海外から帰国したミャンマー人が)、「こんな素材・文化があるなら、これをああして、こうすれば、もっと恰好よいもの(もしくは、可愛いもの、美味しいもの、お洒落なもの等々)が出来る!」と思っていざそれを始めてみると、ミャンマー国内にそうした商品やサービスを評価して、お金を出す消費層が非常に薄いという事実に行き当るという法則です。
現在、複数のプレイヤーが、この「ミャンマーのジレンマ」を越えるべく奮闘していますが、ここもその一つに数えられるでしょう。
なかなか高い壁で、過去五年間、この壁へ挑戦した者はそれなりにいるものの、未だに越えた者はほとんどいないのではないかと思われます(少なくとも私は知りません)。
おそらく、誰かが明らかに越えたと万人に判断されるようなブレークスルーを成し遂げたら、どんどん後に続くプレイヤーが現れるのではないかと予想しています。
かつて、人類が100メータを10秒以内で走るのは不可能と信じられていた時代、長らく10秒の壁が破られることはありませんでした。しかし、一度10秒を切る記録が現れると、短期間に9秒台の最速記録が更新されていきます。これは、トレーニング方法の進化と共に、「人類が100メータを10秒以内で走るのは不可能」という心理的な足枷が外れた要因も大きいと考えられています。
「ミャンマーのジレンマ」を越えるためのソリューションは、まだ見つかっていませんが、こうした世界標準で通用する物作りをしているメーカーがあることは、ミャンマーにもまだ可能性が残っているのではないかと感じさせます。

(追記:2018年4月2日 後で、Rangoon Tea Houseが、今のところ「ミャンマーのジレンマ」を克服した唯一の例ではないかと思いました。しかし、なかなか後に続くプレイヤーが出てきていません)

Yangon Green Furniture
Open: Mon, Wed, Fri, Sat 1-5pm
No.29G, Yezet Street, Mayagone Township, Yangon, Myanmar


「ミャンマーのジレンマ」へ挑戦している
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