2019年9月21日土曜日

ヤンゴンで、福岡の野外音楽フェスについて考えた

今回の日本への一時帰国中に、福岡県のビーチ、芥屋海岸で開催された野外音楽フェス、サンセットライブに行ってきました。日本に帰国するのは、約2年振りで、サンセットライブに行ったのは15年振りくらいです。
行ってみて、いろいろと考えるところがあったので、今回はそれについて記します。
今回の帰国時は、イベントの開催日とタイミングが合ったため、サンセットライブに行くことを思いつきました。ミャンマーの雨期の湿度と連日の雨にうんざりしていたので、晩夏の乾燥した気候のビーチでくつろぎたかったのが主な理由です。
会場の芥屋海岸は、福岡市中心から車で一時間くらいの福岡県と佐賀県の県境にあるビーチです。街の中心部からアクセスが良く、関東の湘南なんかに比べれば、砂浜も海も圧倒的に美しい場所です。

まず、Webで前売りを購入する時に、日本語のサイトしかないことに驚きました。これだと、日本語が読めないとチケットも買えないし、会場へのアクセス方法もわかりません。
例えば、タイのパタヤ郊外で開催されている野外音楽フェスのWonderfruitは、サイトもFacebook Pageもすべて英語表記です(タイ語表記はなし)。
サイトで確認すると、サンセットライブは今年が27回目で、1990年が初開催です。Wonderfruitは、2014年が初開催で、2019年の12月開催が6回目となります。両者とも、イベント全日の総動員数から推測すると、一日あたりの動員数が約5,000人程度で[2019年のサンセットライブの開催日数は2日(9月7日ー8日)。Wonderfruitは4日(12月12日ー16日)]、イベントの規模はおそらく同じくらいか、開催日数が多い分、Wonderfruitの方がやや大規模です。Wonderfruitに行ったことがないので、かなり憶測が入りますが。

私が行ったのは、イベント最終日の9月8日でした。
会場に着くと、観客の99%が日本人です。別に日本だから当たり前だろうと言われればそれまでですが、ミャンマーやタイといった、有料の野外音楽イベントなどが外国人客がいないと興行的に成立しない、東南アジア諸国で普段過ごしている身からすると、不思議な気がします。もちろん自国民だけでやっていける経済圏で生きていけるのは、幸せなことではありますが。

前述したとおり、観客はほぼ日本人ばかりなのですが、客層はけっこう多様で、家族連れのサラリーマン一家から、タトゥーばりばりの兄ちゃん、女性はOL風からギャルまで様々です。
フードコーナーのテーブルで、カレー食べながらビール飲んでると、隣の席のギャルぽい20代後半と思しき女性が、相当アルコール入っていて(私も、相当入ってましたが)出来上がっているようで、大声で話すので、話が聞くともなしに聞こえてきます。
久しぶりに聞く、バリバリの博多弁です。
女A「いろんな人がいるっちゃねぇ」
女B「タトゥー入れた人がすごい多いちゃね。Aちゃんは、どげん男の人が好きなん?」
女A「うーん、ちょっと悪そうで、でもオシャレな男の人」
女B「あの人とか?(フードコーナーの屋台に並んでいる男性を指さす)」
女A「あれは、タトゥー入れすぎやね。もうちょっと少なかったら、アリやけど」
この後、延々、それぞれの男の好みの話が続いていましたが、こちらも相当に酔っぱらっていたので、覚えていません。

なんとなくわかってきたのは、地元志向のマイルドヤンキー層のお客さんが多いことです。15年くらい前は、このイベントで演奏されていた音楽ジャンルは、レゲエやスカが多く、その種の音楽はUKロック聴くリスナー層と被っているので、洋楽オタクぽい客もそれなりにいましたが、今は客層や雰囲気が昔とはかなり変わっているようです。
オラついた若い衆もけっこういて、イキって気勢を上げているのを見ると、私のような陰キャラがこの場にいていいもんだろうかと感じるときもありました。
会場で演奏されている音楽も、以前のようにレゲエとかスカとかのジャマイカ関連の音楽が特に多いわけではなく、むしろJ-POP寄りの出演者の方が多かったように感じました。

運営はしっかりしてるし、ビーチは綺麗だし、屋台で売っている食べ物も美味しいものがけっこうあるしで、それはそれで言うことはないんですが、もう少し人種的な多様性とか、音楽的な幅があっても良いかなとも感じました。
アクセスの良い都市郊外で、これだけ綺麗なビーチで開催される野外音楽フェスは、世界的にも多くないはずなので、もっと海外にアピールした方が良いのではと、大きなお世話ながら感じました。ビーチ系の野外フェスだと、スペインのイビサ島が有名ですが、アジアからだと遠すぎるし、渡航費や滞在費が高すぎて、富裕層でない限り、参加へのハードルが高そうです。東南アジアの富裕層にアピールすれば、それなりのポピュラリティが得られるポテンシャルがあるので、もったいない気がします。このままだと、サンセットライブよりも歴史の浅いタイのフェスWonderfruitに、世界的な知名度と集客力で、相当に水をあけられることが予想されます。
現福岡市長が、アメリカのシアトル訪問時に触発されて、アジアの玄関口としての世界都市を目指しているという事情もあるので(このフェスの会場は、隣の市の糸島市ですが)、福岡の都市と自然環境の近さや、文化的な成熟度を示すショーケースとしても最適ではないかと思います。
下記の著書を読むと、行政レベルでは、外国人起業家の誘致などにも積極的なようですし。


いや、これは地域のフェスだから、そんなことはどうでもいいんだ、地元民で盛り上がればいんだから、と言われれば、それはそれで一つの見識なので、返す言葉はありませんが。
だいたい福岡の人は地元愛が強いため、共同体外部の人から問題提起されると、内容の是非を問わず「ちょっと外にいたくらいで何偉そうにしとうとや」的なリアクションがありがちなので、こういうこと書くのもなかなか憚られます(たぶん福岡の人は、このブログ読んでないから大丈夫だろうけど)。
今回の一時帰国中に感じたのは、日本は安全で、システムが整備されていて居心地が良いけど(特に日本人にとっては)、多様性に関する許容度とか、共同体外部のメンバーにも開かれた風通しの良さなどが相変わらずの課題だなということでした。










































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