2015年7月16日木曜日

ミャンマーのファッションブランド

ミャンマーの婦人服は、注文服が主流です。
生地屋で気に入った布を買って、仕立て屋に持ち込んで自分の好きなデザインをオーダーするのが一般的です(仕立て屋が生地を扱っている場合もあります)。
かかる費用は、生地代と縫製代を合わせて、25,000MMK(約2500円)程度が一般的です。高級な生地になると価格も上がりますが、縫製代は15,000MMK(約1500円)程度が中心の価格帯です。


 ミャンマーの生地屋。カラフルな柄が主流です。
 
 ミャンマーの仕立て屋。小規模な工房がたくさん街中にあります。

ミャンマーの既製服ブランドで、認知度の高いものはまだないようです。
デザイナーも一般的に知られた人はいないようですが、現地の雑誌でMoe Homさんというデザイナーが紹介されているのを読んだことがあります。ニューヨークでファッションを学んだ後、現地でブランドを運営し、祖国の民主化をきっかけにミャンマーに戻り、ブランドを運営している方です。
今年の7月3日に青山で開催され、日本の首相とミャンマーの大統領も参列した「ミャンマーのクリエーションを通して同国の魅力を紹介」するイベントにも、Moe Homさんのショーが披露されたとニュースで伝えられています
伝統工芸的な意匠を、現代的なスタイルに取り込むのが彼女の持ち味のようです。
ギャラリーのTS1で、彼女のブランドの服が展示・販売されているのを見たことがあります。半袖のシャツが75USDくらいで、ミャンマーにしては高価だなと思った記憶があります。価格を落としたデフュージョンラインもあるようですが、売っているのを見たことがありません。自分で着れないレディースは、普段からあまりチェックしないので、リサーチが足りないのだけかもしれません。
ちなみにMoe Homさんの名前を知ってるかどうか、周りのミャンマー人女性に聞いてみましたが、誰も知りませんでした。もっとも。日本を代表するデザイナー川久保玲を、日本人がどれだけ知ってるかも心もとないので、必ずしも知名度とデザインのクリエイティビティやビジネスの規模がリンクしているとは限りませんが。

TS1で展示・販売されていたMoe Homさんの服

そんな発展途上のミャンマーの既製服市場ですが、先日、看板を見ておやっと思いました。


"Clothing For Modern Myanmar Women" 

そんな需要がミャンマーにあるのか?、Modern Myanmar Womenってどんなタイプの人なんだ?、そもそもどんな服が置いているのだろう?、という疑問がむくむく湧いてきて思わず入ってみました。


ブランド名は "Ci Ci" です。思ったよりモダンな服が置いています。
ワンピースが20,000~30,000MMK、Tシャツが15,000MMKと価格帯も手頃です。
ユニクロやGAPと同じ価格帯ですね。
デザインもプレーンで、合わせやすいモノが多いと感じました。
ミャンマーのご当地ブランドは珍しいので、お土産にも良いかもしれません。
縫製のレベルを確かめるため、商品を裏返したりして調べることができませんでした。 ミャンマーは店に入ると、常に店員が背後霊のようにピッタリくっついて来るので、買う気がないのに細かいところをチェックするのは難しいです。
ショップの場所は、サンチャウンのシティマートの裏手です。




今のところミャンマーには、ファッションやエンターテイメント等の消費の選択がライフスタイルを形作るような、都市型のライフスタイルを送っている消費層は存在しません。そうしたライフスタイルの前提となる、選択の幅のある多様な消費形態や、成熟した消費市場が存在しないからです。
これから外資系企業の進出が進み、オフィス・ワーカーの数が増えるとModern Myanmar Women層がミャンマーに生まれるのでしょうか。

そう言えば、先に日本の経済産業省がミャンマー政府に提言したレポート『ミャンマー産業発展ビジョン』もサブタイトルが "Next Frontier in Asia: Factory, Farm and Fashion" でした。頭文字をFで揃えたかったのもあるでしょうけど。
ミャンマーのファッション産業は、これからクオリティの向上や市場の発展が期待できる分野かもしれません。
先進国では人件費の問題から難しくなったオートクチュールも縫子さんの多いミャンマーでは可能です。
また、日本で新人デザイナーが自分の新規ブランドを立ち上げるのは、工場発注の最小ロットの大きいため難しいですが、ミャンマーでは小規模なテーラーがたくさんあるため少量生産にも対応できます。


 ミャンマーのテーラー。通りにひとつは必ずあります。

デザイナーがミャンマーで新規ブランドの立ち上げに挑戦するのも面白いビジネスモデルかもしれません。

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