2018年10月14日日曜日

ミャンマーの謎のファッション雑誌『POSH』について考えた

ミャンマーで発行されている季刊のファッション雑誌『POSH』には、いろいろと謎が多いです。
『POSH』は、ミャンマーで最も洗練されかつ尖ったファッション・グラビアを掲載している雑誌です。日本だと『GINZA』や『Nuero TOKYO』のようなハイファッションに焦点を当てたファッション雑誌にあたります。
コム・デ・ギャルソンのデザイナー川久保玲についての記事が掲載されたことがあるのは、ミャンマーではこの雑誌だけでしょう。
何でこんなハイファッションを扱った雑誌が、ミャンマーで発刊されていること自体が謎です。



昨日、最新号を書店で見つけました。


まず、この雑誌は置いている書店があまりありません。
以前は、ダウンタウンにあるヤンゴンで最大の書店Bookworm Booksで入手できましたが、最近は扱っていません。
新刊が出たと思しき時期に、ヤンゴンのあちこちの書店を探して回りますが、なかなか置いている店がありません。
今回は、レーダン・センターの中の書店で見つけました。
おそらく発行部数が少ないのではないかと推察します。
その割には、ファッション・グラビアにお金がかかっています。
広告もそんなに載っていないのに、どうやって雑誌を発行する経費を賄っているのかが見えません。



ミャンマーにもこんな服を作るようになったんだ、と思ってクレジットを見たらPRADAとMiu Miuでした。
通常、ファッション雑誌にブランドの服を掲載する時は、スタイリストがブランドのプレス(広報)を通じて服を借りて、モデルに着せて、撮影します。
PRADAもMiu Miuもミャンマーでは売ってないので、商品を借りるルートや窓口はないはずです。
まさかこの撮影のために一着20万円を越えるハイブランドのドレスを買うはずもないし、どうやって撮影する服を調達しているかが分かりません。




最新号では、ミラノでロケしたグラビアページが載っています。その経費はどこから出てくるのでしょう?
繰り返しますが、発行部数も少なそうだし、しかも広告収入もそんなになさそうなのに。



毎回エスニシティを強調したグラビアの特集があります。今回は、京劇がテーマとなっています。
他の雑誌を見る限り、ミャンマーのアートディレクターはレベルが高いとは言えないのですが、この雑誌だけクリエーションのレベルが飛び抜けているのは何故でしょう?


ミャンマーの民族衣装とイッセイミヤケ風のデザインをミックスしたと思われる特集。
80年代に『VOGUE』で発表された、ファッション写真の大家アーヴィン・ペンとイッセイミヤケのコラボレーションを彷彿とさせます。
毎回、引用している元ネタからも、かなりファッション史に詳しい人物が関わっていると思えますが、私はそういう人にはミャンマーで会ったことがありません。
どういう人物が、何の目的で、この雑誌を作っているのでしょう?




カックー遺跡をロケ地に選んだグラビア・ページ。
毎号、テーマ毎の特集が、五つくらい掲載されていますが、通常のファッション雑誌だと、制作費がかかるので雑誌独自の企画はたいてい一つです(ブランド側が広告主となって特集ページを作る場合を除く)。
デザイナー、スタイリスト、カメラマンのチームをそれぞれ特集毎に用意する、そうとう贅沢な作りになっています。これを3,000チャットで販売して元が取れるとは思えません。
季刊とはいえ、採算性のない雑誌を約二年間に渡って発行し続けている理由は何でしょう?



これは、前号のページですが、なんでメンズになるとこんなにいきなりレベルが落ちるのでしょう?
何か、メンズのページだけ別の目的で作っているようにさえ思えます。

そんなわけで、いろいろと謎の多い雑誌の『POSH』です。
もし、この雑誌の発行者や制作背景についての情報をお持ちの方いれば、お知らせください。

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