2018年10月19日金曜日

ミャンマーでポストカードを印刷したらもの凄く疲れた

販促用のポストカードのデータをAdobe Illustratorを使って作成しました。
表がカラーで、裏がモノクロの両面印刷のポストカードです。
リーズナブルで、質がそこそこ高いプリント屋をヤンゴン市内で探しましたが、どこも横並びでほぼ同じ価格のようです。だいたい日本の1.5倍くらいの値段で、正直割高感があります。
ならば近所で一番繁盛している店なら安心だろうと、データを持ち込みました。
結果として、もの凄く疲れました。
ミャンマーの仕事の大雑把さを改めて思い知らされました。



持ち込んだのは、上のような折りトンボ(印刷位置のガイド)付きのAdobe Illustrator(ai)データです。原稿サイズはポストカードサイズ。

データを渡してプリント屋のオペレーターの女の子の作業手順を見ると以下のようでした。

1) Adobe IllustratorのデータをAdobe Photoshopのファイルにコピペ
2) コピペ先のPhotoshopのファイルはA4サイズ。ポストカードサイズの画像をA4サイズのファイル上に、一段目は横向きに一つ、二段目は縦向けに二つの計三つを並べる。
3) 2)の手順で作ったPhotoshopデータをPDF形式に変換して、A4サイズの印刷データとする。
4) 上記のPDFファイルのデータは、上述したように一段目は横向きに一つ、二段目は縦向けに二つの計三つの画像があり、A4サイズに印刷された3つの画像を厚紙から手作業で切り抜き

ここでどういう問題が起きたかというと、
1)の作業途中でミスって画像を鏡面反転させる。
2) で、ポストカードサイズの画像をA4サイズに配置する時に、きちんと折りトンボ(印刷位置のガイド)をトレースして合わせないので、3つの画像のポストカード枠内の中の印刷位置がズレる。
また、両面印刷なので、そうした不正確な位置合わせだと、3種類のポストカードの画像・文字の両面の印刷位置がそれぞれ異なる。

DTPについての詳しい説明は省きますが、私の入稿データは、文字データ(ソフトウェア、OS、プリンター依存の描字形式)を全部アウトライン化(画像データ化) しているので、このようにPhotoshopでビットマップデータに変換する必要はありません。
たぶんミャンマーでは、文字データをアウトライン化することが知られていないか、一般的ではないのでしょう。
そのままIllustratorからPDF化しても問題ないと言いたかったですが、作業している女の子がDTPの理屈を理解しているようには見えなかったので、言っても混乱するだけだと思い改善提案は断念。
A4サイズに、画像をコピペして、3つポストカード・サイズを配置するのは、プリント屋にポストカードの用紙がないからでしょう。


鏡面反転のミスは、下のプリントです。
データ作った後に、印刷テストをさせて良かった。
こちらがチェックして、気がつかなかったらこのデータを大量印刷して、後で揉めたはずです。
試し刷りでミスったこのカードにも、その時点で課金しようとしたので、軽くキレました。
訂正させようとすると、一番上のフォントだけ反転させたりします。
違うだろ。このデータ全部が反転してるだろ、人物の向きが逆になっているだろ、と指摘しながら、ああこれはまともに話が通じる相手ではないなとわかる。
ミャンマーあるあるです。
 
とにかく作業が雑で、後ろから見てるとイライラします。きちんと印刷表示されるように折りトンボ(印刷位置のガイド)付けているのに、ガイドラインを付けてきちんと並べない。
時間を掛けて作り込んだデータを、こんな風に粗雑に扱われるのは非常にストレスが堪ります。
いくら周到に事前準備しても、最終工程や実作業がいい加減で、出来上がりの完成度が低くなるのも、ミャンマーあるあるです。

データ渡して、しばらく様子を見て、大丈夫そうなら、昼ご飯食べてから完成品を取りに来ようと考えていましたが、これは無理。

とにかく上の2)の印刷データ作成作業が雑なため、3回試しても3種類の画像データの印字位置が異なり、特にそのうち一つの表面は美観上許容できないほど上に寄っていました。

このオペレーターの子に、これ以上修正させるのは能力上無理だと判断し、とりあえずこのデータで印刷して、4)の切り抜き作業のとき、表面の画像が中央に来るように調整するように注文する。


その結果、裏面に切り抜き用のガイドの枠が残る結果となりましたが、表の写真が中央から大きくズレるよりは、こちらの方がマシなので、妥協しました。


私が指示を出している間にも、他の客が割り込んで来て、オペレーターがその客の名刺データ作りはじめて、何度もこちらの作業が中断しました。こちらとしては、先客である私の作業に集中して欲しかった。並行作業できるほど、能力高くないわけだし。
また、プリントの終わった客のおばさんが、狭い店内のカウンター上で、ホッチキス留めを時間をかけてやりはじめて、申し訳ないけど邪魔でした。それは家でやれば良くない?、と思いましたが、何かあの場所でせざるえない、特別な事情があったのでしょう。
ミャンマーあるあるです。

とりあえず、プリント屋には、ポストカード・サイズの用紙がないのがわかったので、次回ポストカードを作る時は、A4サイズにポストカード・サイズのデータを3つ並べたデータを作成すべきとわかったのが、今回の収穫です。

あと救いだったのは、リーダー格の女の子がしっかりしていて、こちらの要望を理解して、最終工程の切り抜きで、なんとか見れる完成品を作ってくれたことです。
だいたいどんなグループにも、一人だけはしっかりした子がいるのも、ミャンマーあるあるです。

いろいろと書きましたが、この店が近所で一番繁盛しているので、おそらく地域で一番信頼できる店だとミャンマー人には認識されているはずです。
私も以前同じ通りの他の店に行ったことがありますが、そのときはUSBスティックを編集作業中に引き抜かれました。
たぶん、ここが一番サンチャウン周辺では、しっかりしたプリント屋なのではないかと。

このお店の名誉のために書いておきますと、ネットで調べたら、今はaiファイルよりもPDFファイルで入稿するのが一般的だそうです。
2018年度版 イラストレーター(Illustrator)入稿のポイント 
勉強になりました。常に情報をアップデートしておかないと、持っている知識が陳腐化してしまいますね。
あのお店に感謝します。

ああそれから、いま指摘されて、ミススペルを二か所発見しました。
もう、印刷したのに。 本当に人には偉そうにできません。

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2 件のコメント:

  1. これはもう、もともとの民族性でしょう。
    製造業にしてもサービス業にしても
    付加価値の高い仕事には向いてないですね。

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    1. まあ、繊細さとか緻密さを期待するのは無理ですね。

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