2019年7月6日土曜日

バンコク・アート&カルチャー・センター2FのThailand Closetで商品取り扱いがはじまりました

私の運営しているブランドYANGON CALLINGの顧客は、七割が外国人(そのうち90%が欧米人、残り10%がASEAN)、二割がミャンマー人、一割が日本人という割合です。
ミャンマーに住む外国人が最大の顧客となっているわけですが、それなら隣国タイの首都バンコクの方が圧倒的に在住外国人が多く、マーケットが大きいため、ここ一年程バンコクでの販路をずっと探していました。ヤンゴンから地理的にも近く、渡航費も安いうえ、商品管理もしやすいので。
これまでタイのイベント・オーガナイザーなどに連絡を取ってきましたが、無視されたり、関心を持ってもらえず、あまり相手にされない状況が続いていました。
今回のタイでの滞在で、何とか置いてもらえるお店が見つかったので、ご紹介します。

お店は、バンコク・アート&カルチャー・センター(BACC)2Fにお店を構えるThailand Closetさんです。






ここは主にタイの独立系ブランドを扱うセレクトショップです。
なかなか他では見れないレアなタイブランドの服や雑貨を一望できる貴重なお店です。
オーナーのセレクションにより、東南アジア的なポップな色彩感覚と洗練されたデザインを兼ね備えた、選りすぐりの商品が展示されています。


オーナーの一人はアートなどのイベントにも関わる、中国系タイ人のKさん。
私がタイに行く一週間前にミャンマーに来ていたことをFacebook経由で偶然知って、こちらから連絡を取りました。

今回、置かせてもらえたのは、メンズロンジーの生地を使ったワンピースとメンズパンツ、メンズシャツです。
他ブランドでは、メンズの取り扱いをしていなかったため、置くことにしたのではないかと推測しています。
まずはバンコクでの認知度を高めたいので、お店にある他の商品の三分の一から二分の一の手に取りやすい価格設定にしています。レディースは1,300TBH、メンズは1,250TBHで販売しています。









立地もサイアムのMBKセンターの向かい、ナショナル・スタジアムの隣とアクセスのしやすい場所です。サイアムにお越しの際は、お店を覗いてみてはいかがでしょうか。見ているだけでも楽しいです。

Thailand Closet
バンコク・アート・アンド・カルチャー・センター[Bangko Art and Culture Centre)]2F


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2019年6月12日水曜日

ヤンゴンのおしゃれな家具屋PICCOLOのショールームに行ってきた

6、7年前にヤンゴンに住みはじめた時に、難儀したのは家具選びです。
その頃は、気に入ったデザインの家具を売っている店がほとんどありませんでした。

ローカル家具屋が集まっているタムウェイ・エリアに行くと、売っているのは、一様に重くて、デカくて、使いにくい家具ばかりでした。たとえば、テーブルは高さが低過ぎて、腰を屈めないと使えない、椅子は背もたれが後ろに傾き過ぎていて、そっくり返らないと座れないような代物でした。日常的に使っていたら、腰を痛めそうです。しかも、一様に黄土色のニスが塗られていて、他国の一般的な感覚では、美しいとは言い難い。素材は、質の高いチーク材を使っているのにもったいないなと思いました。
その時は、この国で自分の美意識や価値観を反映させたインテリアを作るのは難しいことを思い知りました。
そんな状況も、ここ数年でずいぶん変わりました。
ヤンゴンにも、PICCOLO、Yangon Green Furniture、NICCOといった、現代的なライフスタイルや嗜好に沿った家具屋が登場しています。
おそらく、いずれのブランドも創業されたのは3年くらい前です。
海外からミャンマーへの移住者や国外から帰国するミャンマー人が増え、そうした人たちの嗜好に応える家具ブランドとして、彼らは認知されています。

今回、はじめてPICOLLOのショールームに行ってきたので、ご紹介します。
Makers Marketなどのイベントで、時々、商品は見かけていましたが、ショールームが存在していたのは知りませんでした。
ここはイタリア人の夫婦によって、運営されています。
2か月前に現在の場所に、ショールームを移転したということです。
ここの家具は、シンプルで機能的なデザインとイタリア的なポップな色使いに特色があります。
ミャンマーには珍しく、コンパクトなサイズの家具も揃えているので、日本人向けでもあります。


ミャンマーでは珍しい、二人掛けのコンパクトなソファ

アームチェアもミャンマーの一般的な椅子のように、背もたれが不自然に後ろに反っていません



小さめの家具が充実しているのが、ここの特徴です

下記のオンラインショップで、商品の詳細は見れます。
PICCOLO design

Facebookページは、こちら

ショールームは、ちょっと分かりにくい裏道にあります。
行く前に、地図でよく確認しておいた良いかもしれません。私は迷いました。

個人宅での利用以外にも、レストランやカフェのデザインも手がけているということですので、お店やオフィスをこれから作る人は、トータル・デザインを依頼できると思います。

74, 2nd street, 11th ward, Yarza Thingyen, South Okkalapa T/S,Yangon
Tel: 09 265 444 066



ミャンマーのおしゃれな家具
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2019年6月5日水曜日

The Makers Market #6の売り上げが予想外に厳しかった

先週の日曜日に第六回目のローカル物産展のThe Makers Marketに出店しました。
雨期に入ってから、はじめてのThe Makers Marketです。
このイベントは、昨年の12月から月一回のペースで屋外のKaraweik Gardenで開催されています。
雨期入りする6月になればさすがに屋内の会場を借りるだろうと予想していましたが、何事もなかったように、いつも通りのKraweik Gardenが会場でした。
天候次第では、暴風雨で商品にダメージを受けるリスクがありましたが、毎回参加しているのと、ここ最近は、このイベントでの売り上げがライフラインとなっているので、リスクを覚悟して出店しました。

商品を展示した私のテント

主催者からは、雨対策しているから大丈夫とメールには書いてましたが、いざ会場に着くと、乾期の時と同じように屋根付きのテントを置いているだけでした。違いは飲食スペースにもテントを置いていたことだけです。
テントを透明なビニール・シートで囲んで、壁を作り、横殴りの雨が入ってこないように対策しているかなと5%くらい期待していましたが、そこは安定のミャンマー、何も考えていない。
幸い開催時間中には雨は降りませんでしたが、準備中の時は小雨で、隣り合わせのテントの境目から、屋根を伝って雨が内側に入ってきて、これでは商品を展示できないなと考えていました。
やはり雨で商品を損なわれるのを懸念してか、常連のCharlotte Barjouやlillaといったフランス人オーナーのファッション・ブランドは、今回は不参加でした。 






雨期に開催された野外イベントということもあってか、来場者もいつもより少なめでした。営業時間中は雨は降らなかったものの、午前中と午後の早い時間には、けっこう降っていたので、客足が遠のいたのではないでしょうか。
そして、今回ははじめての売り上げゼロという結果となりました。出店料、交通費もまかなえない、完全な赤字です。
うーん、厳しい。今は、このイベントでの売り上げがライフラインとなっているので。
雨期の期間中を乗り切るため、他の販路を考えないといけないです。

主催者には、雨期の間は屋内で開催して欲しいと伝えていますが、まだどうなるかは分かっていません、

これといった妙手はないので、とりあえずオンラインショップでの販売に力を入れようかと考えています。
ヤンゴン市内で無料でデリバリーしますので、気になる商品があればご注文ください。
試着してサイズが合わない場合は、返品可能です。

YANGON CALLING オンラインショップ:
https://www.ygncalling.com/shop

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2019年5月31日金曜日

ミャンマーでミッドセンチュリー風のワンピースを作ってみたら、歴史について思いを馳せてしまった

男性用ロンジー生地で、ミッドセンチュリーを代表するデザイナー アレキサンダー・ジラード風のテキスタイル・デザインを見つけたので、半年前くらいから、市場で見かけるたびにコツコツと買い集めていました。

アレキサンダー・ジラードは、イームズ夫妻やジョージ・ネルソンと並ぶ、ミッドセンチュリーのデザインを決定付けた、影響力と世評の高いデザイナーです。チャールズ・イームズとは、ハーマン・ミラー社で同僚でした。
ジラードの他の二者との違いは、テキスタイル・デザインに積極的に取り組んだこと、現代的・未来的なものだけではなく、フォークロア的なものにも目を向けたことがあげられます。



アレキサンダー・ジラードがハーマン・ミラー社のためにデザインしたテキスタイル


アートディテクションを手がけたブラニフ航空の機内用毛布

とりわけ評価が高いのは、1965年にブラニフ航空のリブランディングのためのアートディレクターを勤めた仕事です。彼はチケットのデザインから、空港の什器・家具、飛行機のカラーリングまで航空会社に関わるすべてを監修し、徹底したコーポレート・アイデンティティを創りあげました。
家具はイームズ、乗組員の制服はエミリオ・ブッチが採用されました。






この未来感は、スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』と相通じるものがあります。調べてみたら『2001年宇宙の旅』は、1968年初公開なので、ブラニフ航空の方が3年早いです。1960年代中頃にこうした先鋭的なCIが実現していたのは、今となっては驚くべきことです。



ジラードやキューブリック(そしてイームズやネルソン)らの1960年代のデザインに見られる未来感(映画『2001年』は製作当時からすると未来が舞台でしたが)は、この時代の彼らにあるべき、あるいは期待されるべき未来像が確固として存在したからではないからではないでしょうか。
1970年代に入ると、環境問題や資源の枯渇等が前景化して、こうしたピカピカで希望に充ちた未来像は思い描きにくくなります。

70年代に科学技術による副作用が認知された後、長らくの間、酸性雨の降りしきる中で、都市に蝟集する人びとが陰気な顔で、ハイテクなガジェットを操作している(あるいは、うどんを啜っている)『ブレード・ランナー』的な未来像の方がリアリティを持ちえていました。

ただし、最近になって潮目が変わりつつあるのを感じます。
今年の5月15日に開業した、JFK空港に併設する話題のホテル TWAのデザインには、過去のブラニフ航空や『2001年』を参照していることが伺えます。







このホテルのデザインを見ると、かつて構想された、あるべき「輝かしい未来像」を丹念にトレースしているような印象を持ちます。
考えてみれば、人類の歴史は、過去の事績を足がかりにして、新たな価値を創造してきた、過去と未来を繋ぐ過程と言えるので、彼らが 1960年代に構想された「輝かしい未来像」を参照点にしたのは、自然なことかもしれません。

 たとえば、孔子は自分の同時代から500年遡る古代王朝 周の徳治をロールモデルとして、自らの思想体系を構築しました。

内田樹先生のブログに投稿した『時間感覚と知性』を以下に引用します。
仁者も預言者も、創造の現場には立ち会っていない。彼らは自らを「起源に遅れたもの」「世界の創造に遅れたもの」と措定する。そして、祖述者・預言者とし ておのれに先んじて存在した「かつて一度も現実になったことのない過去」を遡及的に基礎づけようとしたのである。白川静はこう書いている。
「孔子においては、作るという意識、創作者という意識はなかったのかも知れない。しかし創造という意識がはたらくとき、そこにはかえって真の創造がないと いう、逆説的な見方もありうる。(・・・)伝統は追体験によって個に内在するものとなるとき、はじめて伝統となる。そしてそれは、個のはたらきによって人 格化され、具体化され、『述べ』られる。述べられるものは、すでに創造なのである。しかし自らを創作者としなかった孔子は、すべてこれを周公に帰した。周 公は孔子自身によって作られた、その理想像である。」(『孔子伝』)
孔子における周公は預言者における「造物主」と構造的には同じものである。重要なのは「私は遅れて世界に到着した」という名乗りを通じて「遅れ」という概念を人々のうちに刻み付け、それを内面化させることだったからである。
14世紀のヨーロッパで興ったルネッサンスは、ヨーロッパ文化の起源として、ギリシヤ・ヘレニズム文明を掲げていましたが、こうした文明の成果は、中世のカソリック教会の価値観が支配する中で、ほぼロスト・テクノロジーと化していました。
ユークリッド幾何学、ヒポクラテスの医学、アリストテレスの哲学などギリシア・ヘレニズム文明が、再びヨーロッパにもたらされたのは、11世紀の十字軍のイスラム文化国家への遠征(正確を期して書くとほぼ略奪)により、アラビア語に翻訳されていたギリシア・ヘレニズム時代の文献が流入した結果です。

いずれも、想像上の過去の理想郷を起点に、新たな思想や文化の体系を立ち上げたことが共通しています。

TWAの1960年代の先取りされた理想の未来像を引用しながら現在に召還する、過去に構想された輝かしい未来を現実化する、「遅れてきた未来」を現在に立ち上げるという作業は、歴史の経緯を眺めてみると、極めて人間的な行為に思えてきます。

長らく現実感に乏しかった、1960年代中頃に構想された、明るく、輝かしい未来像が、今になって召還されているのはなぜでしょう。
個人的には、インターネットから派生した技術や事業によって、楽観的な未来を思い描くことが可能になったからではないかと推測しています。
自動運転が普及して、ネットで車をシェアリングできれば、車を所有する必要がなく、その分、浮いたお金を余暇や趣味に費やせる。定型的な(でも、面倒な)作業は、クラウドのシステムに任せて、コアな業務に集中できる(会計業務とか、すでにそうなってますね)。AIの発達によって、人間にとって魅力的ではない、単純作業から解放されて、そうした分野の人手不足も解消する。ブロックチェーン技術の普及により、属人性や個性を反映した商取引が可能になる(地獄の沙汰も金次第という時代が終わる)。
他にもたくさんあるでしょうが、先端技術が人間を幸せにする存在として信じられる時代が、再び巡ってきた感があります。もちろん、いつの時代もあったように、新しい技術の副作用もあるでしょうけど。

話がずいぶん逸れました。アレキサンダー・ジラード風の生地を見つけたので、それで作ったワンピースを紹介するつもりだったんですが。
ただ、半年前から、ジラード風の生地をヤンゴンの市場でコツコツ集めていたのは、こうした時代の気分と共振していたからかもしれません。 

今回は初回なので、ジラードがキーカラーとしてよく使っていたオレンジ色を基調とした生地を使いました。




未来感を出すために、コクーン形のシルエットになるデザインを採用しています。
価格・サイズなどの詳しい情報は、YANGON CALLINGのサイトでご覧になれます。
https://www.ygncalling.com/shop

明るい未来が信じられる時代が
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2019年5月27日月曜日

【6月2日(日)】ローカル物産展 The Makers Market #6に出店します

次の日曜日に、ミャンマーのローカル物産展のThe Makers Market #6に出店します。
開催日時は、6月52(日)の16:00~21:00です。


このイベントは、回を重ねるごとに参加するベンダーの質も上がっています。来場者数も開催する度に増えています。

前回のイベント時の写真を以下に掲載します。


これは、YANGON CALLINGとして参加した私のテント。




最初の頃は、暗くなるとぱったり人がいなくなってましたが、今では遅い時間まで飲食を楽しむお客さんが増えました。


だんだん、飲食店の比重と存在感が増えてきたのが、最近の傾向です。
前回参加したときは、ローカル工芸品を販売している知り合いの業者が、みんな飲食に来ていて、物販の売り上げが少ないとぼやいていました。参加する業者もレベルが上がってきて、お客さんが商品に求めるクオリティも上がってきたのも、一因かと思います。

このイベントでは、現在のライフスタイルにフィットするよう、デザインの現代性や品質を考慮した物産や工芸品を製造・販売するミャンマーの業者が、主催者の選考を経て参加しています。
一定のクオリティを保証されたローカル・メイドの商品が揃っているという点で、今のところミャンマーで唯一のイベントです。
仕事柄、他のイベントにも見学がてら行っていますが、他のイベントで販売されている商品クオリティは、Makers Marketに比べるとかなり低いです。というか、他の多くのイベントでは、中国製の塩化ビニールのバックとか、出自不明のタイの衣料品とかを売る業者が出店していて、そもそもミャンマーで作られたモノが少ない。
なので、ローカルの衣類や工芸品などにご興味のある方にはご来場をお勧めします。

これから雨期に入るので、当日の天候が心配ですが、主催者側はターフを準備して、雨対策すると言っています。

開催場所はいつもと同じKaraweik Gardenです(公園内のKaraweik Palaceの手前)。 
会場の公園に入場する際に、300MMKを入口で徴収されます。


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