2019年12月29日日曜日

【YANGON CALLING】2019年の売り上げの傾向と2020年の方向性について考えた

年の瀬が押し迫ってますが、この時期のミャンマーには年末年始感はありません。
ミャンマーの新年は4月の水祭りの時期なので、年末年始感があるのは4月の中旬です。

そうはいっても年度が変わるので、2019年の売り上げの傾向とそこから導き出される2020年度の方向性について考えてみることにします。

YANGON CALLINGの商品で、2019年に一番売れたのは、ラカイン産のロンジー生地で作ったメンズのショートパンツでした。
一度購入したお客様から、同サイズでカラー違いの追加オーダーが入ったことが、4、5回ありました。
特に北欧系のヨーロッパ人からウケが良かったです。お土産用にまとめ買いした北欧人も何人かいました。






https://static.wixstatic.com/media/9c8c84_302da62bb1ec440d8bd1179d17c1c9ea~mv2.jpg/v1/fill/w_576,h_768,al_c,lg_1,q_85/9c8c84_302da62bb1ec440d8bd1179d17c1c9ea~mv2.webp

光沢感があり、カラフルなヴァリエーションカラーがある生地なので、リゾートウェア風に仕上がるのではないかと思ったのが製作のきっかけでした。
サンプルを自分で履いて耐久性などを試していますが、半年間ほど履き続けて、20回以上洗濯していますが、いまだにちゃんと使えます。このロンジー生地は厚手で丈夫なため、ボトムスに向いています。

ラカイン産のロンジー生地を他のミャンマーのローカル・ファッションブランドが素材として扱っているのは、今のところ見たことがありません。
商品の差別化やクオリティの向上を図るため、2020年は、ラカイン産のロンジー生地を使用した商品ラインアップを充実させる予定です。

いままでレディスの商品にもラカイン産のロンジー生地を使った商品が何点かありましたが、今後はもっとこの生地を使った商品を増やしていきます。



ラカイン産のロンジー生地を使用したドルマンスリーブのワンピース

そんなわけで2019年年末の現在、ラカイン産の生地を探して市場のロンジー生地屋を毎日巡っています。
この生地もリリース毎に微妙にテキスタイルデザインが変わるため、 気に入ったテキスタイルデザインの生地を見つけた時にまとめ買いしておかないと、後で入手できなくなることがしばしばあります。

来年からこの生地を使った商品を発表していくことになりますので、ご関心があれば下記のYANGON CALLINGのFacebookページとオンラインショップのサイトをチェックしてみてください。

YANGON CALLING Facebookページ
https://web.facebook.com/ygncalling/

YANGON CALLINGオンラインショップ
https://www.ygncalling.com/

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2019年12月24日火曜日

ダウンタウンにある老舗インド料理店に行ってみた

昨日布を探しにダウンタウンに行った時に、いつもランチしている37th Streetのミャンマー料理店 NAM KHAMがクリスマス休暇で休業中でした。



代わりに、以前から気になっていたダウンタウンのインド料理店に行ってみました。
マハバンドゥーラ通りにあるBHARATというレストランです。


このレストランを初めて知ったのは、2年くらい前で、その時ヤンゴンに住んでいたアメリカ人から、あそこがなかなか美味いという話をWin Starでビールを飲んでいた時に聞きました。


店先にLonely Planetの推薦プレートが貼っているので、外国人や観光客には有名なお店なのでしょう。
英語表記のメニューもありました。



私が行った時は、食事しているのはローカル客だけで、外国人はいませんでした。
インド料理店なので、やはりインド系ミャンマー人のお客さんが多い。



スプーンを使わず手だけでカレーを食べているところを見ると、なんだか本場ぽいものを感じます。
壁には、おそらく往年のインド人スターの写真が貼っています。こういうところにも歴史を感じます。


この時頼んだのは、ベジタブル・カレーのランチセット。
2500MMKで、4種類のカレーとライスがついています。
中には不思議な味のカレーもありました。おそらくパパイヤなどのフルーツがルーに入っていて、スパイスの辛さとフルーツの甘味が混ざり合って、あまり経験のしたことのないタイプの味覚でした。ただし、珍妙過ぎて、食べれないということはなかったです。
カレーとライスはお替り無料のようで、なくなったらウエイターが継ぎ足してくれます。
私はおなか一杯だったので、ライスの継ぎ足しは断りましたが。
チキンとかマトンとか肉の入ったカレーセットは4500MMKでした。
次回、肉入りのカレーも試してみたいと思います。


Googleで情報を見ると創業が1947年らしいので、老舗ですね。移り変わりの激しいヤンゴンで、70年以上も暖簾を守っているのは凄いことです。

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2019年12月14日土曜日

ミャンマーでは、善良であることと誠実であることは別の概念であることを考えた

ミャンマーに来た頃、最初に感じたのは、ここでは真面目であることと、勤勉であることは、別の概念だということです。
そもそも、勤勉であることが美徳と見なされているのは、儒教文化圏、あるいは仏教では大乗仏教が主流になっている東北アジアの国々、及び北ヨーロッパのプロテスタントが信仰されている国々で、上座部仏教やカソリックが信仰されている国では価値観が異なります。
上座部仏教が熱心に信仰されているミャンマーで最も尊敬されているのは、修行を重ねて解脱した僧侶です。解脱した僧侶は、労働も再生産(生殖)もしない、究極の無為の人です。
カソリックでは、労働は神から与えられた罰と考えられています。
一時期イタリアで暮らしていた村上春樹は、この時期に書かれた紀行文『遠い太鼓』の中で、イタリアの郵便局の職員がいかに怠惰かが縷々述べています。郵便局員がまともに働かないから、長蛇の列がいつまで経っても短くならない。たまに例外的に勤勉な職員がいて、てきぱきと事務処理をして、その時だけ一気に行列の人数が少なくなるが、そういう人物が特に評価されている風でもなく、「あいつは、ああいう風に働くが好きなんだろう」くらいの受け止め方しかされていないように見えると書いています。


作家兼実業家で「金儲けの神様」と呼ばれた邱永漢も、「仏像が寝ている国は、工業生産に向いていない」とどこかに書いていたように記憶していますが、これも上座部仏教が信仰されている国を指しているのでしょう。

最近、それとは別に、ミャンマーでは「善良さと誠実さは別の概念である」と気づかされる案件が発生したため、今回はそれについて書きます。

二か月ほど前に、縫製をお願いしているNGOの縫製部門のマネージャーAさんが辞職しました。彼女は20年ほどこのNGOに勤務していて、ベテランとして信頼され、スタッフから頼りにもされていました。私も複雑な縫製を頼むときに、彼女が作業手順などを縫製担当のスタッフに説明してくれたお陰でずいぶんと助けられました。
ふくよかでいつもニコニコしている、絵にかいたような善良そうなビルマ系の中年女性です。自分の子供も他人の子供も同じように可愛がるし、ペットとして飼ってる犬を大切にするところなどを見ると、彼女が心優しい善良な人物であることを疑うのは難しいです。
辞めるときは突然で、引継ぎや事前の連絡などはまったくありませんでしたが、それはミャンマーでは当たり前のことなので、特に驚くことではありません。

私のブランドのネームタグの製作も、彼女を通して業者に頼んでもらっていました。自分で管理していないと危ないな、とは時々感じていましたが、何となく今まで先延ばしにしていました。
彼女がいなくなった後、ネームタグを使い切ってなくなったとの連絡が、約一ヶ月前にNGOのスタッフからありました。
最後に注文したネームタグの数とそれ以降生産した商品の数を計算すると、足りなくなることはないはずです。計算が合わないので、前任者のAさんに聞いてみてもらえないかとNGOのスタッフの方にお願いしました。彼女が誤って持ち出したかもしれないと思ったからです。NGOのスタッフがAさんに訊ねたところ、自分は持っていないと答えたとのことでした。
釈然としないまま、作成してくれるところを探して、新たにネームタグを作りました。
この時は、前任者のAさんに今まで頼んでいた業者をNGOのスタッフの方に聞いてもらって、その店に行ったのですが、「前からここにお願いしていたはずなんだけど」と言っても全然話が通じず、結局Aさんから教えてもらった店では同じものが作成できないことが判明しました。プリント屋が密集しているエリアなので、近隣の店に聞いて回って、作れる店が無事見つかったので、事なきを得ました。
自分に利益が生じないことを聞かれると、面倒がって、確度の低い、その場しのぎの回答をするという対応もミャンマーではよくあることなので、この時も特に何とも思いませんでした。

AさんとはNGOとの仕事を通して3年間程度の付き合いがあり、相手がこちらのやり方を知っていて、意思疎通がしやすいため、縫製の仕事を外注できないかと考え、コンタクトは継続しています。
現在、新商品のサンプルの作成を彼女に依頼中で、一昨日受け取る約束をしていましたが、当日の約束時間の一時間前になってキャンセルの連絡が入りました。キャンセルの連絡があるだけこの時はましな方で、今まで約束の時間に家に行っても留守だったことが3回ほどありました。
こちらも相手を完全に信用しているわけでもないので、サンプルの作成を頼んでいるのは相手にとってコピーする意味のないメンズの新商品です。裁断、縫製を依頼する時に、相手に商品の型紙を渡すので、コピーする気になれば簡単にできてしまいます。
レディースの商品だとミャンマー人の女性にも売れる可能性がありますが、メンズ・ファッションのミャンマー人マーケットは存在しないので、コピーする価値はありません。彼女の顧客は、ミャンマー人女性が中心で、在ミャンマー外国人の男性へ販売するルートを彼女は持っていません。
サンプル作成を頼んでから一ヶ月以上経ちますが、遅々として作業が進行しないのは、コピーする価値がないため、あまりやる気がでないのかもしれません。

この時に、おいおいと思ったのが、キャンセルの連絡と共に、「あなたのネームタグ750枚、私持ってるけどいくらで買う?」というメッセージと写真が送られてきたからです。

メッセンジャーに添付されていた写真

あなた、前の職場の人に聞かれたときに、持ってないと答えたんじゃなかったっけ?、と普通考えますよね。
何か怪しいとは思っていたけど、やはり持ち出していたわけです。
私は在庫を作りたくないので、いつも100枚単位でしか発注してないのに、彼女が750枚持っているということは、おそらく桁を間違えて誤発注したのではないかと推測します。
作成を頼んだのは彼女がNGOに勤務していた時ですが、この時彼女が誤発注した余剰分を自腹で補填したのか、NGOの経費で支払ったのかは不明です。
後者だとすると、こちらに売ろうとするのはおかしいことになりますが。
たぶん、そんなこと深く考えてないと思います。おそらく、在庫持ってるから、現金化したいとしか考えていません。
いつもニコニコしていて、子供や小動物に優しく、悪辣さや邪悪さとはまったく無縁に見える人物が、なぜこうした挙に出るのか?
その問いを解くにあたって「善良さと誠実さは別の概念である」という、ミャンマーを含むおそらく東南アジアに共通するマインドセットが鍵になりそうです。
善良さと誠実さは似た概念ではありますが、時間軸を尺度とすると、顕在、表出の仕方が異なります。
善良さは、他人に悪意を持たない、穏やかであるなど、その表出が瞬間的に観察される心性の有り様です。
そして誠実さは、もっと長い時間軸の中で継続的に観察され、行為・行動の蓄積により、それらが当該者の持つ誠実さの発露であると事後的に認められる心性の有り様です。あの人はいつも約束を守る、今まで嘘をついたことがないなど、誠実さが認められるまでには、一定の時間軸を伴う蓄積的な評価が必要となります。
そして、ミャンマーを含む東南アジアエリアでは(行ったことないけど、おそらくアフリカなどでも)、継続的・長期的に人が評価される社会的な基盤や価値観があまり存在しないように思われます。
話を戻すと、Aさんが一度は持ってないと答えたネームタグを実は持っていて、いくらで買う?と訊いてきた件については、おそらく彼女の心中には、齟齬や矛盾や葛藤、後ろめたさは存在していないのではないかと推測します。
持っているかと聞かれたときは、持っていると自分が誤発注したことがバレるので、持ってないと答えた。しばらくして、現金が必要になってきた時に、これを売れば金になるのではないかと考え、買わないかと持ち掛けた。この言動の間に一ヶ月程のブランクがあるので、この二つは彼女の中では繋がっていないのでしょう。
ミャンマー人が、一貫性とか整合性を勘案して、自分の言動や人格に同一性を保持しようと意識することは少ないのではないでしょうか。

真面目さの中に勤勉が、善良さの中に誠実さが含まれていないというのは、おそらく東北アジア人には理解しにくい心性です。
だから、「国民性に惚れた」とかの理由で進出した日系企業が、這う這うの体で撤退するような事態が、ミャンマーブームだった5、6年前に度々起こっていたのでしょう。

今回の件については、正論を振りかざして、相手を裁くようなことは言わずに、穏便にネームタグを取り戻す予定です。事を荒立てて、腹いせに勝手にネームタグを使われたり、横流しされてブランド価値を棄損するような事態は避けたいので。
メンズの新商品のサンプルも粘り強く交渉して、彼女の工房で完成させたいです。今まで、頼んでいるNGOが人出が足りなくて、生産量が限られているので。

今日も、Aさんからゴールデンヴァレーのシティマートに出店するから、委託販売したいなら、商品持って来ていいよと言われてましたが、開店時間に行ってみたところ彼女は来ていませんでした。腕の怪我をしたからというのが理由です。怪我については、嘘はついてないと思いますが。直接会って話さないまま、スタッフに商品預けたりすると後でまた話が拗れるので、商品を置くのは諦めて帰って来ました。
他店なら話に乗らないですが、ゴールデンヴァレーのシティマートは富裕層が住むエリアなので、チャンスがあれば必ず出品するようにしています。

ミャンマーで全面的に人を信用することはできませんが、だからと言ってミャンマーで仕事をする以上、まったくミャンマー人と関わらないことも不可能なので、常にリスクを最小化して事を進める必要があります。

とりあえずこれからミャンマーに仕事で来る人には、真面目と勤勉、善良と誠実はここでは別概念であることを念頭に置いていらっしゃることをお勧めします。

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2019年12月6日金曜日

2019年のThe Makers Marketを振り返ってみた

先週の日曜日、12月1日に第九回目となる、ミャンマー最大のローカル物産展The Makers MarketがKaraweik Gardenで開催されました。

自分のブログで確認すると、初回が2018年の12月2日(日)だったので、このイベントが始まってから、ちょうど一年が経ちました。
現在まで、全九回とも参加している身からすると、なかなか感慨深いものがあります。
このイベントが始まって、それまで別々の場所でミャンマー人や在ミャンマー外国人が小規模で営業していた、ローカルの工芸品店やローカル・ファッション・ブランドが、毎月一回、一堂に会する機会ができたのは喜ばしいことです。
毎回欠かさず参加していると、徐々にですが、ブランド認知度も向上してきたように思えます。
予約があった時に、このイベントで商品の受け渡しができるようにもなりました。今回も、予約があった商品三点をこの場で渡しました。
私の店のテントをの前を通る時、挨拶に訪れるお客さんもちょくちょくいます。








回を重ねる毎に、出店を希望する事業者も増えて、出店競争率がだんだん上がってきたようです。
先月参加していた、日本人とブラジル人が出店の申し込みをしたものの、選に漏れたと聞きました。運営会社のスタッフがイベント会場を巡回して、集客状況、商品のレベル、店の雰囲気などをチェックしているみたいです。
集客力がないとか、商品や店舗がイベントの趣旨や雰囲気に馴染まないとかと判断されると、次の開催時に選出してもらえない可能性があるので、これから出店をお考えの方はお気を付けください。
私は一人でテントに張り付いて搬入・設営・接客をしているので(搬出は、近所のF氏に手伝っていただいています)、他のテントを見て回る余裕がなく、他の出店者がどんな状況なのかあまり分かっていません。
サンチャウンでアロマキャンドル店を営むKさんが、閉鎖したローカル・ファッション・ブランドが多いと、今回、私のテントに来た時に言っていました。
今になって、一年前の投稿「2018年時点での、ミャンマーのローカル・ファッションブランドを比較してみた」を読み返すと、ここで紹介されているブランドの一つYaminは、すでにThe Makers Marketに参加しなくなっています。半年くらい前に、バンコクのBangkok Art and Culture Centre (BACC)内のセレクトショップの一つに商品を置いているのを見かけましたが、その後の動向は分かりません。

そういえば、4年前の投稿「ミャンマーのファッションブランド」で紹介した、ファッション・ブランドとしては、ミャンマーでは比較的大資本だったCi Ciも、ここ2年前くらいから市場で見かけなくなりました。どうなってるんだろうと思って、さっき検索してみたら、既製服の企画・販売から、ユニフォーム製作に業態を転換した模様です。


ちなみに、「2018年時点での、ミャンマーのローカル・ファッションブランドを比較してみた」で紹介している、Charlotte Barjou DesignUrban Rangoonは順調に事業を拡大しているように見えます。The Makers Marketにも毎回参加して、常に一定の集客がありますし。

12月の第一週から、欧米人はクリスマス・ヴァケーションに入って、帰国したり、旅行に出かけたりし始めるため、今回の12月1日のイベントが事実上の仕事納めの感があります。
次回は、来年一月の第一週か第二週の日曜日の開催になります。第一週だと、ヴァケーション期間中で、まだミャンマーに帰って来ていない外国人が多いため、おそらく第二週の日曜日になるのではないかと予想しています。
それまでに、今回売れた商品の補充と、新商品の開発を終わらせるつもりです。
次回の日程が発表され次第、また、ブログでお知らせします。

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