カンボジアのシュムリアップに4月10日〜4月16日 の間行ってきました。
6泊7日で、移動時間を除く実質滞在期間は5日でした。
ミャンマーでの水掛け期間中の、大型スピーカーでガンガンレベルの低い音楽かけてうるさい、ホースで水掛けられるので外歩けない、しかも店閉まってて不便、という三重苦を避けるのが目的です。
最初はバルセロナに行くつもりでネットで適当な便を探していたのですが、安価な航空便がなく、旅費が20万円近くかかるため断念しました。代わりに、まだ行ったことないという理由で、カンボジアのシュムリアップに行き先を変更しました。
そんな訳で、カンボジアに関して何の予備知識も思い入れもなく行ったわけですが、意外にもミャンマーのことを改めて考える様々な知見を得られました。
やっぱり、時々は外に出てみないと、客観的にその土地のことを認識できなくなりますね。
特に投資先・旅行先として、ミャンマーは他のASEAN諸国と比較されることが多いので、近隣の東南アジアの国へ行って、いろいろと自分の目で確かめることは重要だと思いました。著名な経営コンサルタント大前研一氏も、日系企業のタイに続く投資先として、
ミャンマーとカンボジアを比較してますし。
観光客も仏教遺跡に興味があれば、バガンとアンコールワットのどちらにするか比較するでしょうし。
ヤンゴンからシュムリアップまで、バンコク・ドムアン空港経由のAirasiaの預け荷物なしの一番安い便を使いました。宿泊先はホテルではなく、Airbnbで探した個人のアパートメントです。
シュムリアップで旅行業を営むオーストラリア人のDeanさんが
三階建ての自宅を改装して、三部屋を宿泊施設として貸し出しています。一泊25USD程度ですが、清潔だし、個室でプライバシーは確保されているし、自由に使える屋上があってビール飲むのに便利だしで、これからシュムリアップ行く方にオススメです。屋上などの共有スペースを占有できるので、ホテルより居心地がいいかもしれません。ホストのDeanさんも、とても親切なナイスガイでした。
Deanさんのアパートの屋上。ソファ、椅子、テーブルがあってビール飲む時に重宝しました。
さて、シュムリアップ空港に到着したのは22:00だったのですが、イミグレの対応が最悪で、この時は、これは間違った国に来てしまったかなと早くも後悔しました。
入国の手順は、1)空港入口で下痢・発熱などがない旨の健康に関する用紙を提出して、黄色いスリップを貰う、2)アライバルビザの取得の申込用紙に記入して、ビザ発行カウンターに用紙とパスポートを提出し、ビザを取得(空港で入国ビザを取る場合)、3)アライバルビザの番号を、入国審査用の用紙に記入して入国審査官に提出(空港で入国ビザを取った場合)の三段階に分かれています。
左から1)、2)、3)の記入用紙
1)の段階で、空港入口で係員が用紙を手配りしていて、所定の用紙の置き場所がないため、用紙を求める旅行客がごった返して軽くカオス。記入するための机も用意されてないため、空港入口で、みんな座り込んだり、壁に用紙を押し付けながらして用紙に記入している。
2)の段階では、用紙置き場のラックが空で、旅行客がそれぞれ用紙を配っている係員を探し求めて、入国エリアが混乱状態。当然、動線とか人の流れとかまったく考えていない。
3)については、アライバルビザを発行する段階で、所定の用紙提出についてのインストラクションがなかったため、愛想のない入国審査官にパスポートを突き返されて、ようやくその存在を知る。どこにその用紙があるのかを数人の係員に聞いても、みんな知らないと答える。
ここイミグレだろ?、どうやってその用紙を入手するのか聞かれたら返事くらいしろよ。
入国審査の前列に並んでいたアメリカ人のグループも同じ問題で、右往左往していたので、彼らに聞いてようやく用紙をゲット。機嫌の悪い入国審査官の手続きを経て、ようやく入国。着いてから入国するまで、1時間強かかった。
事前に用意してもらったツゥクツゥクで空港からアパートへ移動。移動時間は約30分で、料金は5USDでした。
翌日の午前中にとりあえずアンコールワットとその周辺の遺跡巡り。離れた場所の遺跡もあるため、アンコールワットのチケットで行ける遺跡を全部踏破するのに2日かかりました。
いろんな人がブログに書いてるだろうし、学術研究もあるので、遺跡巡りの詳細については割愛します。個人的には、巨大な菩薩の顔を象った塔がそびえ立つバイヨンと、日本の古刹みたいな趣があるタプロームが見所がありました。
やはり世界的に有名な観光地なので、いろんな国から観光客が来てます。
多いのは地元カンボジアと欧米人で、だいたい同数で観光客全体の八割くらい。
アジア人だと中国人と韓国人をよく見かけました。日本人はあまり見かけませんでしたが、HISの観光バスは駐車場で見かけました。
アンコールワットで塔の後ろから登る朝日を見るのがお約束らしいので、2回目の遺跡巡りでは、5:30くらいに現地に行きました。早朝にもかかわらずけっこうな数の観光客が朝日が登るのを待っていました。
朝靄の中でしきりにポーズを取ってたアメリカ人の女の子たち。
ソフィア・コッポラの『ヴァージン・スーサイズ』を思い出す。
遺跡巡り以外では、土産物屋で雑貨をチェックして、カフェでお茶飲んで、レストランで食事して、バーでダラダラ酒飲んで過ごしていました。
土産物屋については、ミャンマーに較べてかなり洗練されたショップが多数ありました。
ヨーロッパ人や日本人のNGOが経営している店は、垢抜けていて、商品の完成度も高かったです。
もちろんミャンマーでは一般的な、どんよりした土着感漂うお店の方が多く、そうしたタイプの店が全体の八割くらいでしょうか。
民度はミャンマーよりやや高めな印象で、街中にポイ捨てされたゴミは少なめ。
ヤンゴン市内にこんな市中を流れる川があったら、たちまちペットボトルやビニール袋で川面が覆われるでしょう(笑)。
意外だったのが食のレベルの高さです。
ビザもパスタもハンバーガーも標準以上に美味しかったです。
しかも5USD程度の料金。ミャンマーでは、この値段でレベルの高い外国料理は食べられません。
カンボジア料理も、観光客の多いエリアはおそらく外国人向け味付けで、初めて食べても美味しかった。
カンボジアもミャンマーと同じく上座部仏教の国ですが、文化的にミャンマーより開放的な印象を受けました。観光客も含む外国人の数が多いからでしょう。
ミャンマーでこんな入れ墨を彫ったら、即刻国外退去です(前例があります)。
小洒落た雑貨を売ってるショップはあるし、食事は美味しいし、気の利いたカフェやレストランは多いしで、入国時の不快感も忘れて、シュムリアップでは快適に過ごしました。
ビジネスビザの滞在期限が切れてバンコク行くときもそうなんですが、ミャンマーにはまだそうした場所が少ない、もしくは存在しないので、国外へ出るとここぞとばかりそういう場所に通い詰めて、想定以上にお金を使ってしまいます。
ショップとレストランやバーを巡る、夢のような日々は儚くも足早に通り過ぎ、早くも帰国日となりました。
アパートの前でツゥクツゥクを拾い、シュムリアップ空港へ向かう。空港に着いたら、今は正月だから10USDだとドライバーが主張。
空港からアパートまで5USDだったと言うも、なかなか譲らないので、仕方ないので8USDで手打ち。
やっぱ東南アジアだわ。乗る前にちゃんと料金交渉しなかったのが悪いんだけど。
16日夕刻、ヤンゴン空港に着くと、さらなる試練が待ち受けていました。
正月休みでタクシーの数が少ないのをカサにきて、15USDとか15,000チャットとかドライバー吹っかけてくる。通常、空港発のタクシーはカルテルを組んでいて、7,000チャットがドライバーの言い値です。アパートの近所でタクシー拾って空港に行くときは、4,000~5,000チャットなんですけどね。
どうも帰って来るのが、1~2日早過ぎたようだ。
ただでさえ高い空港からのタクシー代相場のさらに二倍以上の値段を吹っかけてくるので、とても使う気にならず、徒歩でタクシー拾える場所まで移動することにする。
バックパック背負って一人無人の空港前の道路を歩く。
預け荷物なしの最安値便にしていて良かった。スーツケース持ってたら、徒歩で移動できなかったろうから。
200~300m歩いたところで、ミャンマー人の中年夫婦が乗った自家用車が寄せて来て、タクシー?と尋ねる。
サウンチャンまで5,000チャットで交渉するが、なかなか譲らないので、ここも8,000チャットで手打ち。
街中に入ると、水掛け祭は18:00までなので、もう終わってるはずなのだが、19:00過ぎてもまだギャーギャー騒いでホースで水を掛けまくっていた。
来年からは、この時期に国外に出た時は、帰国日を水掛け祭最終日ではなく、水掛け祭が終わった正月明けにしようと誓う。
水掛けのステージを避けて、ミャンマー人の夫が運転する車がどんどん知らない道に入り込んで行く。何か街の外れに連れて行かれて、身ぐるみ剥がれるんではないかと嫌な予感が頭をよぎる。
途中、水掛けで渋滞して車が進まないことに主人が業を煮やし、車から降りて停車中のタクシーのドライバーと交渉をはじめる。何やら札を交換し、取引が成立したようで、8,000チャットの料金据え置きのままミャンマー人夫婦の車からタクシーへ乗り換え。
通常、30~40分の空港からアパートへの移動が、この日は90分くらいかかりました。
タクシーを降りる時に、10,000チャットを出すと、ドライバーが釣りを1,500チャットしか出さない。この日はいい加減ボラれるのにウンザリしていたので、大人気ないと思ったが8,000チャットなんだから釣りは2,000チャット出せと言う。しぶしぶドライバーが、濡れてぐしゃぐしゃになった札で500チャット出した。
遺跡の憶いでに浸りながら悠久の時に思いを馳せ、美味なる食事の記憶を反芻しつつ、帰路につくつもりだったのだが、やっぱりそんなに甘くなかった。外国人のロマンチシズムを打ち砕いたり幻滅させるのは、この国の人たちの得意とするところだし(笑)。
次回、疾風怒濤のカンボジア雑貨編、浪漫耽美のカンボジア・ナイトライフ編へと続きます。
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