2018年7月25日水曜日

ミャンマーでベストセラーになっている自己啓発本から、ミャンマーの今の気分を考えた

ミャンマーでここ2ヶ月程の間、ベストセラー1位になっていて、書店に入荷とするとすぐに売切れになる自己啓発本があります。
The Subtle Art of Not Giving a F*ck: A Counterintuitive Approach to Living a Good Life』という、アメリカの人気ブロガーによる著書です。
Facebookでも、ミャンマー人がこれを読んでいる投稿がよく上がっています。
読んでないので、内容を反映したタイトルを付けづらいですが、直訳すれば『クソと言わなくてもすむ微妙な技術:素敵な生き方への反直感的なアプローチ』とでもなるのでしょうか。
どうやら邦訳は出てない模様。アメリカで出版されて、まだ邦訳のない本が、ミャンマー語版で出版される時代になりました。 もっとも版権取得とか無視して、他国でベストセラーになったらすぐに翻訳して、出版できるミャンマーの方が足が速いのですが。




気になったので、Amazonでどんな内容の本なのかを調べてみました。
Amazonでの紹介文はこんな風です。どう訳していいか分からないところもあったので、かなり適当な訳です。

今の時代に、自分を守るためのガイド。スーパースター・ブロガーが、いつも「ポジティブ」であれというバカバカしさを切り捨てることで、われわれが本当に今より真っ当で、幸せな人間になれることを説いてくれている。

ここ数十年というもの、われわれはいつもポジティブ・シンキングこそが、幸せで豊かな人生の鍵だと言われ続けてきた。「そんなのクソだ」とマーク・マンソンは言う。「正直になろうよ、クソはクソだ。そして、みんなそういつと一緒に生きてるんだ」。彼の有名なブログでも、彼は物事を美化したり、曖昧にしたりしない。彼の言い分はこうだ。「生のままで飲み込め、リフレッシュしろ、真実を率直に認めろ。それが一番今の時代に欠けてることだ」 。『The Subtle Art of Not Giving a F*ck: A Counterintuitive Approach to Living a Good Life』は、現代社会に蔓延している、いつも良好なマインドセットであれという病と、ある種の世代をスポイルしている、ただ他人に見せびらかせるための金メダルを与えるという上っ面に対する解毒剤だ。

マンソンは、学術的な調査と、頃合いを見て差し込む辛辣なジョークを交えて論を進める。われわれの人生をより良くするのは、レモンをレモネードにする能力ではなく、胃の中のレモン(訳注:レモンはスラングで、役立たずという意味もあるらしい)をどうするのかを学ぶことにあるのだ。人は不完全で、限界がある。「すべての人が飛び抜けた存在になれるわけでもないし、負け組と勝ち組が、社会にはいる。それは、フェアでないこともあるし、君のせいでもないこともある」。彼は、われわれに自分の限界を知り、それを受け入れることを説く。われわれが、いったん自らの怖れや、失敗や、不安定さを受け入れ、もう走り続けるのも、それらから目を背けるのもやめて、苦い真実と向き合うようになれば、勇気や、落ち着きや、率直さや、責任感や、好奇心、そして、いままで求めていた赦しを見つけることができるだろう。

世の中には、クソと呼びたくなる物がたくさんある。だから、何が問題なのかをはっきりさせる必要がある。マンソンは、それを明らかにしている。お金について考えるのも良いし、自分の人生に関わることを気にかけるのもいいだろう。だが、本当に人生を豊かにしてくれるのは経験だ。面白いストーリーと、人を喰った、あけすけなユーモアに充ちた、本音の中では、しっかり足を踏ん張って、目を見開いているいる必要がある。本書は、ある種の世代の人びとにとって、堅実で、地に足のついた人生へ導くための気付きの一撃となるであろう。

本書自体は読んでませんが、紹介文から判断する限り、自分の能力や才能の限界を顧みて、自分にとって不都合な真実(能力がないとか、才能がないとか、環境に恵まれないとか)から目を逸らさずに、着実で堅実な人生を歩むことを提唱しているように見えます。日本で言うと、足るを知るとか、分を弁えるとかといった表現になるでしょうか。
自意識だけが肥大して、能力も才能もないのに、成功者の表層だけを真似をしたがる人も、その手の人達を養分にしてお金儲けを目論見る、自己啓発本や自己啓発セミナー業者も後を絶ちませんが、その種の病的な状況に対するアンチテーゼなのかもしれません。
内容が想像通りだったら、ジョブズもゲイツもザッカーバーグも、ジョン・レノンもミック・ジャガーもデヴィッド・ボウイも、誰もが知っている成功者は、経営・芸能の分野を限らず、ほとんど20代で頭角を表しているので、遅くとも30歳あたりで世に出なかった人は、途方もない夢を見るのでなく、自分の限られた能力と才能を見極めて、出来ることをコツコツとやっていた方が幸せになれるという、私の人生に対する姿勢と比較的近いです。

ただ、今までミャンマーでベストセラーになっていた自己啓発本は、ローバート・キヨサキのような射幸心に溢れた、金持ちになろう的な本が多かったので、この本が約2ヶ月間にわたりベストセラーの一位を占めて、しかも入荷すると、すぐに売切れるという状況は、ミャンマーの読書階級の人達に、何らかの変化の兆しが顕われいることを示しているのかもしれません。
ここ5、6年の間、ミャンマーは経済成長を追いかけて来て、そろそろ踊り場に差し掛かってきたという気分の中で、実現可能性の低い夢を見るより、地に足を着けた、着実で堅実な生き方を選ぼうとしている人達が増えているとしたら、そう悪くないのではと感じます。

なるほど、今のミャンマーはそんな気分なんだ
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