2017年10月18日水曜日

ミャンマーで読書会を開催しました

ミャンマーの本好きの有志を募って、今週日曜日の10月15日に読書会を開催しました。
第一回目となる今回は、サンチャウンのカフェで開催しました。
参加者は、私を含めてミャンマーで自営業を営んでいる日本人四人です。

課題図書は、ラッタウット ラープチャルーンサップの短編集『観光』でした。5、6年前に日本のいろんな雑誌の書評で大プッシュされて話題になった本です。 


参加者の感想は、外国人の観光客がやってくるタイの人々が相手の幻想を理解していて、それを生活の糧として利用するしたたかさや逞しさが印象に残ったというものが多かったです。
参加者全員がミャンマー在住者のため、タイに行ったことが何回もあります。全員何らかの形でタイでボラれたり、ボラレそうになった経験があるので、そうした感想が目立ったのかもしれません。
その他に、母親との関係性が親密で独特だという指摘もありました。これはミャンマーとも通じるところがあるので、東南アジア特有の家族関係なのかもしれません。
また、南国の幻想を外側の観光客達から押し付けられている現地の人々のリアリズムや哀しみに胸打たれたという感想もありました。
東南アジア特有の貧富の差や特権階級に属する人たちの横暴さなども、本書に描かれているからです。
作家が描きたかったのも、タイを含めた東南アジア特有のそうした両義性ではないかと思いました。

参加者同士で話し合って、次の課題図書は、『仏教思想のゼロポイント』になりました。
ミャンマーの僧院で修行を続けている日本人の仏教研究者 魚川祐司氏の著作です。
何度か当ブログにも書いたことがありますが、ブッダの伝えた教義を忠実に守り続けている上座部仏教と、中国南方経由で様々なアレンジを経て日本に伝わり、さらに土着化のため変更が加えられている日本の大乗仏教とは相当に異なります。

ミャンマーの上座部仏教の教えと実践を体系的に書いた日本人による著作は今まで少なかったのと、仏教の門外漢にも分かりやすく記述されていたため、本書は日本でも話題になりました。ミャンマーを理解するには、上座部仏教の知識が不可欠ですが、そうした意味でもミャンマー関係者の必読書と言えそうです。
過去に、魚住氏の著作をネタに記事を書いたことがあるので、ご興味があればどうぞ。



11月に二回目を開催したいですが、日程はこれから決めます。
日程については、改めて情報をアップします。
読書会への参加を希望される方は、本ブログの プロフィール > お問い合わせ > メールをクリックして、ご連絡ください。

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