Yangon Connectionにを見ていたら、近所の理髪店兼美容院の紹介がされていました。
ちょうど髪を切る時期だったので、試しに行ってみました。
Google Mapを頼りに店にたどり着くと(と言っても、家から徒歩10分くらいの場所でしたが)、ミャンマーのサロンには珍しく、かなりお洒落な店構えでした。
一方、50年代、60年代のリズム&ブルースは、この頃でも比較的入手しやすく、輸入盤屋でそれなりに適正な価格で買うことができました。アレサの代表作に数えられる、67年のアトランティック・レーベルからのデビュー作『I Never Love S Man (The Way I Love you)』や2ndアルバム『Lady Soul』は、普通のレコード屋で国内盤も売っていました。
ネットの追悼記事を読んでいて誰かが指摘していたのですが、アレサの命日がエルヴィス・プレスリーと同日でした。生前からのプレスリーの呼び名が「King」で、アレサは「Queen of Soul」です。王国でない国のキングとクィーンが同日に亡くなったのは、不思議な機縁を感じます。
二人とも思想信条は保守的だったと言われていて(プレスリーは、徴兵に応じて、二年間兵役を勤めた。また、ベトナム反戦活動をアメリカで広げていたジョン・レノンに対して、批判的だったとも伝えられている)、表立って政治的な発言はしなかったにも関わらず、その存在感や彼らの歌唱の力によってのみ、時代の転換期のアイコンになったのも—前者はロックンロールという人種融合的な新たなユースカルチャーの勃興の、後者は人種差別撤廃に向けた公民権運動や女性の権利向上の—共通しています。彼らの歌声には、本人すら意識していない、豊かな多義性を聴いた人に呼び醒ます何かがあったからだと思います。この不思議な能力によって、彼らは仮象の王国のキングとクィーンとして、政治とは異なる次元で、人びとの心の中に君臨したのでしょう。
「Queen of Soul」と同様に彼女の呼び名であった「Lady Soul」をタイトルにした、コロンビアからアトランティックに移籍後の2ndアルバム。アトランティックでの1st『I Never Love S Man (The Way I Love you)』と共に名盤の誉れ高いアルバムですが、最後のトラックAin't No Wayが大好きなので、こちらを選びました。
ミャンマーでここ2ヶ月程の間、ベストセラー1位になっていて、書店に入荷とするとすぐに売切れになる自己啓発本があります。
『The Subtle Art of Not Giving a F*ck: A Counterintuitive Approach to Living a Good Life』という、アメリカの人気ブロガーによる著書です。
Facebookでも、ミャンマー人がこれを読んでいる投稿がよく上がっています。
読んでないので、内容を反映したタイトルを付けづらいですが、直訳すれば『クソと言わなくてもすむ微妙な技術:素敵な生き方への反直感的なアプローチ』とでもなるのでしょうか。
どうやら邦訳は出てない模様。アメリカで出版されて、まだ邦訳のない本が、ミャンマー語版で出版される時代になりました。 もっとも版権取得とか無視して、他国でベストセラーになったらすぐに翻訳して、出版できるミャンマーの方が足が速いのですが。
今の時代に、自分を守るためのガイド。スーパースター・ブロガーが、いつも「ポジティブ」であれというバカバカしさを切り捨てることで、われわれが本当に今より真っ当で、幸せな人間になれることを説いてくれている。 ここ数十年というもの、われわれはいつもポジティブ・シンキングこそが、幸せで豊かな人生の鍵だと言われ続けてきた。「そんなのクソだ」とマーク・マンソンは言う。「正直になろうよ、クソはクソだ。そして、みんなそういつと一緒に生きてるんだ」。彼の有名なブログでも、彼は物事を美化したり、曖昧にしたりしない。彼の言い分はこうだ。「生のままで飲み込め、リフレッシュしろ、真実を率直に認めろ。それが一番今の時代に欠けてることだ」 。『The Subtle Art of Not Giving a F*ck: A Counterintuitive Approach to Living a Good Life』は、現代社会に蔓延している、いつも良好なマインドセットであれという病と、ある種の世代をスポイルしている、ただ他人に見せびらかせるための金メダルを与えるという上っ面に対する解毒剤だ。 マンソンは、学術的な調査と、頃合いを見て差し込む辛辣なジョークを交えて論を進める。われわれの人生をより良くするのは、レモンをレモネードにする能力ではなく、胃の中のレモン(訳注:レモンはスラングで、役立たずという意味もあるらしい)をどうするのかを学ぶことにあるのだ。人は不完全で、限界がある。「すべての人が飛び抜けた存在になれるわけでもないし、負け組と勝ち組が、社会にはいる。それは、フェアでないこともあるし、君のせいでもないこともある」。彼は、われわれに自分の限界を知り、それを受け入れることを説く。われわれが、いったん自らの怖れや、失敗や、不安定さを受け入れ、もう走り続けるのも、それらから目を背けるのもやめて、苦い真実と向き合うようになれば、勇気や、落ち着きや、率直さや、責任感や、好奇心、そして、いままで求めていた赦しを見つけることができるだろう。 世の中には、クソと呼びたくなる物がたくさんある。だから、何が問題なのかをはっきりさせる必要がある。マンソンは、それを明らかにしている。お金について考えるのも良いし、自分の人生に関わることを気にかけるのもいいだろう。だが、本当に人生を豊かにしてくれるのは経験だ。面白いストーリーと、人を喰った、あけすけなユーモアに充ちた、本音の中では、しっかり足を踏ん張って、目を見開いているいる必要がある。本書は、ある種の世代の人びとにとって、堅実で、地に足のついた人生へ導くための気付きの一撃となるであろう。