最近、Human of Myanmarというウェッブサイトが開設されて、市井のミャンマー人の姿が紹介されています。ミャンマーに暮らしていても、ほとんど接点のないタイプの人びとの声を聞くことができて興味深かったので、そのひとつを日本語に訳してみました。
Su Su, 21. Prostitute, Yangon
ス・ス 21歳 売春婦 ヤンゴン
この仕事をはじめてから5年経つわ。
わかってほしいのは、これは単なる仕事だってこと。あたしがナイトクラブに行くのは、他の人達がオフィスに行くのと同じよ。誰だってこんな仕事はしたくないけど、他に選びようがないの。
あたしたちは、大酒飲みで酒乱のお父さんのもとで育った。お父さんが亡くなったら、いちばん年上だったあたしが弟妹達を養う必要があった。お金のために男達と寝るのは割のいい仕事だし、昼間に弟妹たちの面倒を見ることができる。あたしたちは郊外に暮らしていて、何のスキルもない15歳の女の子ができる仕事なんて他にはなかった。
海外へ留学するのが夢なの。お金ができたら、夢を叶えるつもりよ。みんな売春婦には、夢も目標も、感情さえもないって思ってる。あたしたちは、あなた達と同じ普通の人間よ。傷ついているし、悲しいし、それぞれ事情があるの。あたしたちみたいな人間は、ミャンマーみたいな保守的な国では、簡単にわかった気にされてしまうの。タフでないとやっていけないし、お金のことも考えなくちゃいけない。そうじゃなければ圧し潰されちゃうもの。
きっとセックス・ツーリズムは、ミャンマーでもっと盛んになると思う。パイオニア・クラブやパークロイヤルに行ってごらんなさい。いっぱい飢えた男達を見ることができるわ。哀しくなるけど、それが仕事なの。この仕事を辞める時が来るまでは。
あの人達を裁けるかですって?、それはないわ。だってここは、みんなが素敵な仕事をしていて、素敵なお家があって、素敵な家族がいるパーフェクトな世界じゃないもの。あたし達が生きるのは、リアルな世界。生き延びるためには、どんなことでもしなきゃいけない。
最悪だったのは、ひどく酔っ払ったイギリス人のお客を取ったとき。彼はあたしにひどくみだらな行為を要求して、あたしが断ると暴力を振るった。だいたいのイギリス人は悪くないのだけれど。
中国人は最悪ね。アメリカ人がいちばん、気前が良くて、金払いがいい。
夫と子供が二人いるわ。彼は、あたしの仕事については気にしてない。お酒を飲むのとギャンブルをするのに、あたしの収入が必要だから。いつもそれから逃れようとしていることに、いつも捕まってしまうのって不思議よね?
ミャンマーが、バンコクやマニラみたいにならないことを祈るわ。ミャンマーはあんなに悪徳に染まってないし、これからもずっとイノセントであって欲しい。
何かいい人ぶってて、変に聞こえるかもしれないけど。そんな男達がたくさんヤンゴンに来た方が、あたしにとっては好都合なわけだし。
でも、あたしはこの国とここに住む素敵な人達を愛しているの。だから、私達の国を汚して欲しくないの。
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