2015年8月11日火曜日

Tシャツから考える文化成熟度、あるいは屈折する星屑の上昇と下降

ビジネスヴィザの滞在期限が切れたので、先週、バンコクへ一時出国していました。
特に観光するわけでもなく、部屋で洗濯機を回して、空いた時間に街のショップを見て回ってました。
バンコクに行く時は、スーツケースの中にバスタオルとかシーツとかジーパンとか、ミャンマーでは満足のいく洗濯ができない大型の洗濯物を詰めて行きます。部屋に強力な洗濯機と乾燥機があるのが、バンコクでの滞在先を選ぶ基準になってます。

今回の滞在では、何故かTシャツが気になったので、街ではTシャツばかり見てました。
ミャンマーでは、面白いデザインのTシャツはほとんどありませんが、バンコクでは結構面白いものが多かったので、ご紹介します。

まずは、デヴィッド・ボウイのTシャツ。


アラジン・セインの頃のボウイですね。高校生の頃、このアルバム良く聴いてました。収録されているストーンズのカヴァーが格好いい。



スタンリー・キューブリックの映画『時計じかけのオレンジ 』に登場する主人公アレックスのTシャツ。


こいつは映画史上に残る極悪なキャラクターとして有名ですね。

 


ボウイもアレックスもサブカル的なアイコンとして、日本ではメジャーですが、タイでもボウイとかキューブリックの映画は、良く知られているのかどうかちょっと気になります。
ミャンマーはサブカル的な土壌がまったくないので、飛行機で一時間あまりの隣国に、こうしたサブカル関連のグッズがあるのは興味深いです。

こちらは、バンコク・アート・アンド・カルチャー・センターの売店で売ってたTシャツ。


たぶんタイの現代美術作家がデザインしたものです。
私がバンコク・アート・アンド・カルチャー・センターに行った時は、タイの現代美術家が製作したグッズの展示会が開催されていました。



All Bastard Greedy! Governments are Own Economics!(世の中がめつい奴ばかり。政府は経済の奴隷)をデザインした文字がプリントされています。
先進国で拡がっている嫌資本主義的な感覚は、タイ人の間でも芽生えているのでしょうか。



以前のブログで紹介しましたが、面白Tシャツ不毛の地ミャンマーにも、笑えるTシャツを作ろうとデザインしたことがあります。
需要がないのか、センスに難があるのか、今のところ大した反響はありません。
こちらで販売しているので、お時間あればお立ち寄りください。


しかし、せっかくの一時出国なのに、Tシャツばっかり見てるのは自分でもどうかと思います。
バンコクの紀伊国屋で20%オフになっていたので買った本『旅はときどき奇妙な匂いがする: アジア沈殿旅日記』に、こうした旅先での何だか割り切れない気持ちを上手く表現した一節があったので、引用します。
 きっと、この町のどこかに、旅慣れた人たちの集う居心地のいい民宿があるにちがいない。そこでは、旅慣れた人たちがテラスで旅慣れた会話をし、旅慣れた現地のおつまみとか食いながら、旅慣れたげっぷをしたり、旅慣れたフットマッサージをお互いに試したりして、この町で旅慣れた人が訪れるべき秘密のスポットや、次の目的地にある旅慣れた民宿について情報交換しているのだろう。

 そして私は、その場所を知らないまま時を過ごし、この町の持つ最良のものを手に入れることなく、日本に帰ってしまうのである。
 こんな残念なことがあるだろうか。


この気持ちよく分かります。
カオサンとかシュムリアップのパブストリートとかで、旅慣れた(ように見える)欧米人たちがゲストハウスのテラスで談笑してるのを見ると、俺はここで見るべき、重要で、興味深く、深い感興を催す何かを、決定的に見落としているのではないだろうか、という焦燥と無力感が入り交じった感情が湧き上がってくる時があります(笑)。

嗚呼、私も旅慣れたい。

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