2018年3月1日木曜日

全ミャンマーが沸いた〜ミャンマーの国民的英雄Aung Hla Nsangが勝利

先週の金曜日、シンガポールを拠点に展開している総合格闘技団体『ONE Championship』(通称ONE)の興行がミャンマーで開催されました。メイン・イベントは、ライトヘビー級のタイトルマッチで、ミャンマー人のONEミドル級王者アウン・ラ・エヌサンとアレッシャンドリ・マシャドというブラジル人選手との対戦です。

ミャンマーに住んでいる人なら知っていますが、総合格闘家の アウン・ラ・エヌサンはミャンマーの国民的英雄です。ミャンマーの格闘技、ラウエイの選手は地方出身者が多く、70年代の日本のボクサー、ガッツ石松とか、輪島を連想させるような、典型的な農村顔の選手が多いのですが、この人はミャンマー北部地方のカチン出身ですが、都会的で、他のミャンマー人格闘家とは違った印象を与えます。
アメリカの大学に留学中にブラジリアン柔術に出会って、格闘家を目指し、その後、アメリカを拠点に選手として活動しています。叩き上げの農村出身者が多い、他のミャンマー人格闘家とは、かなり異なるバックグランドの持ち主です。
テレビで家族と過ごしている映像を見たことがありますが、ミャンマーでは珍しい中産階級的な雰囲気の家族でした。ミャンマーで、子息をアメリカに留学させることができるのは、通常富裕層なのですが、彼の実家の家業が何かということまでは知りません。

ミャンマーで一番モードな雑誌『POSH』の今月号にも、彼の記事が掲載されています。『POSH』は日本の雑誌に例えれば『Numero TOKYO』とか『GINZA』に該当するバリバリのハイ・ファッション雑誌です。ドルガバ、ヴァレンチノ、トム・フォードといった欧米のハイ・ブランドの広告が載っている、謎の雑誌でもあります。ミャンマーには、そんなブランドのショップはありませんから。




こんな激オシャレなファッション雑誌に特集されることからも、彼がいかに幅広い層からの支持を得ていることがうかがえます。だって、『Numero TOKYO』とか『GINZA』とか『VOGUE Japan』に、日本の格闘家のインタビューや特集記事が載ることはあまりないしょう?

そして試合当日は、行きつけのサンチャウン通りのビア・ステーションWin Starはスポーツ・バー状態になっていました。店には大画面テレビを数台設置していますが、アウン・ラ・エヌサンの試合を待つミャンマー人客で、いつもにも増してごった返していました。
試合は1Rの早い時間にアウン・ラ・エヌサンが対戦相手をKOしたのですが、あまりに客が熱狂して、異様に盛り上がっていたため、ちょっと身の危険さえ感じるほどでした。




試合終了後もサンチャウン通りのビアステーションやローカル・カフェで、アウン・ラ・エヌサンの勝利を喜び、雄叫びがいたるところで上がっていました。サッカー・ワールドカップの優勝が決まった時の優勝国の街角風景みたいです。



年に1、2回くらいONEの興行はミャンマーで開催されていて、ミャンマーでの開催時は必ず客が呼べるアウン・ラ・エヌサンの試合が組まれます。会場で観戦するのも良いでしょうが、ローカルのビアステーションでビール飲みながら観るのも一興です。
周囲がごんごん盛り上げっていて、楽しいので、ミャンマーに住んでいる実感を味わいたいなら、次回はローカルのビアステーションで観戦することをお勧めします。

アウン・ラ・エヌサンの試合
次はローカルのビアステーションで
観たいと思ったらクリック!
  ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓  
にほんブログ村 海外生活ブログ ミャンマー情報へ
にほんブログ村

2018年2月15日木曜日

村上春樹の最新作からミャンマーの変化について考えた

村上春樹の現時点での最新長編『騎士団長殺し』のミャンマー語訳が書店に並んでいました。
原著の日本語版は、「第1部 顕れるイデア編」と「第2部 遷ろうメタファー編」の二巻からなりますが、書店にあったのは一冊だったので、例によってダイジェスト版だろうと、最初は思いました。




だが、裏表紙を見るとイデアとか書いている。


中を開いてみると巻末に、第二部のメタファー編の刊行予告が。


今まで、村上春樹の複数巻の他の著作、『ノルウェイの森』も『ねじまき鳥クロニクル』も『海辺のカフカ』も、ミャンマー語訳はダイジェスト版の一冊であったことからすると、これは大きな変化です。
しかも、最新作の『騎士団長殺し』は未だ英訳が出版されていません。これまでは、概ね英訳版が出てから、おそらく重訳でミャンマー語訳が書店に並んでいました。これほど早いタイミングでミャンマー語訳が出たのは、ミャンマーでも村上春樹が人気作家として認知されている証かもしれません。

実は、エッセイ集の『村上ラヂオ』がミャンマーでロングセラーになっています。
去年の年末辺りから、書店でのベストセラー3位に位置していました。ミャンマーで日本人作家がランクインするのは、たぶんこれが初めてです。


約2ヶ月たった現在でも、 4位に残っています。



韓国、中国、台湾の東アジアで、90年代あたりから村上春樹の著作が広く読まれているのはよく知られています。
一般に後発の中進国の経済成長が進み、都市化が急速に進展した後、ホワイトカラーの中産階級層がそれまでの経済成長一辺倒の価値観に空虚さを感じ始める頃に、都市生活者の内省を描いた村上作品が爆発的に読まれ出すという傾向が指摘されています。
ミャンマーもその段階に入ったということでしょうか。まだ、それには早いという気もしますが。
 お隣のタイでも、正式に版権を取得したものかどうかは知りませんが、村上のほぼ全著作のタイ語訳が出ていますが、ブームになっているとか、よく読まれているという話は聞いたことがありません。
北米、ヨーロッパ、東アジアにおける村上作品の受容についてはよく論じられますが、東南アジアについては、どうなっているのかよく分からないので、この辺りの事情に詳しい方がいれば、お話聞きたいです。

ミャンマー人と村上春樹の作品について、
語り合えるようになると面白いと思ったらクリック!
  ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓  
にほんブログ村 海外生活ブログ ミャンマー情報へ
にほんブログ村

2018年2月11日日曜日

【無料企画書付き】サンチャウンにお洒落なコインランドリーができていた

Princess Tailoring ShopもあるNyaung Tone Streetが、いまサンチャウンで最もホットなストリートになりつつあります。




以前この通りにブックカフェができたことは、本ブログに書きましたが、その他にちょっと気の利いたおもちゃ屋も少し前に開店しています。



日本でビザを更新してヤンゴンに帰って来たら、この通りにNeatという店名のお洒落なコインランドリーができていました。




フリーのWifiも備えているので、待ち時間の間にネットも可能です。

そういえば、3年前にヤンゴンでカフェを併設したコミュニティ型のコインランドリーを作ってはどうかという企画書を書いたことがあります。
元ネタはベルギーのWASBARというコインランドリーです。カフェとイベント・スペースとコインランドリーの複合施設のような業態です。


 
そのとき作った企画書を無料で公開するので、もしよろしればご利用ください。
実際にこうしたお店を作ってもらえるとありがたいです。
サンチャウンにこんなコインランドリーができたら、私も通います(笑)。


こんなお店がヤンゴンにあればいいな、
と思ったらクリック!
  ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓  
にほんブログ村 海外生活ブログ ミャンマー情報へ
にほんブログ村

2018年2月4日日曜日

ドリス・ヴァン・ノッテンと私

サンチャウンのDVD屋で、『ディオールと私』というドキュメンタリー映画を見つけて視聴したことがあります。

>

ディオールのオートクチュール部門の新任デザイナーとなったラフ・シモンズの最初のコレクション発表に向けてのクリエーションの過程を取材した作品です。パリでのコレクションのショー直前に、シモンズが緊張とプレッシャーで涙目になっていたのが印象的でした。
経験のあるデザイナーでも、歴史のあるメゾンの看板を背負って作品を世に問うのは、相当の重圧なのでしょう。

現在、ビジネス・ビザの更新のため日本に一時帰国中ですが、『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』というドキュメンタリー映画が上映中だったので、先日、こちらも観に行きました。
ドリス・ヴァン・ノッテンは、私のブランドの参考にしているデザイナーの一人です。
去年の投稿にも、以下のような記事があります。

<以下、引用>
最近のパリコレのランウェイの写真を見て最も印象に残ったのが、ドリス・ヴァン・ノッテンの2017 S/Sコレクションです。


ミャンマーの素材を使用して、同じテイストを再現したいと考え、コレクションで使われたテキスタイルを念頭に置きながら、このところ市場で生地を探しています。
そうしたイメージに沿って、作ったのが下のワンピースです。



<引用、終わり>

この映画を観て、ドリス・ヴァン・ノッテンがインドの色彩感覚やファブリック、刺繍にインスピレーションの多くを負っていて、インドに刺繍のための工房を構えて、ヨーロッパから選任のスタッフを送って駐在させていることを知りました。
ミャンマーでも同地の素材をハイ・ファッションへ応用することができないかなと、やはりミャンマーに住む身としては考えました。

現在、日本は真冬で体が東南アジアの気温に慣れている者にとって、寒いことこの上ありません。今朝、外を見るとうっすら雪が積もっていました。滞在しているのは、九州の福岡なんですけど。


防寒のため、昔、被っていた毛糸の帽子を実家で探し出しました。



タグを見ると、ドリス・ヴァン・ノッテンでした。
これはシンクロニシティというやつでしょうか?

面白かったらポチってね
  ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓  
にほんブログ村 海外生活ブログ ミャンマー情報へ
にほんブログ村

2018年1月27日土曜日

【お役立ち情報】郵送でミャンマー・ビザを取る場合の注意点

現在、ビジネス・ビザの再申請のため、日本へ一時帰国中です。
私は実家が福岡なので、郵送で在日本ミャンマー大使館へパスポートと必要書類を送って、1年間有効のマルチプルのビジネス・ビザを取得しています。
ミャンマー大使館は、郵送でビザを取得する場合は、レターパックを推薦しています

今回の申請では、一昨年の申請時にはなかった指摘があり、処理を止められました。
これから郵送で申請される方の参考に、前回との変更点をお知らせします。

ミャンマービザの申請費用は、「VISA FEE」と「VISA SERVICE FEE」の二種類の料金に分かれています。

http://www.myanmar-embassy-tokyo.net/visa2017/

私はこの取得費用を合算した合計金額を銀行へ振込んで、申請書類と共に振込用紙を郵送しました。 一昨年前は、それでも問題はありませんでした。
今回の申請でも合計額を振込んだところ、「VISA SERVICE FEE」は、銀行振込ではなく、現金書留で別送しろとの指示が大使館よりありました。
いったん振込んだお金は、返還されないので、これから郵送でビザを取得する方は、お気をつけ下さい。

参考になったらクリック!
  ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓  
にほんブログ村 海外生活ブログ ミャンマー情報へ
にほんブログ村

2018年1月19日金曜日

【1月21日(日)】日本語通訳付きで注文服が作れます【Princess Tailoring Shop】

1月21日(日)10:00~12:30の間、日本のNGO AAR Japanさんが運営するテイラー・ショップのPrincess Tailoring Shopに、日本語通訳ボランティアのLさんが入ります。


ロンジーやワンピースなどのオーダーメイドの服をミャンマーで作ってみたいけれど、言葉の壁でためらっていた方は、これを機会に作ってみてはいかがでしょう?

ミャンマーの布を使用して作った、店舗で販売している既製服をご参考のため掲載します。

ロンジー生地を使用したワンピース

男性用ロンジー生地を使用したブラウス








シャン州産のコットンを使用したワンピース

Princess Tailoring Shop 【No.8 Ground Floor, Nyaung Tone Road, Sanchaung Township, Yangon (レストラン喜洋洋の二軒左隣)】

せっかくミャンマーにいるんだから、ミャンマーの素材を使って、
ミャンマーで作った服が着たい、と思ったらクリック!
  ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓  
にほんブログ村 海外生活ブログ ミャンマー情報へ
にほんブログ村

2018年1月18日木曜日

ミャンマーでムーミンについて考えた

ネットのニュースを見ていたら、先日のセンター試験にムーミンに関する問題が出たことが、疑問視されて波紋を呼んでいるようです。
先日の大学入試センター試験で「ムーミン」に関する出題がありました。
この出題を問題視する大阪大学の研究者らは17日中に入試センターに「意見書」を提出する予定で、ずいぶん波紋が広がっています。
(問題)「フィンランドに関するアニメーションと言語との正しい組み合わせを選べ」
センター試験の地理Bでは、アニメ「ムーミン」と「小さなバイキングビッケ」の舞台をたずねる問題が出ました。原作者のトーベ・ヤンソンはフィンランド人。出題者は「ムーミンの舞台はフィンランドで、ムーミンとフィンランド語を結ぶのが正解」としました。
これに対し受験者らからは「ムーミンの舞台なんてわからない」などと不満が続出しました。さらに15日、大阪大学の研究者がこの出題を問題視する見解を示し、波紋が広がったのです。
「曖昧な情報に基づきつつ問題を出しているというのは、どういうことなのかと疑問を持っている」(大阪大学大学院 スウェーデン語研究室 古谷大輔准教授)
阪大のスウェーデン語研究室はそもそもムーミンの原作はスウェーデン語で書かれていると指摘します。
「Mumindalenというのがムーミン谷のこと。これはスウェーデン語になりますね」(古谷大輔准教授)
試験問題では、ムーミンとフィンランドを結び付けるため、原作もフィンランド語で書いていると誤解させる危険性もあると指摘します。また舞台がフィンランドという点も、強い根拠がないといいます。
これは、つまりムーミンが住んでいるのはムーミン谷であって、フィンランドではないということでしょうか?

生まれて初めて買った(買ってもらった)レコードは、ムーミンの主題歌が入ったEPなので、ムーミンには少しばかり思い入れがあります。幼稚園に入る少し前の時期に、縁側に座って、木漏れ日が揺れる庭を眺めながら、ポータブル・レコードプレイヤーで繰り返しムーミンのレコードをかけていたことが、平穏な幼少時の原風景として記憶に残っています。日曜日の午前中にTV放映されていたアニメも毎週見ていました。少し後になって、幼稚園に入園した時は、粗暴だったり底意地の悪い園児に遭遇するたびに、「あぁ、早く家に帰ってムーミン聴きたいな」と子供ながらに考えていました。
長じてサラリーマンになって、(私にとっては)全然面白くない会社の飲み会に参加していた時も、「あぁ、早いとこ、ここ抜け出して、ブルーノート行って、ジャズ聴きたい」と考えていたので、三つ子の魂百までというのは本当かもしれません。

ちなみにミャンマーでは、ムーミンはまったく知名度がありません。まったく気候の異なる北欧のキャラクターだから当然かもしれませんが。
ミャンマーでのムーミンの思い出は、去年、サンチャウン通りの生地屋でムーミン・プリントの生地が、店頭でバーゲンになっていたことです。もちろん生地はミャンマー製ではなく、韓国製でした。その時は面白いとは思ったものの、必要がないので買いませんでした。


その後、一時帰国する用事ができた時、日本にムーミン好きな友人がいるので、ミャンマーでムーミン・プリントを使ったプルオーバーをお土産として作ることを思いつきました。生地代と縫製費を合わせて、たしか1000円程度だったと記憶しています。こんな風に気軽にカスタム・オーダーできるのが、ミャンマーのいいところです。


その際、同じ店を訪れて、ムーミンの生地を買うのにとても苦労しました。ムーミンが店頭から片付けられていて、どこにあるのかわからない。店員さんに「ムーミン!、ムーミン!!」と連発しても、ムーミンはミャンマーでの知名度がゼロのため通じない。仕方ないので、くまなく店の棚を漁って、ようやく奥の方にしまい込まれたムーミンを発見しました。
生地を指差して「ムーミン!、ムーミン!!」と店員さんに教えてあげましたが、彼女たちはムーミン憶えてないと思います。

ちなみに、センター試験の設問の中に同じく北欧キャラのビッケが選択肢に入っています。


ビッケもアニメ化されてTV放映されていましたが、たしか小学生の頃だったと思います。ノベライズされたのか原作だったのか不明ですが、小学生の時、ビッケの登場する本を読んだ覚えがあります。コイツはたしか頭が切れて、腕力自慢の他の荒くれヴァイキングたちが手で石を運んでる時に、投石機使ったりして、一人で楽して成果上げていました。
私の経営哲学の原点は、このビッケの戦略思考からの学びにあります。もちろん嘘です。
というか思い入れないので、あまり憶えていません。
ネットで検索したらこんなんでした。


スウェーデンのキャラなのに、ノルウェーサーモンの広告に登場していて、もう何が何だか分かりません。
だいたいコイツは、親父がヴァイキングの王様だったので、略奪とか侵略とかが家業だったはずです。


殺伐としたヴァイキングの世界に生きるビッケ(たとえ、ビッケは争いが嫌いなキャラ設定だったとしても)よりも、のんびりとムーミン谷に暮らすムーミンの方が、私にとっては魅力的な生き方に感じられます。
おそらく、大多数のミャンマー人にとってもそうでしょう。
そういえば、ミャンマーの環境に耐えられるのは、ムーミン・キャラの人が多いような気がします。キリキリした、利に敏いタイプの人は向いてません。私見ですが。
5年前にはやたらいた、射幸心溢れる山師タイプの人は、ここ2、3年で見事にミャンマーで見かけなくなりました。
ハイリスク・ローリターンの市場環境の中で、自分の好きなことを見つけてコツコツやる人が、基本的にミャンマー向きだと、私は思っています。
努力が報われるか報われないかは、仏陀の謂う因果の法則に委ねるしかありません。あなたの前世のカルマが、今世での成功を阻まないことをお祈りいたします。
ミャンマー進出を検討されている方は、まずはご自分のムーミン度をチェックすることから始めたらいかがでしょう?

ムーミンみたいにのんびり生きたいと思ったらクリック!
  ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓  
にほんブログ村 海外生活ブログ ミャンマー情報へ
にほんブログ村