2017年7月18日火曜日

ミャンマー的でない商品を作ったら予想外に反響があった

前回の日本への一時帰国が6月中旬で、ショップの店頭に夏物の服がたくさん並んでいる時期でした。ミャンマーの気候で着れる服がたくさん見れるため、おそらく百軒以上のショップを回りました。ユニクロ・しまむらから、ディオール・プラダまで、センスやテイストや価格帯を絞らずに、とにかく目に入るすべてのお店に入りました。

ミャンマーの素材を使用した服を作っている自分にとって、参考になるかなと思ったのが、ヨーガンレール、45rpm、Kapitalなどの素材感を中心に商品を組み立てているブランドです。

それとは別に、女性の最大公約数的な嗜好を見て取ることができるのが、いわゆるセレクトショップです。ビームス・ユナイテッドアローズ・シップス・トゥモローランドや、セレクトショップの定義からは外れるでしょうけど、ジャーナルスタンダードやアーバンリサーチのような中庸さ — とんがってはいないけど、そこそこオシャレ — が特徴であるショップを見ていると、どのショップにも共通して置いている商品があるのに気がつきます。
そうした商品のひとつにギャザーやプリーツを入れてドレープ感を出した着丈長めのドレスがありました。

以前の投稿にも書いたとおり、ロンジー用の生地以外でも服を作ってみようと考えていたので、こうしたタイプのデザインのドレスのサンプルをいくつか作ってみました。
素材はシャン州産のコットンを使用しています。
モデルは、Princess Tailoring Shopで月二回 日本語通訳のボランティアをしていただいているLさんです。

脇にタックをふたつ、スカート部分に大きなセンタープリーツを入れたVネックドレス
独特なドレープ感が出ています



SOLD OUT

ウエスト部分にタックを入れたVネックドレス 
胸元とウエスト部分に細かいギャザーが入っています


M, Lサイズ:サンプル特別価格 40,000MMK(通常価格 45,000MMK)

サンプル完成後に、ミャンマー最大の外国人SNSコミュニティであるYangon Connectionに投稿してみたところ、予想外に反応が大きかったことに驚きました。
夜中に、「素材は何?」とか、「まだこれは店に残っているの?」とか、どんどんミャンマー在住の外国人からDMが入ってきて、対応に追われました(といっても、スマホぽちぽちやって返信しているだけなんですが。夜は酒が入っているのでけっこうキツい)。
ただし、こうした場合も、わざわざお店に来てまで買うかどうかとなると別なので、あまり期待はしていませんでした。お店の立地は住宅地で、近所に住む人以外はあまり来ない場所ですし。
週明けの昨日、お店を見てみたらサンプル商品の半分くらいが売れていました。SNSでの反応が実際の売上げに直結したのは、これが初めてかもしれません。

「ミャンマーの素材を使って、ミャンマーで生産する」のがブランド・ポリシーなので、「商品には当然ミャンマーのエスニックなテイストが入っているべき」と今まで思っていましたが、消費者(主にミャンマー在住外国人)は必ずしも商品に「ミャンマーらしさ」を求めていなかったということでしょうか。
ミャンマーの素材を使って、ミャンマーで作って、ミャンマーで販売しているのだから、「商品には当然ミャンマーのエスニックなテイストが入っているべき」というのは、私の思い込みであった可能性が高いです。
セレクトショップで売っている同タイプの商品の価格帯が、12,000円~20,000円くらいなので、三分の一から五分の一の価格でミャンマーで手に入ることへのお得感があるのが理由のひとつかもしれません。
ともかく、世の中やってみないと分からないことがあるな、と改めて感じました。

Princess Tailoring Shop 【No.8 Ground Floor, Nyaung Tone Road, Sanchaung Township, Yangon (レストラン喜洋洋の二軒左隣)】


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2017年7月16日日曜日

【YANGON CALLING】新しいコンセプトで作ったドレスのモデル着用写真

前回の投稿でお知らせした通り、いままでロンジー向けの生地で生産していた洋服を、デザインの可能性を広げるため、サイズに制限のあるロンジー用の生地に限らずに、ミャンマー産の生地を使用して洋服を作ることにしました。

出来上がったサンプルを、Princess Tailoring Shop で日本語通訳のボランティアをしていただいているLさんに着てもらいました。





素材はシャン州産の良質なコットンを使用しています。
いずれのサンプルもフリーサイズで、通常価格45,000MMKのところ40,000MMKの特別価格でショップにて販売しています。

Princess Tailoring Shop 【No.8 Ground Floor, Nyaung Tone Road, Sanchaung Township, Yangon (レストラン喜洋洋の二軒左隣)】


 
以前の投稿でご紹介したVinya Couture ローカルファッションにエシカルな視点をプラスした「メイド・イン・ミャンマー」 というWebの記事に掲載されていました。
何度かブログに書いたことがありますが、縫製業は加工品として最大の輸出シェアをミャンマーで持つものの、生地などの素材はすべて中国等からの安価な輸入品で、ミャンマーの役割は低廉な人件費を利用した縫製作業のみとなっています。大規模な縫製工場が請負うのは、欧米や日本のファースト・ファッション・ブランドであるため、ミャンマーの服飾文化を洗練させたり、文化的な独自性を追求したりといった方向には向かいません。
ミャンマー在住者として、請負作業の安さのみが利点とされ、自国では消費されてない衣服が製造され、輸出されていることに違和感を感じていました。
同じ問題意識が共有されて同時多発的にブランドが立ち上がって、ローカル・ファッションのムーブメントらしきものが起こってきているのは心強いです。

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2017年7月13日木曜日

【YANGON CALLING】ブランド・コンセプトを少し変えました New Desinged Dresses

YANGON CALLINGは、ミャンマーの素材を使用して、ミャンマーで活動するNGO AAR Japanさんによって製造されているブランドです。
ブランドのコンセプトは、「ミャンマーの素材を使って、ミャンマーで生産されたリアルクローズ」です。

いままで、ミャンマーの素材=ロンジー生地と考えて、ロンジー用の生地を使って商品を作ってきました。
ロンジー用生地の大きさは、ミャンマーの民族衣装の巻スカートに用途が限られているため、約100 x 180 cmが標準の大きさです。そのため、デザインはこの生地のサイズでまかなえるものとなっていました。
もっとデザインの可能性を広げたいと考えて、生地屋さんをいろいろと回ってみたところ、シャン州の生地で風合いが良く、色目がシックなものが見つかりました。こちらはヤード単位で注文して購入できるため、従来より大きなサイズの生地が手に入ります。
これからは、ロンジー用生地とともに、こうした地場で生産されたミャンマー産の生地を使って、生地サイズの制約からこれまで作れなかったタイプの服も作っていきます。

新しいコンセプトのもと、いくつかサンプルを製作したので、ご紹介します。プリーツを入れて、自然なドレープ感が出るように工夫しています。



 ツートンカラーのノースリーブ・ワンピース:フリーサイズ




ツートンカラーのラグランスリーブ・ワンピース:フリーサイズ

どちらもAAR Japanさんが運営するショップでご覧になって、試着できます。通常の販売価格は、45,000MMKですが、サンプル特別価格として、40,000MMKで販売しています。二つともフリーサイズです。これからいろんなデザインを試してみて、販売する商品を決めたらサイズ展開していく予定です。

Princess Tailoring Shop 【No.8 Ground Floor, Nyaung Tone Road, Sanchaung Township, Yangon (レストラン喜洋洋の二軒左隣)】


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2017年7月8日土曜日

【Princess Tailoring Shop 】店休日と日本語通訳ボランティア駐在日のお知らせ

Princess Tailoring Shopは、本日7月8日(土)はミャンマーの祝日「ワソ満月の祭り」のため休業します。
このショップは、ミャンマーの障がい者の人びとへ縫製等の職業訓練を施し、社会参加と経済的自立を支援する日本のNGO AAR Japanさんによって運営されています。
明日よりショップを営業いたしたますので、ご来店をお待ちしております。

Princess Tailoring Shop 【No.8 Ground Floor, Nyaung Tone Road, Sanchaung Township, Yangon (レストラン喜洋洋の二軒左隣)】


今月よりはじめた、ショップでの日本語通訳ボランティアさんですが、次回は7月16日(日)10:00~12:30と7月30日(日)10:00~12:30に入ります。
日系旅行会社に務める日本語堪能なミャンマー人、リン・モン・アウンさんに通訳ボランティアをつとめていただきます。
この機会に、日本語通訳付きで、ロンジー・エインジーやドレスなどをお店で仕立ててはいかがでしょう。



彼女は長身でとても洋服が似合うので、YANGON CALLINGのワンピース・ドレスを着てモデルになってもらいました。

Lサイズのワンピースを着用

このワンピースの詳細は、こちらの投稿で読めます。

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2017年7月2日日曜日

サンチャウンも国際化したなあと思う瞬間〜Aung La N Sang凱旋試合観戦記

一昨日の6月30日は、シンガポールの総合格闘技運営団体のイベントOneがヤンゴンで開催されました。
メインイベントは、ミャンマーの国民的英雄Aung La N Sangが挑戦者として、ロシア人のミドル級チャンピオンと対戦するカードです。
ほぼ毎晩行っている、近所のビアステーションWin Starが、この対戦を目当てに客が集まり、スポーツバー状態になっていました。


Aung La N Sang選手はミャンマー人としてはかなり大柄で、そのせいか対戦相手もほとんど欧米人です。活動拠点はアメリカに置いていて、普段は西海岸で生活しています。
ミャンマーのラウェイ(ミャンマー式キックボクシング)の選手は、たいてい農村顔で、いかにも叩き上げの地方出身者ぽい雰囲気の場合が多いです。70年代の輪島とかガッツ石松とかのプロボクサーを思い浮かべれば、日本人には想像がつくのではないでしょうか。
その中でこの選手は、かなり垢抜けた都会的な雰囲気を持っています。
学校もインターナショナル・スクールに通っていたようですし、アメリカ在住ということもあって英語も堪能です。他の選手とは異なる中産階級的な出自を感じさせます。
そして、この人はカチン人で、国民的英雄でありながら、マジョリティであるビルマ人ではありません。
いろんな意味で、他のミャンマーのラウェイ選手とは毛色が異なります。


夕方6時半から飲みはじめたのですが、このカードがはじまったのが、10時前くらいでした。ずっとビール飲みっぱなしなので、この時点でぐでんぐでんです(笑)。
さすが国民的英雄の凱旋試合だけあって、周りのミャンマー人の熱狂が凄い。
有効打やマウントポジションになるたびに、ウォーと地鳴りのような雄叫びが上がります。立ち上がって拳を突き上げる客もいます。


試合は最終ラウンドまでもつれて、判定でAung La N Sang選手が勝利しました。
この時も、店内に歓声が沸き上がりました。


後ろの席には、ロシア人らしきグループが観戦していました。4、5年前は、Win Starで飲んでいる外国人は私一人だったのですが、サンチャウンも国際化しました。
以前にも書きましたが、サンチャウンはあと3年くらいするとタイのカオサンみたいなエリアになるのではないかと思っています。
サンチャウンの案内の記事については、こちらをご覧ください。

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2017年6月29日木曜日

ミャンマーでパリコレ風ドレスを製造しました

以前の投稿でもご紹介した、ドリス・ヴァン・ノッテンを参考に製作したドレスのS, Mサイズが売り切れたため、新たに商品を補充しました。

ドリス・ヴァン・ノッテンの2017 S/Sコレクション


Sサイズ:35,000MMK

Mサイズ:35,000MMK

すべて一点物ですので、気になるものがあれば、お店でご覧ください。このタイプの生地の在庫が切れたため、これが同タイプ最後の商品になります。

Princess tailoring shop 【No.8 Ground Floor, Nyaung Tone Road, Sanchaung Township, Yangon (レストラン喜洋洋の二軒左隣)】
 

同型のモデル着用写真

YANGON CALLINGの商品は、ミャンマーで障がい者の方への職業訓練を施し、社会参加と経済的自立を支援する日本のNGO AAR Japanさんにより製造されています。
詳しくは、 YANGON CALLINGのFBページをご覧ください。


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2017年6月20日火曜日

Princess Tailoring Shop 日本語通訳ボランティアのお知らせ

【訂正】6月21日記
 Princess Tailoring Shopへの日本語通訳ボランティアさん駐在の時間は、通訳の方の都合により、6月24日(土)14〜17時から、7月1日(土)14〜17時に変更になりました。

ミャンマーで障がい者への職業訓練を実施している日本のNGO AAR Japanさんによって運営されている、サンチャウンのショップ Princess Tailoring Shopに、ミャンマー人日本語通訳ボランティアの方が入ることになりました。

今回は、6月24日(土)14〜17時 7月1日(土)14~17時の時時間帯にいらっしゃいます。
ミャンマーでロンジーやドレスを等製作したいものの、コミュニケーションに不安があって踏み切れないという方は、この機会に今回いらっしゃってはいかがでしょうか?

Princess tailoring shop 【No.8 Ground Floor, Nyaung Tone Road, Sanchaung Township, Yangon (レストラン喜洋洋の二軒左隣)】


新作のドレスも出来上がったので、紹介します。

Sサイズ:35,000MMK

絣ぽい模様のロンジー生地を使用したワンピースです。ヨーガンレールぽい渋さが際立つ一品です。一点物なので気になったらお早めにショップでのチェックをお勧めします。

いままでロンジー用の生地を使用して洋服を作ってきましたが、少しコンセプトを変えてみようと検討中です。プレーンなデザインで作っていたものの、ロンジー用の生地を使用してる限り、どうしてもエスニックな要素が強くなります。
また、ロンジー用の生地の場合、布の幅・長さがあらかじめ決まっているため、デザイン上の制約があります。
これからは、希望するヤード長で買えるミャンマー産の生地も使って、これまで作ってなかったタイプの洋服を作ってみてはどうかと考えています。

先週所用で一時帰国した際、ハイブランドからファースト・ファッションブランドまで、ショップを100軒以上回って、様々な商品をチェックしました。
今回は時期的に夏服が多かったので、ミャンマーでのファッションを考える際に、ずいぶんと参考になりました。
たいていのショップに揃えている、レディースの定番的な服がありますが、ミャンマーでは、そうしたタイプの服は、ほとんど売っていません。そうした服を、ミャンマーの素材を使用して作ってみたらどうだろうと思いました。

H&Mやハニーズなどのファーストファッション・ブランドの服はミャンマーの工場でも作られていますが、生地も副資材もすべて中国等からの輸入品が使用されています。
作られた製品は、消費地のアメリカ、ヨーロッパ、日本などで販売され、生産地のミャンマーでは売られていません。
廉価な労働力を利用することだけを目的にミャンマーの工場で大量生産されていて、そこにミャンマー独自の美意識を反映させたり、ミャンマーで新たな服飾文化を生み出そうとする意思は存在しません。
労働力の安さ以外に、ミャンマーで事業を行う必然性はないので、率直に言ってミャンマー在住者にとって、あまり面白いビジネスモデルには見えません。
また、近年こうした大規模な縫製工場における労働条件の過酷さや、低賃金による搾取なども社会問題化しています。

ポートランドのローカルビジネスがモデルとして注目されているのは、こうした過剰なグローバリゼーションが引き起こす問題に対する、オルタナティブなシステムによる解決策が提示されているからしょう。


また、エコノミストの中にも水野和夫氏のように、グローバル化に向かっていた経済が今後、ローカル化に向かうと予測する人が現れています。 氏は「より遠く、早く、合理的に」から「より近く、ゆっくり、寛容」な、市場主義でない資本主義の到来を予測しています。


上に書いたとうり、これからは、ロンジー以外のミャンマー産の生地を使って定番的な服や、日本のトレンドを少し取り入れた気軽に着れる街着を作ってみようかと考えています。 そんなことを考えつつ、最初のサンプルを作ってみました。

 フリーサイズ:45,000MMK --> サンプル価格 40,000MMK

ミャンマーのシャン州産の生地を使ったツートンカラーのプルオーバー・ドレスです。



ロンジーの生地にはない長さの生地を使っているのと、ギャザーを入れたデザインにより、自然なドレープ感が生まれました。
こちらも一点物ですので、気になったらお早めのチェックをお勧めします。

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