2016年4月17日日曜日

バンコクでワンピースとソーシャル・ビジネスについて考えた

水祭の期間中、ヤンゴンの喧噪を避けてバンコクで過ごしています。
バンコクでも水祭をやっていますが、ヤンゴン程の狂乱状態でもないので、それほど激しく水を掛けられることもありません。参加したい人同士で、楽しくやっているという趣です。


せっかく大都会のバンコクに来たので、ミャンマーで製作中のワンピースのヒントになりそうなショップや場所を訪ね歩いています。
タイは亜熱帯の気候で、固有の布文化を持つという、ミャンマーと気候・文化が近しい国なので、参考になる事柄も多いです。
そして当然のように、伝統的な布を使用したり、まだ地域社会に残る手仕事を活用したワンピースも製作・販売されていました。
やはり人間の考えることは、大差がないですね。

プロンポンのショッピングモールEmQuatierでのタイの独立系デザイナーによる展示販売のコーナーにも、ワンピースがありました。



同じくEmQuatier内のタイ人デザイナーのブランドを集めたフロア。
ここはエスニック色より、コンテポラリー寄りのテイストが強い服が多かったです。
展示も趣向を凝らしています。ミャンマーでは、こうしたディスプレイ方法は見れません。
タイとミャンマー、何でここまで差がついた。慢心?、環境の違い?




次は、バンコクを代表する高級モールのSian ParagonのThai Exoticコーナーの展示です。

チェンマイを拠点に活動するデンマーク人により運営されているブランドGingerのコーナー。
このブランドの商品は、デンマークとタイのテイストを融合させたブランドとして一部で人気が高く、日本でも販売されているそうです。
現地のフリーペーパー読んでいたら、もともとは日本のFrancfrancなどにホームウェアを卸す事業を営んでいたが、中国と競合し始めたため、オリジナル・ブランドに戦略を切り替えたのが、ブランドの始まりという創業者のインタビューが載っていました。


これは、また別のタイブランド。


やはり外国人の居住者・観光客の数が多く、ローカル客の商品に対する要求水準も高いせいか、展示方法や商品力の高さはミャンマーの数歩先を行っています。
市場で揉まれている分、ローカル素材の魅力を生かした商品への落とし込みが上手いですね。

これはミャンマーでも参考になるのではないかと思ったのが、Lofty Bambooというフェアトレードのお店です。モン族やリス族といった、ミャンマーでお馴染みの少数民族の伝統的な素材を使用して、細部まで作り込んだ商品が販売されています。店舗のインテリアもなかなか洗練されています。




シンプルで普段使いできそうなデザインのワンピースもありました。


もうひとつ参考になると思ったのが、トンローのBlue Dye Cafeの隣にあったお店です(ショップ名不明)。

Blue Dye Cafeの店内

ニットのワークショップと洋服の販売を兼ねたショップです。




Blue Dye Cafeは居心地の良いカフェなので、何回か行っていましたが、ここは入口が奥まった場所にあり、木立に隠れているので、今まで気付きませんでした。


外から見たお店の入口

ミャンマーで活動するNPOのAAR Japanさんも職業訓練校と工房を兼ねたスペースを持ち、ヤンゴンのサンチャウンでPrincessというオーダーメイドのテイラーショップを運営しているので、こうした雰囲気に改装すれば、外国人客を呼び込むことができるのではないかと思いました。


ずっと同じ場所に居て、考え続けていても煮詰まることが多いので、視点を変えたアイディアを得るために移動することも大事だなと改めて感じます。

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2016年4月14日木曜日

ミャンマーでワンピース作っています3〜試行錯誤中

現在、ミャンマーの民族衣装のロンジーに使われる伝統的な生地を使って、ワンピースを作成する企画を進行中です。
この企画についての前回の投稿は、こちらです。

型紙は日本のパターン製作会社が作成していますが、ワンピースの製作は、ミャンマーで活動するNPOのAAR Japanさんにお願いしています。



出来上がったサンプルの写真を送って頂きました。



想像していた出来上がりと何かイメージが違う。

1枚目の写真は、生地の柄が上下逆になっています。
2枚目は柄の方向は合っているが、上部が無地で、最下部で柄がちょん切れているので、寸詰まって見えて全体のバランスが良くない。
生地の種類によって無地部分が上部に多くあったり、下部に多くあったりするので、機械的に最上部に型紙を当てて製作すると、全体のバランスが綺麗に見えるように柄が取れないことが判明しました。


縫製はさすがに丁寧で、裏地を付けて、指示書通りにポケットの内袋も付いています。

ただ全体のバランスが良くないと商品力がないため、型紙を当てる際のルールが必要と気付きました。

そこで作成したのが、こちらの案です。


生地の種類によって様々なパターンがあるので、このルールで統一できるかどうかは、まだ不明ですが、次回のサンプルはこのルールに則して製作することにします。

実際に製作してみると、いろいろと問題が出てきますが、初めての試みなので当然ですね。


まあ、いろいろと乗り越えるべき課題はありますが、作っている人たちのこういう笑顔を見ると気持ちが救われます。
そして細かい仕様・注文にも誠実に応えてくださる、担当のN氏にも感謝します。

この時期、ミャンマーは水祭の長期休暇の時期なので、次回のサンプルの出来上がりは、水祭明けの5月上旬頃になりそうです。

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2016年3月28日月曜日

ミャンマーでワンピース作っています2

前回ブログに書いたように日本のパターン製作会社さんにお願いして、ミャンマーのロンジー用の布でワンピースができるようパターンを作成していただきました。
その様子は、パターン製作会社さんが書いている、このブログでもご覧になれます。



日本の福岡で製作されたパターンを持って、ミャンマーに帰ってきました。


そして、今度はそのパターンでの縫製をお願いするために、ミャンマーで活動するNPOのAAR Japanさんに持ち込みます。
何度か書いていますが、AARさんはミャンマーの障碍者の人々へ縫製技術やコンピュータ等の技能研修・職業訓練を実施し、経済的・社会的に自立する支援活動をされています。




 実際にパターンを持ち込んで、縫製担当の責任者の方に見てもらうと、気がつかなかった問題が出てきます。たとえば、ミャンマーの布は、洗濯すると結構縮むので、その縮小分をどう処理するか。元パターンよりも大きめに裁断するという案も出ましたが、それでは誤差が読めません。一度、すべての生地に洗いをかけてから、縫製することにしました。実際にやってみると、最初に考えていたよりも、多くの工程がかかります。また、ロンジー用の生地が直接全身に当たると肌触りが良くないため、インナーを差し込む必要もあるといことが分かりました。

サンプルの完成が3月下旬、その後水祭を挟むため、出荷できるのは5月上旬となりそうです。

今回は、直接日本でパターンを取りに会社にお伺いして、それを持って縫製する場所まで運ぶという超アナログの方法を取りましたが、パターンのCADデータを出力するプロッターがあれば、ネットでデータをやり取りして、作業が完結するようです。
JICAの指導先の途上国の協力工場で、縫製用のCADソフトとプロッターがあることが多いそうなので、お心当たりのある方はお知らせください。

AARさんに行った帰りの足で、今度は近所の家具屋さんで、商品展示用のハンガー製作の注文をしました。


 ZEPHYR
No.33(D1), Myaynu Street, Myaynigone, Sanchaung Township, Yangon

ここは、在ミャンマー・アメリカ大使館に納品したり、イタリアや日本へ家具を輸出している、ミャンマーでもレベルの高い家具作りで知られたショップです。

水祭を挟むため、商品の完成にはしばらく時間がかかりそうですが、ワンピースの出来上がりが楽しみです。

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2016年3月26日土曜日

一時帰国からヤンゴンへ帰ったら、自宅が占拠されていた

一昨日、日本よりミャンマーに帰国しました。
2週間弱の日本滞在でしてたが、温度差が30度以上あったので、かなり寒く感じました。帰国前日には、早咲きの桜が見れたのが嬉しかった。



そして、一昨日の夕方にヤンゴンの家に帰って来たら、なぜか生まれたての子猫が部屋にいる。



以前から、勝手に家に出入りしていた野良の三毛猫の子供らしい。
近づくともの凄く怖い顔をして威嚇する。いや、こっちの方が前から住んでたんだけど。


足でつついたら、思い切り猫パンチされて引っ掻かれた。


子猫がちゃんと動けるようになるまで、居候されそう。

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2016年3月19日土曜日

ミャンマーのテキスタイルを使ったワンピース作っています1

現在、トートバッグに引き続き、ミャンマーの伝統的なテキスタイルを使ったワンピースを商品企画中です。

ミャンマーには、地域毎に特色のある、多様で豊かなカラフルな布文化が存在します。
ただ、もったいないのは用途がほぼ民族衣装のロンジー(巻きスカート)とエインジー(ブラウス)に限られていて、あまり他の製品には応用されていないことです。



これだけの布文化の厚みと多様性があるのだから、もっと民族衣装以外の使い道が会っても良さそうなものだと、常々感じていました。

 



そこで、今回の一時帰国時に、パターニング専門会社のダブルループさんにお願いして、ミャンマーの生地を使った、女性向けのワンピースのパターンを作成してもらうことにしました。
ミャンマーの生地サイズの規格は、ロンジー作成に特化されているため、1枚タテ100~110cm x ヨコ170cm~180cmに統一されているのですが、このサイズで洗練されたフォルムのワンピースのパターンを引いていただくようにお願いしました。
同じ生地が複数入手できれば、規格サイズにこだわる必要はないのですが、流通が未整備なミャンマーでは、店舗にあるの商品はほぼ一点物のため、入手できる一枚の布で全体を賄う必要があります。

そうした制約条件の中で、綺麗なシルエットのワンピースのパターンを作成していただきました。脇の下の部分を少し絞っているのが、今までのミャンマーのファッションにはなかったパターニングの繊細さを感じさせます。




同じくパターンで、テキスタイルの種類を変えてデザイン展開する手法は、イヴ・サンローランの代表作のひとつモンドリアン・ルックを参考にしました。



最近のパリ・コレクションでも、婦人服のカラーリングの幅が広くなってきているので、ミャンマーの伝統的な素材もこの流れにハマるのではないかと思っています。



これから、日本で出来上がったパターンをミャンマーに持ち込んで、ミャンマーの伝統的な生地を使って縫製します。
どんな仕上がりになるのかが、今から楽しみです。



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