2015年6月30日火曜日

ミャンマー製トートバッグお店にあります

前回の投稿でお知らせした、トートバッグをお店に置かせてただきました。

今回置かせていただいたお店は、ミャンマークッキーで有名なボジョーマーケットの Sin Phyu Lay Souvenir shop さんです。

Sin Phyu Lay Souvenir shop②@Bogyoke market East A-40
Opening hour Tue~Sun 9:30~17:00


持って行った時に、ショップのスタッフの方にモデルになっていただきました。




バックと共に、以前の投稿でお知らせしたTシャツも置いていただいています。


お店は、ボジョーマーケットの中央入口を直進して、2つ目のブロックを右折してすぐの場所にあります。
ご興味があれば、美味しいミャンマークッキーと共に店頭で実物をお確かめください。

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2015年6月25日木曜日

ミャンマー製トートバッグ作りました

ミャンマーで、作りがしっかりした雑貨を見つけるのは、至難の技です。
負荷や過重がかかる部分を補強しなかったり、省略しても作業の効率化につながらない部分を無意味に手を抜いたりするので、モノとしての完成度がかなり低いです。
布のような素材自体は、日本人では思いつかないような配色やパターンで、面白いものが多いだけに、それを使った実用性の高い商品がないことを以前から残念に感じていました。

そんな訳で、一年くらい前から、ミャンマーの素材を使ったトートバッグの製造を企画していました。
なかなか良い仕事をしてくれる製造委託先が見つからず苦慮していたのですが、近所の友人F氏から日本のNPO AAR(Association for Aid and Relief)Japanさんを紹介していただき、今回完成に漕ぎ着けることができました。
AARさんは、ミャンマーの障がい者の経済的・社会的な自立を支援するため、障がい者向けの職業訓練校を運営しています。経験豊富なインストラクターがいらっしゃるため、完成度の高いモノ作りが可能です。


今回、製造したトートバッグはパターンは同一で、カラーは2種類です。
ミャンマーの伝統的なカラーリングとパターンによって作られた生地を使用しています。

 赤がベースカラーのもの

 青がベースカラーのもの

過重がかかる部分は、きちんと縫い代を取って補強しているので、ミャンマーの雑貨にありがちな、持ち手や底の部分が弱く実用に耐えないということはありません。

底部分もしっかりと縫い代を取って、縫い上げています。

持ち手部分は裏にナイロンを縫い付けて補強し、本体との結合部も縫い代を取った上、周囲を口状、中を十状に縫製して、重い荷物を入れても使用に耐えうる強度を保っています。

写真では分かりにくいですが、内側は一方は2つのポケット、もう一方はジッパー付きのポケット一つがついています。
長財布やスマートフォンを収納しやすいように工夫しています。

 二つのポケットがついた側

ジッパー付きのポケットがついた側

イメージとして、ウディ・アレンの映画『アニー・ホール』に登場する、ダイアン・キートンが持っていたバックを念頭に置いて作りました。


実際の製作は、AARさんのスタッフ中、最も技術の高いクリスタル・ソウさんへ担当していただきました。 クリスタル・ソウさんを起用していただいたAARさんに感謝です。

パターンから布の型取り

 型取りした生地をアイロンがけ

持ち手の縫製

バックのサイズは、上辺42.5cm、下辺25cm、高さ36cm、奥行き21cmです。
タブレットやA4のファイルがしっかり入るサイズです。
素材は、表地が綿100%、裏地には防水のためナイロンを張っています。

今回のトートバッグは、25USDで販売いたしますので、ご興味のある方はご連絡ください。

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2015年6月24日水曜日

ミャンマー最強のカフェRangoon Tea House

ヤンゴンに住みはじめた3年程前に、一人でゆっくり本が読めるカフェを探して、街を歩き回ったことがあります。
まずは、よくあるローカル仕様のカフェを試してみましたが、読書に向いていませんでした。
椅子が低過ぎて座り心地が悪いし、15分おきに偽托鉢僧や物乞いがやってきて、とても読書に集中できる環境ではありません。
その時期に外国人が想像するカフェらしいカフェは、Coffee Circleくらいでした。
ただ、Coffee Circleは飲み物が完全に外国人価格で、ミャンマーで普段使いのカフェとして使うには割高過ぎます。インテリアもBGMも微妙にズレていて、カフェとしての完成度も価格に見合っているとは思えませんでした(ここは、最近、改装しました。改装してからは行ってません)。

そんな訳で、ミャンマーでプライベートな空間が確保できる、居心地の良いカフェを探すのはずっと諦めていたのですが、最近ヤンゴンにもそうした空間を提供するカフェがいくつか現れはじめました。

現時点でミャンマー最強のカフェは、Rangoon Tea Houseだと思います。


開店して、まだ一年経ってないと思いますが、いつもお客で賑わっているようです。


お店へ行ったのはランチタイムが過ぎた、日曜日の午後3時でしたが、ほぼ満席でした。
客層は外国人とミャンマー人が半々です。


ミャンマーのローカル・カフェで一般的に飲まれている紅茶ラペイエが、一杯1720チャット。ローカル・カフェだと300チャットなので、ローカル価格の約5倍の値段ですが。この居心地の良さなら気になりません。
メニューもミャンマー料理を外国人向けにアレンジした料理が多く、中途半端なバーガーやサンドイッチ出す店より好感が持てます。ただ、食事の料金は、ローカル店の出すミャンマー料理の約10倍くらいです。

BGMの選曲にもぬかりがありません。


アレサ・フランクリンのDay Dreamingとダニー・ハザウェイのSomeday We'll Be Freeが続けてかかった時は、ここは本当にミャンマーか?、と思いました。
ミャンマーでこういう選曲に方向性とか一貫性がある店って、いままで一軒もなかったので。


オーナーはイギリス帰りの若いミャンマー人で、店に常駐してカフェの雰囲気を維持するよう目を光らせているようです。
従業員に任せて、店を放置しておくと、勝手にミャンマーのヒップホップとか大音量で流して、店のコンセプトや世界観を台無しにしたりしますからね(ミャンマーは、そういう店が多いです)。

ただ残念なのは、このカフェはダウンタウンに立地していて、私の住むサンチャウンからは遠いことです。タクシーで20~30分の距離です。

そんな訳で、いま近所の友人たちとサンチャウンでカフェできないかなと話し合ってます。店のスタイルは、ポートランド的なシンプルなスタイルで行きたいと思ってます。


看板もこんなシンプルな感じで。
こんな看板があれば、とうとうあの手の店がサンチャウンにできたのか!、と近所の外国人がほいほい入ってくると思います。
ミャンマー在住の外国人は、みんな行く店の選択肢が少なくて困っているので。
問題は、看板に見合う完成度の店が作れるかどうかなんですが。

という訳で、飲食のことが分かって、ミャンマー人のマネジメントができるカフェのマネージャーも探しているので、ご興味がある方はご一報ください。

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2015年6月22日月曜日

ミャンマーでTシャツ作りました

ミャンマー南部は、基本、年中Tシャツで大丈夫な気候です。
そんなわけで、普段から着る機会が多いTシャツですが、ミャンマー製で面白いものがなかなか売ってません。

そんなわけで、ミャンマーに関連したTシャツ作ってみました。



カラーリングは、ミャンマー国旗と同じです。


もちろん70年代に活躍した、プログレッシブ・ロックバンド "Emerson, Lake & Palmer"のもじりなんですが。


このTシャツのサンプルを着て、空港のロビーにいたら、知らないアメリカ人から「それ、ファンキーなTシャツだな」と言われました。
ウケ狙いで、着てもいいんじゃないでしょうか?
ある程度年齢いってないと、ELP知らないだろうから、年齢層選びそうですけど(笑)。

一枚7USDで販売しますので、欲しい方はご連絡ください。
サイズは、M, Lの2サイズです。

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2015年6月9日火曜日

ミャンマーの映画祭がマニアック過ぎた

5月29日から6月7日まで、MEMORY! International Film Heritage Festival in Yangonという映画祭が開催されていました。
映画関係者のカンファレンスと、無料でフィルム映写による過去の名作が鑑賞できるというイベントです。主催はMemory Cinemaという映画フィルムの保護と映画文化の啓蒙を目的に設立されたNPOで、ミャンマーにあるフランス文化センターも開催にあたって協力したようです。
Memory Cinemaによる映画祭は3回目で、過去2回はカンボジアのプノンペンで開催されています。
さすがに無料とは言え、平日昼間から映画観れるほど優雅な身分でもないので、積極的に情報を追っていませんでした。先日、久しぶりに行ったヤンゴンの洋書屋Monument Booksに行ったら、パンフレットがあったので手に取ってみました。


中を開いてびっくりしました。
今回の映画祭のテーマは女性で、女性を中心にした映画50本あまりが選出されて、上映されているのですが、選ばれた映画がかなりマニアックです。
まるで、大学の映研とか美大生が選んだみたいなラインナップになっています。

ゴダール映画のシーンとミャンマー語の組み合わせがシュール

ゴダールの『女は女である』とか、フェリーニの『甘い生活』とか、ルイ・マルの『地下鉄のザジ』とか。『メトロポリス』や『裁かれるジャンヌ』 のような、映画史に残る無声映画も選ばれています。
日本映画も選出されていて、溝口健二『西鶴一代女』、今村昌平『人間蒸発』、宮崎駿『となりのトトロ』、加藤泰『緋牡丹博徒 花札勝負』の4本が上映されています。
おそらくフランス人が中心にキュレーションしてるので、ヌーヴェルバーグもしくはヌーヴェルバーグに影響を与えている、または影響を受けた作品が多く選出されているのでしょう。

よっ、お竜さん

しかし、選ばれている作品がミャンマー人にはマニアック過ぎます。たぶんミャンマー人が観て喜ぶのは『となりのトトロ』くらいです。

私の知る限り、ミャンマー人には、人間の心の綾を巧みに掬いとった心理劇のようなタイプの作品に対する需要はありません。
観て喜ぶのは、派手なアクション映画か、単純明快なラヴストーリーです。また、ミャンマーでも、ディズニーとジブリの映画は、分かりやすいので人気があります。こうした作品は、観客に小学生がいることを想定して製作されていますから。
実際、いまヤンゴンの映画館で上映されている外国映画は、ディズニーの『トゥモロウランド』と『マッドマックス』です。ウディ・アレンの新作などは、ミャンマーの劇場ではかかりません。

啓蒙的な意図と芸術的な価値から、映画史に残る名作が選ばれているのでしょうけど、これは無料とはいえ、ちゃんと観客が動員できたのか心配になりました。
世界各国から50本あまりの映画のフィルムを調達して、ヤンゴンで上映するのは、かなりの準備が必要なはずですし、開催に際して、情報省などの関係省庁との調整などの作業量も膨大だったと思われます。
それだけ大変なことを実行するのなら、映画祭を盛り上げるために、ミャンマー人の嗜好も、ある程度は考慮に入れた方が良かったのではないかと思います。

ともあれ、フェリーニの『甘い生活』はフィルムで観たかったなぁ。
30年程前に福岡市西新にあった名画座で観て以来だもの。
もし、来年もヤンゴンで開催するなら、是非、行きたいですね。

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2015年5月28日木曜日

バンコクでヤンゴンを考えた(長文)


ミャンマーでは、ビジネスヴィザの滞在期限が最大70日なので、70日毎にいちど国外に出る必要があります。このときに、近場で、航空料金も安く、東南アジア屈指の都会で、買物や食事が便利なバンコクへ行く人が多いです。

私もご多分に漏れず、バンコクへミャンマー滞在70日を迎える毎に通っています。
一昨日も、バンコクに四日間滞在した後、またヤンゴンへ戻ってきました。
おそらくミャンマー在住外国人で、バンコクへ行ったことがないという人はいないでしょう。
そんなわけで、いまさらバンコクへ行ったことをブログ書いても新味がないので、この件について投稿したことはありませんでした。
ただ、毎年3〜4回もバンコクに行ってると、最初の頃は気がつかなかったことも見えてきたので、今回初めてバンコクについて書きます。

まず、ミャンマー(ヤンゴン)在住外国人にとって、 バンコクの評価はすこぶる高いです。「リーズナブルで、美味しいレストランがいっぱいある」、「街が(ヤンゴンに較べて)清潔」、「レストランはもちろん、屋台でも衛生的」、「買物に便利」、「街にアメニティが溢れている」などが主な感想です。こうした快適さ、食の安全性、利便性はミャンマーには存在しませんから。
ただ、何度もバンコク行きを重ねると、別の側面に気づいてきます

バンコクのショッピングモールを回っていると、消費市場が成熟し、 いまや洗練の域に達しつつあるように感じます。しかし大手資本のモールを見ていると、ほとんどが欧米のハイブランドです。有名なタイブランドはJim ThompsonとNaRaYaくらいです。これらのブランドは、どちらかと言えば観光客・旅行客向けのテイストが強いため、ローカル市場で支持されているかどうかは不明です(詳しい方教えてください)。

 
 高級モールGAYSONのテナント。たぶん日本で見たことがないハイブランド。

私が見た中で、唯一タイのドメスティックブランドがテナントとして入っている高級モールはSIAM CENTERです。ここは、日本人の感覚では思いつかないような、配色の服が多くて楽しいです。ただ、お値段も高めなため、コストパフォーマンスを考えると微妙で、購入には踏切れません。サイジングやシルエットも微妙に日本人の感覚と違っているので、これならビームスとかUAみたいな、日本のセレクトショップで買った方がいいかなと感じます。



SIAM CENTERの店内。かなり贅沢な空間の使い方をしています。

上の写真を見ればお分かりのように、タイのドメスティックブランドの店内は、かなり贅沢な空間利用のしかたをしています。一等地の商業施設でテナント代も高いに違いないだろうに、大きなオブジェを店内に置いていたり。その割に、実際に買っている客を見ることは少ないです。

PLAY COMME des GARCONSのショップ。 バンコクの街で若者が着てるのはよく見ますが(たぶん、ほとんどがコピー商品)、初めて実際に買っているシーンを見た。

こちらはウィークエンドマーケットで、コピー商品を売っているお店

やけに贅沢な空間利用のしかたと、その割に実需に基づいてないように見えるのは、1990年前後に全盛期を迎えた日本のバブル期におけるアパレル産業の勢いに似たものを感じます。
そう、バンコクに行く度に感じてくるのは、「これはバブル状態じゃないか? 」という実感です。
何だか商業施設の豪華さと実需が結びついている気がしない。しかも、主要なテナントは欧米のラグジュアリーブランドで、タイ独自のものが少ない。SIAM CENTERのように、ワンフロアがタイブランドで占められているモールもあるが、価格とデザインクオリティのバランスがあまり取れていない(チェックしたのはメンズのみです)。
どうも見た目のきらびやかさの割に、商品構成や実売の点で地に足が付いていないように感じられます。
たかだか、ショッピングモール回っているだけで、論理的な裏付けがあるわけではないのですが、皮膚感覚としてそれを感じます。

タイの経済について書かれたレポートで、よく俎上に上がるのが「中所得国のわな」に陥っているのではないかという、議論です。
「中所得国のわな」についての説明した記事があったので、以下に引用します。
(1) 「中所得国のわな(Middle Income Trap)」は2006年に世界銀行がその『東アジア経済発展報告』の中で明確に提起した概念である。新興市場国は人口1人当たりの国内総生産 (GDP)1000米ドルの「貧困のわな」を突破した後、急速にGDP1000~3000米ドルのテイクオフの段階を突き進む。但し、人口1人当たりの GDPが3000米ドルに近づくと、急速な発展中に蓄積された矛盾が集中的に爆発し、1人当たりのGDP1.1万米ドルを突破して高所得国の列に加わるこ とが出来なくなる。この種の発展の停滞を「中所得国のわな」という。

(3)「中所得国のわな」の10大特徴をかつてメディアが国内の著名専門家50人から聴取した意見を基に列記すると次のようになる。すなわち、[1]経済 成長の低下あるいは停滞、[2]民主の混乱、[3]貧富の格差、[4]“腐敗(汚職)”の多発、[5]過度の都市化、[6]社会公共サービスの不足、 [7]就職の困難、[8]社会の動揺、[9]信仰の欠如、[10]金融体制のもろさである。これらの特徴は専門家たちが「中所得国のわな」に陥っている国 を分析して総括したものであり、現実の問題を手本とする意義を持っている。
年間10日あまり滞在しているだけで、深いところまで分かるわけはないですが、 「[3]貧富の格差」と「[5]過度の都市化」は街を歩いて感じます。
繁華街には、物乞いの数も少なくありません。また、観光客があまりいない地域を歩いていると、先に述べたような高級モールとは縁のなさそうな人々をたくさん見ます。
都市化が行き過ぎているのかどうかは判断できませんが、車の渋滞が常態化しているところを見ると、都市設計が適切にされていないのではないかと感じられます。
それとバンコクの街は歩きにくい。
横断歩道があまりなく、対向車線をフェンスで遮っているため、通りの向こうに行くために歩道橋を探して渡らなくてはならないことが度々あります。
BTS(スカイトレイン)の線路に平行して下に遊歩道が通ってますが、駅があると通り抜けができないため、徒歩で先に行くには、いったん高架を降りて、駅の反対側に出て、また登り直さないといけない。
歩行者に配慮した都市設計がされていません。
現在では、都市計画の専門家は、徒歩や自転車で容易に移動できる、ポートランドのような街作りを理想にしています。徒歩や自転車で移動すれば、CO2も排出しないし、健康にもいいし、渋滞も生まないですから。こうした新しい価値観に沿っていないので、これから時代の潮流から取り残された都市になる可能性もあります。バンコクの渋滞がひどいのは、徒歩や自転車等の自動車以外の移動を考えなかった街作りの結果なのかもしれません。
ヤンゴンにはこうなって欲しくないなと思います。
でも、やりそうなんだね。
少し前にもダウンタウンの歩道を潰して、駐車場にして、一部の外国人を落胆させてたし。街歩きの楽しさとか、歩行者の安全性とかに配慮するようなセンスのある人が意思決定者に少ないです。
これは日本も同様なので、偉そうなことは言えませんが。地場資本の商店街や地域コミュニティが残っている、今となっては貴重な街の下北沢(ミャンマーに来る前に住んでました)を大手ゼネコンの利益誘導のため、行政主導で再開発しようとしていたし。

私も他のミャンマー在住者と同様、バンコクに対して高評価・好印象だったのですが、何度も訪れて街を歩いていると上述のような経験を重ねて、それなりに問題があるなと感じるようになりました。今まで、バンコクに行けば、美味しいもの食べて、いろんなショップ回って、リフレッシュして、気持ちが上がって帰って来てたのに、今回は何だか違う。
このもやもやした気分の落とし所を探して、「中所得国のわな タイ」でググってたら、以下の記事を見つけました。
2010年代に入って、アジア開発銀行や世界銀行は相次いで、新興アジア諸国が「中所得国の罠」に陥りつつあるという報告書を刊行し、従来型の要素 投入型成長路線に警鐘を鳴らした(末廣昭『新興アジア経済論』岩波書店、2014年)。タイもそうした国の一つである。その場合、注目されるのはもっぱら 製造業であり、イノベーションの推進や新製品の開発能力を重視する議論が主流である。しかし、タイからの輸出の3割を占める電子・IT製品と自動車・同部 品を製造するのは、大半が外国企業である。地場のタイ企業がこの分野に参入することは難しい。
一方、地場の企業、とくにCPグループをはじめタイのファミリービジネスが事業を拡大している分野は、国内資源を活用したアグロインダストリーと、 先に紹介したサービス産業の2つである。韓国や台湾が追求した工業化のパターンとも、中国が現在進めている工業化のパターンとも異なる、もうひとつの道で あった。
タイの経済開発計画を策定する国家経済社会開発庁(NESDB)のアーコム長官は、こうした道、つまり非製造業分野においてタイの競争優位を追求する考え方を、「創造的経済(creative economy, setthakit sangsan) への道」と呼んだ。また、タイの投資受け入れを統括する投資委員会(BOI)も、新しい投資奨励の分野として、国内資源の活用(食品加工やハーブ産業) と、ホスピタリティとウェルネスのアッピール(観光産業、医療・健康サービス産業など)を重視する方針を発表した。両者に共通するのは、タイらしさ (Thainess)に競争優位を見出そうとする姿勢である。
もちろん、タイらしさを追求する政策が、タイに持続的な成長をもたらすかどうかはまだ分からない。また、労働力不足が続けば賃金が上昇し、賃金が上 昇しても製造現場でイノベーションが停滞すれば、タイが「中所得国の罠」に陥る可能性は高い。しかし、「中所得国の罠」を論じる場合に、私たちはあまりに 製造業、とりわけ自動車産業やIT産業に目を向けすぎている。非製造業の分野、サービス産業にもっと注意を払ってもよいのではないか。その点を示している のがタイの事例だと私は思う。
これを読む限り、タイは製造業やITの分野でイノベーションを追求せずに、対外投資のさらなる促進や観光客を誘致する政策で、「中所得国のわな」を乗り切ろうとしているように思えます。ホスピタリティやウェルネスといっても、それを享受できる階層はタイ国内で限られているため、どうも中間層を厚くして内需を拡大する政策を取る気はないようです。
イノベーションを生む土壌を作るには、教育システムの充実・高度化や、個人の成果が正当に評価される社会的なフェアネスと透明性が必要条件ですが、実現するには時間を要します。教育システムなどは、改革してから成果が出るまで20年はかかりますから。

しかし、そもそもイノベーション抜きで、「中所得国のわな」を乗り切れるものなのでしょうか?
1997年のアジア通貨危機を予告して、一躍その名を高め、後に(2008年)ノーベル賞を受賞した経済学者ポール・クルーグマンは20年前に以下のように述べています。彼のセオリーが今も有効なら、タイの今後の発展は厳しいはずです。

以下に要約を引用します。
ポール・クルーグマンは1994年に「The Myth of the Asia’s Miracle(まぼろしのアジア経済)」の中で、
技術の進歩により、全要素生産性が持続的に増加する場合にのみ、持続型の経済成長は可能であり、生産効率の上昇を伴わない単なる資金投入の増大は、いずれ先細りになる。すなわち、資金投入増加型の経済成長には限界があり、かつてのソ連やアジアの高度経済成長がそれに当たる
ということを述べていた。
抜本的な制度の刷新や、地道な積み重ねの必要な解決策を避けて、成功の果実を得ようとする発想が、東南アジア的だと思います。
ミャンマーにはこうなって欲しくないなと思います。
でも、やりそうなんだね。
ミャンマーで過去3年の間ブームになった事業は、中古自動車販売、不動産販売ですが、いずれもブームが過熱して、参入が相次ぎ、過当競争に陥って、廃業する業者が続出というプロセスを辿っています。二つの経済ブームを経て、ミャンマーで自動車産業の技術が蓄積されたり、建築デザインや施工のレベルが上がったという話は聞きません。
短期的な利益を求めて同じ業種へ資金が殺到し、過当競争・供給過剰となって利益が得られないと見ると、すぐに見切って撤退しています。
各企業が経済活動を通して、技術水準を向上させ、商品・サービスの高度化を図り、顧客満足度を高め、社会的価値を実現するという、現代の企業に求められる長期的なヴィジョンが存在しません。
ミャンマーでは、ほぼ50年間、水道、電力、鉄道といったインフラ投資・開発がほとんどされていません。こうしたインフラの導入は、長期的な視野や計画性が必要とされる分野なので、上記のようなマインドセットなら、まったく手つかずだったのも納得できます。
日本も高度経済成長以降の成功モデルが、20年経っても描き切れていないので偉そうなことは言えませんが。

今回のバンコク行きでは、ミャンマーはタイの轍を踏んで欲しくないなと感じました。
ミャンマー在住者としては、ミャンマーが格差の少なく、誰もが社会的上昇を目指せる公平・透明なシステムを備え、環境負荷が少なく、歩くのが楽しい美しい街(まだ行ったことがないけど、ポートランドみたいな)で彩られた国になって欲しいと思います。
すごく紋切り型で、何のひねりのない望みですが。
トルストイの「幸福な家庭はすべてよく似たものであるが、不幸な家庭は皆それぞれに不幸である」という有名な箴言がありますが、幸福な国もよく似たものなので、理想の国を望むと紋切り型にならざるを得ないのかもしれません。

今回は固い話になってしまったので、以降は軽く流します。

今までバンコクで買物して良かったもの。

ウィークエンドマーケットが買った、Levi's 501XX BIG Eのレプリカモデル
日本で買うと27,000円くらいですが、ここで買うと800バーツ(約2500円)。
この値段だとガンガン穿いて洗濯できます。


今回バンコクで買ったもの。

ウィークエンドマーケットで買ったオニツカタイガーのスニーカー1,200バーツ。


同じくウィークエンドマーケットで買ったペイズリーパターンのシャツ350バーツ。


プラチナ・ファッションモールで買ったサンダル350バーツ。
クッションが入っていて歩きやすいです。これから雨期に入るミャンマーでは、長時間歩けるサンダルが必需品。


バンコクとヤンゴンの比較

マーケット
Weekend Market

Theingyi Market

野良犬
バンコクの野良犬。やけに太ってます。いいもの食ってるみたい。

ヤンゴンの野良犬。痩せているが、数でバンコクを圧倒。

今回、泊まったアパートメント。

Airbnbでスティーブさんの部屋を借りました。
バンコクに行くときは、洗濯機・乾燥機がある部屋を借ります。スーツケースには、シーツとかバスタオルとかを詰めて行きます。ヤンゴンでは洗濯機のない生活をしているのと、水が茶色で洗った気がしないため、バンコクに洗濯物を持ち込んで、滞在中は洗濯機をフル稼働させています(笑)。
ジーパンもワンサイズ大きめを買って、ガンガン乾燥機にかけて縮ませてフィットさせる主義なので、強力な乾燥機があるのが望ましいです。


アパートメントからの夜景。チットロムのセントラル・ワールドの近くで、眼下に水上バスが運河を行き来するのが見えて、眺めが良かった。

レストランで飲むモヒート。
確か70バーツくらい。バンコクは政府の規制で、12:00~17:00のあいだ酒類販売が禁止されていたので、昼間にビールが飲めなくて辛かった。でも、カクテルは何故かOK。やっぱりリーズナブルな値段で、カクテルやコーヒーを飲める小綺麗な店があるのはありがたい。ヤンゴンにもこうした店が増えて欲しいです(切実)。


帰って来たらエアコンが壊れてて、いきなりミャンマーの洗礼を受ける(笑)。
養生という概念がなく、修理業者が廃材や切った銅線をその辺にまき散らかすのは慣れているけど、家のゴミ箱にキンマ(噛みタバコ)を吐き捨てるのは止めてくれと言う。


ミャンマーが洗練された、文化度の高い国になる道のりは険しい。

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