2014年8月20日水曜日

センスの良いヤンゴンの家具工房

ミャンマーに住んでいて問題になるのが、センスの良い家具屋さんがなかなか見つからないことです。ミャンマーはチーク材の大産地であるので、家具の材質は非常に良いのですが、デザインや使い勝手にかなり問題があります。
ローカルの家具店に置いている商品は、やたら大きくて場所を占有する、過剰に装飾的で概してシンプルなインテリアを好む外国人の嗜好に合わない、現地の生活様式に合わせているためテーブルや椅子の高さが低過ぎて使えない等の問題があります。どのお店でも置いている家具が、画一的なローカル向けにデザインされたもので、仕上げも雑な場合が多いです。
チーク材などの良質な木材が入手し易く、手作業を担う家具職人の数が多いにも関わらず、ミャンマーでの家具購入の選択肢は意外に少ないです。近年、外国人が増えたため、Facebookでもミャンマー在住外国人向けのフォーラムで、「どこか良い家具屋はないのか?」という質問を見かけるようになりました。
昨日、見学に行った家具工房がデザイン・品質ともに非常にレベルが高かったので、ご紹介します。

ヤンゴン郊外の北側に工房があり、林の中の奥まった場所に工房を構えています。


空港よりの場所で、ヤンゴン中心部からタクシーで30分程の距離ですが、街の喧噪から離れた閑静な所で辿り着くとほっとしました。

オーナー一押しの自信作のディレクターチェアです。1930年代のデンマークで作られた家具を研究して復刻したもの。背もたれと台座は上質なレザーを使用しています。

こちらは現在企画中の折り畳み椅子。背もたれの部分のデザインと畳んだ時の噛み合わせが良くないことに満足がいかず、研究開発中とのことです。このような完成度へのこだわりを持った工房は、ミャンマーでは貴重です。同地の製品は、概ね大味で雑な仕上がりなので。

職人さん達の作業風景。

ガレージに置いていた1952年式のジャガー。オーナーのこだわりや美意識が垣間見えます。

Sir. Bo Ni furnishings 826-C, Aungzaddy St. (Off Pyay Rd.) 10th Mile, Sawbwagyigone Insein Tsp, Yangon
Ph: 09 420158693
Email: sirbonifurnishings@gmail.com
Open: Mon-Fri 8 am to 6 pm

工房は大通りから奥まった場所にあるので、ちょっと分かりにくいです。販売用の在庫は置いてないので、注文販売となります。Webを見て気に入った商品があれば、前もって予約して、完成後に取りに行った方が効率が良いかもしれません。原則、配送はしていないとのことです。オーナーがいない場合もあるので、事前予約してから行った方が良いでしょう(英語可)。

家具難民になっているヤンゴン在住の外国人には、この工房はありがたい存在だと思います。

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2014年7月14日月曜日

カチン料理屋に外国人客が集まる理由

行きつけだった近所のカチン料理屋が、Sanchaung地区から移転してしまいました。数少ない外食の選択肢が減ってしまい苦慮していましたが、同じSanchaung地区に別のカチン料理屋を見つけたので、今はそこへ通っています。

さて、前に行きつけだったお店もそうでしたが、いま足繁しく通っているお店でも、外国人客を良く見かけます。行けばたいてい一組以上の外国人客がいます。近所にミャンマー人向けの英会話教室があるのを勘案しても、ローカルレストランにしては、異例の外国人比率の高さです。彼ら彼女らが、ここへ来る理由は、おそらく私が通っているのと同じかと思われます。

以下に、その理由を列記します。

(1)英語のメニューがある
観光客を対象としていないローカル料理屋には、大抵英語のメニューがありません。ミャンマー語が読める外国人は極めて少ないため、当然、外国人の足は遠のきます。ところが、カチン料理屋にはなぜか英語のメニューが用意されています。しかもオーナーになると英語話者の場合も珍しくありません。これはカチン族は、キリスト教徒がマジョリティであることも関係しているのかもしれません。

(2)ローカルのミャンマー料理屋と比較して、油分が控えめ
日本人がミャンマー料理に躓くのは、その極端にオイリーなところに依る所が多いです。さらに、味付けがすべて同じなので、常に同じ味なのに飽きて、滞在が長期になると食べる気がしなくなるという側面もあります。
カチン料理は、ミャンマー人が食する一般的なビルマ料理と比較すれば、油分が控えめです。といっても日本食に比べれば、相当にオイリーなわけですが、現地で可能となる選択肢の中では、油分が他と比べて控えめというのは、大きな魅力です。

(3)価格帯がローカル料理屋の範囲にある
では、日本食のレストランに行けばいいじゃないかという意見も出て来るかもしれません。日本食レストランは、ここ1、2年で急激に数を増やし、ヤンゴンだけで約200店になったと言われています。しかしながら、日系資本の経営による日本食レストランの多くは、日本で食べるのと価格がそれほど変わりません。翻って、ミャンマー現地採用の日本人の日系企業での給与相場は、10~15万円がヴォリュームゾーンと言われています。現地の所得水準を考えると、多くの今の日本食レストランの値付けは、大部分のミャンマー人のみならず、ミャンマーに根を下ろす日本人にとっても響かないものになっています。
本国と同じ値段を気にせずに、レストランに通える客層は、大使館等の政府機関関係者や、ミャンマーへ転勤で来ている本社採用の駐在員の人たちです。駐在員の家族を含めたミャンマー在住の推定2,000人の邦人の一割が、本国と同等の(もしくは在外手当がつくため、本国以上の)可処分所得があると想定すると、本国と同じ価格帯のレストランの対象となる潜在顧客は、ミャンマー駐在員とその家族を含めた約200名と、日本からの出張者しかいないことになります。
プレスリリースで「現地の富裕層も対象に」というフレーズを頻繁に見かけますが、現地の富裕層でも、本格的な日本料理は口に合いません。ミャンマー料理の味付けと日本料理のそれは、あまりにも開きがあり過ぎて、海外で育った人物でもない限り、薄口の微妙な味わいはミャンマー人の嗜好に合いません。ただし、 和牛はミャンマーの富裕層の中でブランド化しているため、高級焼肉店はそこそこ人気があります。
そして上述しましたが、現地の所得水準に準じた、現地採用の日本人、現地のローカル企業に勤務する日本人、NPO・NGOに勤務する日本人の足は、本国と同じ価格帯のお店に頻繁には向きません。
ミャンマーに2年あまり住んで身に付いた、現地で妥当と感じる価格帯は、一皿が上限4,000チャット、客単価がアルコール抜きで5,000チャット未満、アルコール入れての客単価合計が7,000チャット程度です。

さて、カチン料理屋に話を戻します。
このお店の価格帯は、ローカルレストランの中では、やや高めというところでしょう。

ご飯類は2,000チャット(約200円)。ミャンマーの典型的なチャーハンに比べると、油分控えめです。


麺類は2,500チャット(約250円)。日本で言うと肉ソバ。カチン族は、ミャンマーでは珍しく、牛肉を常食としています。


ちなみにミャンマービールは、大瓶1,800チャット(約180円)です。

お店の情報は以下の通り。Sanchaung地区の消防署の近くです。

Jing Hpaw Myat
No.2(B), Kyun Taw Street, Sanchaung Township, Yangon
Tel: 01-524525, 01-503521

上に書いた値頃感に則しているのも、現地在住の外国人ーその多くは近所の英会話学校の講師ーが数多く訪れる大きな理由でしょう。ミャンマーでの英会話講師の給与水準については知りませんが、現地の授業料を勘案すれば、それほど高いとは思えません。この前は、店にワインを持ち込んで飲んでいる強者の外国人を見かけました。外国人が多いと書きましたが、他の日本人客は見たことがありません。Sangchaung地区の日本人の皆さんは、自炊派が多いのでしょうか。

現地のレストラン相場のご参考に、同じくSangchaung地区にある家鴨料理の人気レストランをご紹介します。


ここは家鴨の肉入りソバが、700チャット(約70円)。ローカルフード価格です。


調理は、屋外に張り出したテントの下でされています。


さすがに衛生面の不安があるためか、このお店では外国人を見たことがありません。ですが、いつもローカルのミャンマー人で賑わっています。ちなみにメニューは、ミャンマー語表記のみです。


これからミャンマーへレストランの出店を考えるなら、たとえ日本人でも、業態は日本食レストランにこだわる必要はないかと思われます。日本料理を提供するとなると、食材や調味料等の調達にどうしてもコストが嵩みます。加えて料理人の育成などにも時間とコストを要するため、ローカルレストランに競争力のある価格を提示することは難しいでしょう。
発想を変えて、現地で容易に調達できる食材で調理できるミャンマー料理を、外国人向けに提供することを検討しては如何でしょう?
外国人にターゲティングしているわけでもないカチン料理屋に、外国人が集まっていることからも、英語のメニューがあり、油分を控えた、リーズナブルなレストランに大きな潜在需要があることが読み取れます。年々、外国人のミャンマー在住者が増えてきているので、この需要は今後も右肩上がりでしょう。
外国人の嗜好にマッチした、ローカル価格のミャンマー料理屋、そんなお店が近所にあれば私も通います(笑)。さらに、インテリアを、東京とかロンドンにあるカフェぽい内装にして、アルコールも含めたドリンク類を充実すれば、観光客にも人気が出るのではないでしょうか。
最後の方は、ミャンマーで生活する者として、存在して欲しいお店の願望になってしまいました(笑)。   

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2014年5月19日月曜日

いまヤンゴンで一番クールな場所

少し前からWebの記事Facebookページで見て気になっていた、ショップ兼ギャラリーのTS1に行ってきました。Webで見たときには、今までのミャンマーにはないアーティスティックで、スタイリッシュなスペースだと感じました。こうした場合、プレスリリースの写真は格好良くても、実際行ってみると、そうでもないことが往々にしてあるものですが、ここは予想以上にクールな空間でした。
入り口から、無造作に撮った写真でも、こんな感じです。ここだけ見ると。ニューヨークのSOHOにあるアート・スペースと言っても違和感ありません。それを意識して作っているのでしょうけど。立地も、川沿の倉庫街だし。

広々とした、贅沢な空間の使い方です。天井が高い上、半透明の屋根から、自然光が入る仕様で、開放感があります。

ニューヨークの設計事務所のアメリカ人建築家に設計を依頼したと、カタログに書いてました。カタログも立派で、スタイリッシュな作りです。ミャンマーでは珍しい、お金とセンスを惜しみなく注ぎ込んだ格好良さです。脇の甘さや、隙がありません。

アパレル・コーナーもあります。ここだけ見ると、コム・デ・ギャルソンの店内みたい。半袖シャツが一枚85USDとお値段もお高め。

家具も売っています。中目黒のデザイン家具屋みたいなテイストの家具です。たいていのミャンマーのローカル家具屋は、無駄に大きくて、過剰に装飾的な家具しか売ってないので、趣味の良い家具屋は貴重です。ただし、価格も中目黒価格。写真のサイド・テーブルとソファが共に400USDとローカル価格とは一線を画してます。うーん、せめて半値ならすごく魅力的なのだが。

 雑貨類も置いています。色調とかデザインが、外国人向けにお洒落。小物類も、ひとつ約30USDとお高め。ちなみに写真のテーブルは、750USDでした。


ショップの隣にギャラリーを併設しています。ミャンマーのギャラリーは、印象派風の絵画、つまり19世紀末くらいの技法で描いた絵画を扱った店がほとんどです。率直に言って、当地のアートシーンは、やや古臭い感があります。ここは従来のギャラリーとは違い、ミャンマーのモダンアートを専門にキュレーションしています。ミャンマーで、ローカルのアーティストの現代美術を見る機会は少ないので、非常に新鮮です。

いまのヤンゴンで、いちばんスタイリッシュで、クールな空間であることは、おそらく間違いないでしょう。
住所は、以下の通り。周囲に何もない場所なので、タクシードライバーに探してもらうのに、けっこう手間取りました。
Transit Shed No. 1, Between Lanthit Jetty and Kaing Dan Jetty No.1, Oo-Pa-Sa Street, Seik Kan Township

行って感心すると共に疑問に感じたのが、今のミャンマー(ヤンゴン)にこの種の格好良さへの需要があるのだろうか?、ということでした。
ローカルの富裕層は、金ぴかで、過剰に装飾的なデザインが好みですし、ミャンマーを訪れる外国人はビジネス客が中心でアート的なことに関心を持つ層は、かなり限られるのではないかと推測されます。
ニュースによると、投資したのは香港生まれの実業家ですが(たぶんミャンマーの富豪のセルジュ・プン氏の子息か係累。オックスフォード大、NYヴォーグ勤務という輝かしい経歴の持ち主)、ここまで、資金とセンスをふんだんに注ぎ込んだ贅沢なスペースは、ミャンマーでは初めてなので、今後の現地での反応や、将来の展望が気になります。
これからのミャンマーのセンスや嗜好、そして消費動向がどう変化するかを占う上でも、定点観測したいと思える場所でした。 

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2014年4月28日月曜日

地元民に愛されるローカル・レストラン

水祭りも終わり、雨期を前にした、ミャンマーで一年最も暑い時期になりました。
ここ一週間程、体がだるく、頭痛がします。熱中症かなと思ってましたが、ひょっとしてデング熱かもしれません。

さて今回は、Sanchaung区に住んでいる地元の人たちから愛されている、人気ローカル・レストランをご紹介します。

Shwe Yee
No.27, MaharBawga Street, Myaynigone (South), Sanchaung Township, Yangon
Phone: 01 501165, 01 500227

場所は、ダゴン・ショッピングセンター1の通りを挟んで、向かいの通りです。
日本語が喋れる店主のいる、かき氷屋さんSnow Whiteと同じ並びにあります。

 この通りの先がダゴン・ショッピングセンター1。

こちらが入口。日曜日のランチは、大抵、ここで摂っています。

いつも食べているのは、ベジタブル・カレーとトマト・ベースのチキン・カレー。
ミャンマー料理には珍しくココナッツ・オイルを使用していないらしく、ミャンマー料理にしては、あまりオイリーではないです。
もうちょっと調理方法を丁寧にして、綺麗に盛付けすれば、日本の小洒落たオーガニック・レストランに出てきそうです。やはりローカル・レストランなので、切った野菜のサイズとかバラバラだし、チキンは骨付きなので用心して噛まないとガリッとやります。

これにライスも加えて、全部で1,200チャット(約120円)!
さすが、ローカル・レストラン。納得のリーズナブル・プライスです。
ミャンマーの日本食レストランの5分の1くらいのお値段。

日によってはカレーが水っぽかったりして、味にバラツキがありますが、ローカル・レストランのミャンマー料理では、ここが一番美味しいと感じます。
人気店なので、早めに行かないとカレーが品切れになっていることもあります。

 客層は、ほぼ100%ミャンマー人。たまに、ガイドに連れられた欧米人を見る程度。
当然、ミャンマー語しか通じません。店内のメニュー表記も、ミャンマー語のみ。
私はミャンマー語できませんが、いつも同じ料理頼んでいるので、なんとか注文できてます(笑)。
ちなみに夜はやってないので、ご注意を。営業時間は、7:00~18:00くらいです。
現地慣れしている人、ミャンマー語の出来る人には、オススメのレストランです。

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2014年4月23日水曜日

【News】なぜミャンマーで外資系企業は苦戦するのか?

外資系ホテルのコングロマリットが相次いで、ミャンマーへのホテル建設のプロジェクトを進めています。もちろん、ミャンマーへの外国人旅行客が急増することを見込んでのことです。
ところが、今回ご紹介するニュースによると、ヒルトン、ノボテルなどは、当初の完成期日を過ぎても一向に完成の目処が立っていないようです。私もホテル建設に関わるあれやこれやを見聞する立場にいたので、ある程度、内情の見当はつきます。
とはいえ、世界中にホテルを建設したノウハウがあり、かつ財務、人材、技術、法務等の豊富なリソースを持ったホテル界の巨人達でも、やはりミャンマーでは苦戦するのか、との感慨もあります。

ホテル業界に限らず、ミャンマーに進出した外資系企業が、共通して直面する事態でもあるので、以下にどのような問題が起こりうるかを記します。

1.法律・許認可が不透明
各種ライセンスを取得するのに、手続きが明文化されていないため、相当に手間取ることが多々あります。多くの役所のいろんな部門に、根回しが必要な局面もあります。
現地特有の事情により、認可の取得が困難な場合もあります。たとえば、アルコール提供の認可に関しては、現在、新規のライセンス発行がなされていないため、ライセンス保持者からライセンスを買い取り、名義の書き換えて対応することになります。この場合、適正な価格でライセンスを譲ってくれるライセンス保持者を、どこからか探し出さなければなりません。事情を知るヤンゴン市内の居住者だとふっかけられるので、世情に疎い地方のライセンス保持者を探すのがベターだと言われています。

2. 現地企業にペーパーワークができる人材がほとんどいない
ミャンマーのローカル企業間では、契約書や文書を交わさず口約束だけで、ビジネスを進めることが多々あります。基本的に、文書をやりとりしてビジネスを進める習慣がありません。メールでデータを交換して、プロジェクトを進展させることは、ほぼ不可能です。質問表などを作成してデータを求めても、無視されることの方が多いです。特に、複雑な内容であったり、相手側に取って面倒だったり、都合が悪い内容の場合は、ほぼスルーされます。もっとも、ローカル企業に文書作成能力を持ったスタッフはいないことの方が多いので、対応できないのも当然かもしれません。
よって、すべての局面で、直接対面で話し合う必要があります。

3. 期限・納期に対する感覚の違い
何が何でも、納期や設定した期限までに、仕上げなければならないという概念は、ここにはありません。 たとえば、業者が3日で出来ると言っていた工程が、一週間経ってもできていないというケースはざらにあります。多くの工程で、このような遅延が生じるので、どんどん完成が先送りになっていきます。

4. 完成度に対する拘りのなさ
不思議になるほど、作業が雑です。建具の扉がきちんと閉まらなかったり、図面を無視して、自分のやりやすいように電気配線をしたり、といった事態が多発します。すべての工程を、入念に確認する必要があるため、工事監督者の負担は非常に大きいです。特に配管や水回りは、現地の要求水準が低いため、要注意です。配管が適切でないため、水漏れするケースが多発します。また、バスルームの排水という概念がないため、事前に勾配をつける等の指導しないと、バスルームに水溜りができる仕様となってしまいます。ローカルの施工業者には、竣工時に完成図面を提出するという習慣もないので、常に工事監督者が作業を確認して図面に落とし込む等の対応も求められます。

5. 物品調達が困難かつ複雑
一定水準以上の建物を作るためには、ミャンマーでは入手できない備品や部品を海外から輸入する必要があります。物によっては、輸入するためにライセンスの取得を求められるものがあります。また、例によって税関での手続きが不透明なため、時間を要することもあります。

6. 現地マネジメントの難しさ
これは良く言われていることですが、こちらの人は怒られるとすぐ辞めることが多いです。作業結果が気にいらないからといって、感情的な対応するとさらに事態が悪化します。翌日になって、業者や作業員が現場に来なかったり(笑)。もっとも日本式のマネジメントは、世界でも例外らしいのですが。「子供の頃からバカでも褒めるというやり方が一般的でありますので、厳しいやり方への 免疫がありません」というのは、ここミャンマーでも当てはまります。

それでは、記事をお読みください。外資系企業の皆さん、大変な苦労をされています。具体的な問題については、それぞれの立場もあり、あまり語っていませんが。言外の部分を忖度して、読んでいただければ、彼らの直面している困難さがお分かりになると思います。

『Myanmar Times』724号 2014年4月7日~13日号 より記事転載(原文は英文) 

ヤンゴンの大規模ホテル開発プロジェクト完成が延期
ヒルトン、ノボテル、マリオット、ペニンシュラなどのホテル業界のビックネームが、ヤンゴン参入へ向けたプロジェクトが進行中。しかしがら、各社ともホテル開業が思ったよりも困難なことを思い知る。
Text By Tim Mclaughin
Additional reporting by Aung Shin


2013年の初め、ミャンマーで開催された最初の国際観光会議の中で、国際的なホテル・チェーンのヒルトンは、早期のミャンマーへの参入を表明した。
声明は3月6日に発表され、ヒルトンはタイを拠点とするLPホールディングスと、ダウンタウン・エリアのセンター・ポイント・タワーの複合商業施設に建設予定のヒルトン・ヤンゴンのマネジメントについて合意したと、ヒルトンは語った。
この声明は一連の改革に伴い、ミャンマーへの経済的な将来への楽観が広がったことを反映していた。観光ブームが過熱し、ホテルの需要は急激に高まった。さらにアメリカの経済制裁は解除され、アメリカの巨大企業が知名度の高いブランドを市場へ投入した。
センター・ポイントについては、21年前の開始時からプロジェクトは難航していた。ヒルトンは、LPホールディングスが長らく約束していたハイエンドのホテル建設に必要とされる、投資とノウハウを提供する救済者と見なされていた。
しかしながら、アナウンスから一年以上経過しても、スーレー・パゴダとMerchantロードのコーナーにできるはずの21階建てタワーの建設は遅々として進んでいない。
プロジェクトが突き当たる困難さは、ミャンマーへ進出する外資系企業が直面する、チャレンジに対して引き起こされる共通の症状だ。一年前のスピーディーで円滑な市場への参入という期待は、現地のビジネス環境のリアリティの前に潰えた。
「よくこの国のことを見て欲しい。これを強調するのには、いつも少しばかり気をつけているのだが、問題はミャンマーにあるのではなく、外資系企業の期待が問題なのだ。この国が一夜にして上手く行くようになるはずがない」とミャンマーの不動産会社Colloers Internationalの経営者Tony Piconは言う。
センター・ポイントでは、金属製の板壁が、一等地にあるタワーの建設現場を取り囲んでいる。壁のすぐ側の舗道では、ちいさな木の木陰で手相見達が歩行者に将来のアドバイスをしている。数人の建設労働者が、ビルの入口で、中断した現場をぶらぶらしている。建物へは、最近になって重機や電気システムが備えられた。
ホテルは当初は、先月、開業予定だった。今のところ、6階のディスプレイ用の部屋一室のみが準備されている。ベッドルームからガラスの壁で隔てられたバスルームは、クロームの金具と巨大な自立式のバスタブが占拠している。部屋の中央に置かれた、深い色の木枠のキングサイズのベッドは、建設現場からの埃から保護するため、ビニール・カヴァーに覆われている。
LPホールディングスのディレクターRichard Mayhewは、モダンでオープン・プランな客室は、完成すればヤンゴンで最も広いものとなるだろうと語る。
ところが「ホスピタリティー体験の質に対する基準」となるだろうと、2013年3月にヒルトンが約束したホテルは、6ヶ月以上の遅延を経て、300室のみが基準に達することが明らかになっている。
ヒルトンの関係筋は、2014年内に150室程度を部分的に開業することを目指している、とミャンマー・タイムズに語った。
業務の遅延は、ヒルトンの品質基準を適えるため輸入する、ホテルの必要物品の停滞が原因となっている。 一方、LPホールディングスは作業員の確保に苦労している。関係筋の語るところによると、タイから連れ来た作業員の多くが、ヤンゴンの労働環境に不満で、すぐに帰ってしまった。
Mayphew氏は、最近のインタビューで、プロジェクトが直面している具体的な問題について、コメントを控えた。
しかしながら、ホテル建設の遅延は、センター・ポイント関連の作業の遅れの最新のものに過ぎない。 同所は一等地にも関わらず、LPホールディングスが目指している開発に、現在まで失敗してきた。
センター・ポイントは、1990年代前半、最初の外資系企業の呼び込みへの失敗となった、記念碑的な建物だ。1992年、Than Shwe将軍は軍部の実権を握ると、限定的な改革に着手した。
ホテル観光省は1993年11月に、LPホールディングスとセンター・ポイントに関して、BOT(Built, Operate and Transfer)契約を締結した。ホテルの建設は2年後の1995年に開始されたが、1998年のアジア通貨危機による景気後退の影響を受けて中止された。
フランスのホテル・グループAccorのラグジュアリー・ブランドSofitelが、元々、このプロジェクトに参加していたが、まもなくミャンマーの人権侵害に関する懸念から、撤退した。
プロジェクトは、2005年に再開されるまで、休止されていた。2006年にオフィス・タワーが建設されたとき、プロジェクトのコストは100万USドルまで膨れ上がっていた。4年後の2010年1月、Mayphew氏はミャンマー・タイムズに、ホテルは同年の11月に開業するだろうと語った。2010年6月、開業日はさらに2011年初頭に延期された。あるヤンゴンに長く住む外国人は、ホテルのソフト・オープンまで4年かかっていると冗談の種にする。
しかしセンター・ポイントとヒルトンだけが、停滞したホテル事業というわけではない。
ヒルトンがミャンマーに参入した同じ頃、Accorがミャンマーに戻ってきた。 マックス・ミャンマー・グループのU Zaw ZawとヤンゴンにNovotel Yangon Maxを、マンダレー、ネピドーにも同様にホテルを建設するパートナーシップを結んだ。
同社は、British American Tabaccoやエリクソン、ペプシなど1990年代に同地を去って以来、再参入を果たした企業のひとつである。
未だアメリカのブラック・リストに載るマックス社とパートナーシップを組んだことは、同地のクロニー(訳注:軍事政権との関係が深かった政商が経営する企業)と提携することへの評判リスクが低くなったことと、この種のビジネスマン達が享受しているコネクションの役得が高いことを示している。 Accorにとって残念なことに、2カ所で進めている開発をスピード・アップすることはできていない。
マックス社の提携がアナウンスされた時のウェッブ・サイトの記事には、Pyayロードのノボテル・ホテルは、遅くとも2013年12月に開業されると書かれている。しかし、Accorのスポークスマンは、特定できない様々な建設の遅延によって、2014年終わりまでに「完全に完成」すると、先週に語った。予定より、まる一年の遅延である。
マックス・ミャンマー・ホテル・カンパニーのプロジェクト・マネージャーのU Bo Chan Tunは、最初のうちはヤンゴンのホテル建設が遅れていることを否定した。
「遅れてはいません。我々はプロジェクトの誰にも期限を定めていません」と彼は語る。
 マックス社のウェッブ・サイトの記事に書かれていたことについて尋ねると、彼はホテルのデザイン変更に伴う遅延を渋々認めた。
Accorがパートナーシップを結んだ、もう一つの企業ネピドーのMGalleryホテル・グループも設定した期限を守ることができないでいる。自慢のシガー・バーやイタリアン・レストランを備えた119室のホテル・プロジェクトは、2013年にフルオープンを予定されていた。2013年12月に開催されたシーゲーム(Southeast Asian Games)では、部分的に営業して宿泊客を入れた。今は入口は閉ざされ、工事が再開されている。
バンコクを拠点とする、Accorのスポークスマンによると、現在は、2014年の第4四半期にオープンすることが、予定されている。
気質の違いが引き起こす問題は、別のホテルのパートナーシップにも降りかかっている。それは、ヤンゴンの象徴的な植民地様式の建物に対する、再開発と再利用を目指したものだ。
Serge Punの肝いりで、築100年のビルマ鉄道省の建物の再開発を含む、400万USドルの複合商業施設のランドマーク・プロジェクトは、鉄道省からのリース期限の延長の許可が下りないため、実施に取りかかれずにいる。
First Myanmar Investment(FMI)、Serge Pun & Asocciates、シンガポール上場企業Yoma Strategic Holdingsの会長であるPun氏は、昨年12月にミャンマー・タイムズに、1995年で期限切れのリースを、現行法で最長となる70年の延長ー50年と2回の10年延長ーの申請をしたと語った。
しかし、ここ数年で、鉄道大臣が二回交代する中、リース延長の認可を得るのは難しいことが証明された。昨年7月のU Zeyar Aungは、U Than Htayに交代し、長い間、副大臣を勤めたThura U Thaung Lwinは、他省へ異動となった。
Pun氏は、このプロジェクトに関するコメントを拒否した。鉄道省の高官は、最近、ネピドーでリースの延長についての会議が開かれたが、進展はなかった、とミャンマー・タイムズに語った。建設予定地は閉鎖され、Grand Mee Ya Hta Executive Resindencesビルディングの周りを、丈を伸ばした雑草が生えるにまかしている。
計画の行き詰まりにも関わらず、Yoma Strategicは、1880年代のペニンシュラ・ホテルにまで遡れるHongkong and Shanghai Hotelsと、3月10日に鉄道省の建物の開発に関する業務提携にサインした。
HSHグループの不動産ディレクターMartyn Sawerは、「今ままでの進展に満足している」と語った。
「我々のパートナーYoma Strategic Holdingsはミャンマーで長い経験があり、両者ともこのプロジェクトに対して、長期的な展望を持っている 」とSawyer氏は言う。
このような計画の遅延はホテル・チェーンの意欲を削ぐかもしれないが、ミャンマーへの旅行者、とりわけビジネス関係の旅行者は、着実に増え続けている。
ホテル観光省は、飛行機でヤンゴンに到着した旅行者が、全体の2分の1以下にも関わらず、2013年に200万人の旅行者がミャンマーを訪れたと発表した。 2014年には、300万人になると予想されている。
こうした旅行者の増加を背景に、ロンドンに拠点を置く、World Travel and Tourism Council(WTTC)は、3月に発表したレポートの中で、ミャンマーの旅行産業は、2014年に9.4%成長し、971万USドルに達すると予測している。
最近になって、マリオットが、Kanbawzaグループとの提携から撤退した。品質管理に関してのいざこざが原因だ。これに対して、スイスのホテル・チェーンKempinskiがすぐに割って入った。
Kanbawzaグループの副社長U Moe San Aungは、マリオットのネピドーのホテル建設現場での厳格な監査は、プロジェクトを遅らせた、とミャンマー・タイムズに語った。マリオットは、この件に関してコメントを控えた。
U Moe San Aungによると、Kempinskiは3月末に、Kanbawzaの全所有となる施設の管理に関する契約を、Kanbawzaと交わした。Kempinskiネピドーは、翌月に開催されるASEANサミットに先駆け、5月1日にオープンを予定されている。
Kempinskiのスポークスマンは、「ミャンマーはKempinskiが関心を持ち、参入の機会を探っている市場だ」とのみ語った。
Accorのスポークスマンは、マックスに代わって、Myat Min Companyと開発を進める判断は、現在起こっている遅延とは無関係と語った。Accorとの取引前には、Myat Minは農業関連の企業だった。
ヒルトンの非公式の情報として、アジア開発を業務とするディレクターのKieran Bestallは、グループはバガン、ネピドー、マンダレーについてのプロジェクトについて検討していると語ったが、具体的な情報は明かさなかった。
「ミャンマーへの関心は特別なものだよ」とBestal氏は言う。

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2014年4月20日日曜日

ついに発見、ヤンゴンのオアシス

ミャンマー(ヤンゴン)に住んでて、不便というか満たされない気持ちになるのは、一人で静かに過ごせる店舗や公共スペースが少ないことです。
とくに休日に本を持って、数時間ゆっくり読書に没頭できる、静かで、居心地の良い店がない。ローカルのカフェは、半野天で15分ごとに托鉢僧(午前中以降に現れるのはたいてい偽僧侶)や物乞いが目の前に現れるので、本に集中できない。高級ホテルのラウンジや、ダウンタウンの外国人向けのカフェという選択肢はありますが、価格帯も外国人価格で普段使いにはなりません。
そうした不満に応えてくれる、絶好のスポットを発見したので、お知らせします。
今日、午前中にネットサーフィンしてて、このブログの紹介を読むととても居心地が良さそうな上、我が家から徒歩で行けるSanchaung区のお店だったので、早速、行ってみました。
  
Cocoon Cafe & Bar
22/24 Corner of Shin Saw Pu & Baho Rd. Sanchaung Tsp.Yangon Myanmar 

Shin Saw PuロードとBahoロードが交差するコーナーにあるビルの最上階に、お店はあります。屋上にサインボードが出てるので、この界隈に来れば、すぐに分かります。

ブログでも書かれれたように、たしかに入り口はお店があるようには見えない(笑)。

エレベーターで最上階の9Fへ。


カウンターとブースがある居心地の良さそうなカフェ&バーです。

別室にテラス席もあります。シェダゴン・パゴダが見える方角なので、夜景がきっと綺麗でしょう。

気になるお値段は、カプチーノが2,000チャット+10%Tax。ホテルのカフェやラウンジの半額程度ですね。

アルコールは、モヒートが3,500チャット。まぁ、ローカル価格の範疇ではないでしょうか。

店内は静かだし、エアコンも効いてて、かなり快適です。これはいいところを見つけた。昼下がりの休日とか、夜に気分転換したい時なんかに最適なカフェ&バーでした。
ブログでご紹介してくださった、山崎郁馬さん、ありがとうございます。面識はありませんけど。   

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2014年4月17日木曜日

Sanchaungのカチン料理屋

久しぶりの更新です。
現在、ミャンマー長期休日の時期なので、暇にあかせてブログを書きます。
この休日期間中にミャンマーに居て、困ることの一つは空いているレストランが少ないということです。もう一つは、水祭りにあたる三日間は、通りのいたるところに、お祭り騒ぎに浮かれて、狂ったように水を掛けてる来る若者や子供がいるので、おちおち外を歩けないことです。
水掛けをやってなさそうな道を選んでいても、突然、物陰から奇声を上げた子供や若者が走り寄って来て、桶やバケツの水を叩きつけるように掛けてきます。周囲の様子を伺いながら、物陰に隠れるように通りを歩いていると、自分がゾンビ映画の登場人物になったような気がします(笑)。

営業中のレストランを探すのが困難なこの時期ですが、例外的にカチン料理屋は営業していました。
カチン族の多くがキリスト教徒で、今の仏教徒のお祭りとは関係ないからかもしれません。何度かブログに書いたカチン料理屋「Lady Finger」が移転してしまったため、ただでさえ少ない外食の選択肢が減って苦慮していましたが、近所に別のカチン料理屋を見つけたので、ご紹介します。

Sanchaungのカチン料理屋「CANAAN」。

立地は、SanchaungのNyaung Tone通りです。この通りの中頃にお店の看板が立っています。

それでは、今まで食べた料理を紹介します。

牛肉の切れ端が入ったヌードル。油分が控えめで、日本人の口にも合います。1,500チャット。

ミャンマー風チャーハン。こちらもあっさりした味付け。ミャンマーのローカル料理屋にしては、盛り付けも綺麗です。2,000チャット。

カチンの伝統的な野菜スープ。味付けは塩と香草のみ。ベジタリアン向けです。これを食べた翌日は、お腹の調子がいいので、薬膳効果があるのかもしれません。3,000チャット。

店内もローカル・レストランにしては清潔です。メニューに載ってる料理が少ない、アルコールが置いていない等の弱点はありますが、現地在住者の普段使いのレストランとして、使えるお店のひとつではないでしょうか。

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2014年1月24日金曜日

【Myanmar News】ミャンマーの屋台の衛生事情

ミャンマーに長期滞在している外国人にとって、日々の食事は、切実な問題の一つです。
ご存知の通り、ミャンマー人が好んで食べるローカル料理店の食事は超絶オイリーなので、毎日食べるのは、外国人には正直キツイ。
かといって、和食、フレンチ、イタリアンなどで真っ当な料理を出すレストランは、概ね外国人経営の店で、価格も日本と変わらないため、途上国に住んでるメリットが感じられない。ミャンマー人経営の比較的リーズナブルな外国料理のレストランもありますが、ミャンマー風味の外国料理を食べるより、潔くミャンマー料理店行った方が、いっそ清々しい気がします。これは、個人的な感覚かもしれませんが。

というわけで、食事に行く店に関して、なかなか選択の幅が狭いのが現状です。
せんだって、日本から友人が訪緬しました。彼はアフリカ駐在の経験もあり、何でも食べれると豪語していましたが、滞在三日目で食あたりを起して、いきなり弱気になってました。最初は自身満々だったので、ギトギト・ヌルヌルしたオイリーなミャンマー料理を出すハードコアなローカル店に連れて行って、反応を見ようと画策していましたが、初級ミャンマー料理店の段階で早々に躓いたため、その機会を逸してしまいました(笑)。

かくいう私も恒常的にお腹を壊しているため、日本から持って来た正露丸と経口保水液代わりにするポカリスエットの粉末が手放せません。
頻繁に食あたり起すのは、主に衛生環境に起因していると思われます。外食産業に関わる人でも、ローカル店では、手を洗ったり、清潔さを心がけているようには、とても見えません。
日常的に閉口するのは、汚れた手の指を碗にガッツリ入れて、ウエイターが料理を運んで来ることです(笑)。汚れた手で、人が口にする物を触って欲しくないという気持ちは、まったく理解してもらえません。まぁ、汚れた手には雑菌が付いているとか、雑菌を体内に入れると体に変調を来すとか、初等教育でも教えてないようなので仕方ありませんが。

さすがに屋根のある店で食べるようにしているので、ふだんは屋台には行きませんが、路上で調理中の写真を、ご参考までにアップします。

おばさんが、素手で麺を和えてます(笑)。ちなみに周囲に手を洗う環境はありません。

こちらは、漁港での水産加工の作業風景。冷凍設備や保冷車がないので、水揚げした魚は、その日の内にここで加工して、市場や路上の売店へ卸されるようです。

そんなミャンマーの食事事情ですが、ミャンマー当局が屋台で販売している食品の衛生調査をしたという記事があったので、ご紹介します。さて、結果はいかに?

 『Myanmar Times』2014年1月20~26日号 より記事転載(原文は英文) 



路上販売されている食品の衛生調査 1/3がバクテリアの危険性
Text By Shwe Yee Saw Myint

新たな調査によって、私たちが身を持って学んでいた事実が明らかになった。
ヤンゴンで路上販売の食品を買うことは、多くのタイプのバクテリアに免疫を持たない人達にとって、食中毒に罹る可能性がある。
調査結果は、市内の衛生問題の大きさを浮き彫りにした。150のサンプルのうち1/3以上にブドウ状球菌かバチルス・セレウス菌のいずれかが見つかった。両者とも食中毒を引き起こすことで、よく知られたたバクテリアだ。また、1/4には、ただちに危険な水準のバクテリアが含まれていた。
調査結果は、1月6日から10日に健康調査局(下院)により開催された、第42回ミャンマー健康会議で発表された。
国立防疫センターの生態防疫局の副局長 Dr. Thaung Hla が、3人の局員と協力のもと、調査を指揮した。調査目的は、路上販売の食品から、危険な細菌が検出される頻度を明らかにすることだった。
5つの区(タウンシップ)のダウンタウンから、30のサンプルが採集され、検査が実施された。150中約35%の52のサンプルから、ブドウ状球菌かバチルス・セレウス菌のいずれかが検出された。
ブドウ状球菌が含まれていた32のサンプル中23は、ただちに危険な水準だった。一方、バチルス・セレウス菌が含まれていた20のうち14が、危険な水準だった。
 調査は、フライドライス、ソーセージ、パン、カスタード、アイスクリームを対象に実施された。
しかしながら、調査は、焼いた肉、蒸し魚、干し魚、炒り豆などの伝統的なミャンマー料理は対象としなかった。以前の調査では、こうした食品から、高レベルの有害なバクテリアが検出された、と Dr. Thaung Hla は語った。
彼は、路上販売の食品の安全性は、調理・販売する人間の衛生状態に、大部分、原因がある、と語った。
「食品をどのように準備し、調理するか、そして、作る人の衛生状態が原因です。安全な食品を食べたいなら、販売されている環境に注意して、清潔かどうかを見極めるべきです」。
調査結果は論議を呼ぶかもしれないが、関係者は驚くこともなかった、と診療所を経営している Dr. Mie Mie Ko は語った。「食品の路上販売のお店は、いたるところにあります。どんな場所でも、簡単に作れますからね。誰も、食品の品質やお店の人の衛生状態をチェックしていません」。
Dr. Mie Mie Ko は、通常、健康な人の皮膚と鼻から2つのバクテリアが見つかり、劣悪な衛生環境にある店から、食品を通じて感染する、と言う。
バクテリアによって引き起こされた症状は、抗性物質によって治療されるが、治療を施さなかった場合、深刻な結果をもたらすこともある。
「バクテリアに対して、耐性が高い人なら大丈夫ですが、耐性が低い人には病状を引き起こします。いくつかの食中毒の症状は非常に重く、あまりに不衛生な環境だと、死に至ることもあります」。
バクテリアによって引き起こされる食中毒は予防できるが、調理・販売・運営する人々への健康に対する学習が必要だ、と Dr. Mie Mie Ko は言う。
調査結果は公的な健康機関のあり方を示唆するものの、ヤンゴンの食品安全に関する認可に権限を持つ、ヤンゴン開発委員会の保健所へ影響を及ぼすことはなさそうだ、とミャンマー健康調査局の U Ko Ko Zaw は言う。
「我々は、そうした所轄当局と連携していない。我々は、食品販売を中止することはできない。それは、ヤンゴン開発委員会の仕事だからだ」。
 関係当局による強制力がないため、この問題は買う側の注意に委ねられている。
バハンに住む Ma Su Su は、路上販売の食品は、できるだけ食べないよう心がけていると言った。食べた時、よく体調を壊すからだ。お店が手袋も使わず食品を扱い、汚れた水で食器や調理器具を洗っているのを見れば、バクテリアに感染するのはすぐに分ります、と語る。
「もし食べるとしても、少なくとも清潔なお店を探します。時々、手袋を使ったらどうかとお店の人に言ってみますが、大抵の場合、言われたことがお店の人の機嫌を損ねるだけです」と彼女は言った。
食品の路上販売している業者でさえ、自分達が食べる物には注意している。ミャンマー・サラダを Anawraha Road で5年以上売っている Ma Ei は、手袋を使用して、食器を清潔にしている店でしか食事をしないと語った。
「食品を路上販売している業者は、もっとレベルを上げないといけません。私の周りでは、面倒がって、お店を閉めてから、お皿を洗うことさえしない人もいます。翌日、開店する時に洗うのです」。

役人の我関せず的な発言が、いつものミャンマーのニュースぽいですね。

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